君の寂しい声に僕は胸を締め付けられた
ごめんね
結局僕は彼女の元へ帰っていってしまう
僕はまだ飛べないよ
羽も十分な強さじゃないし
僕は彼女のクサリで繋がれているから
遠くまで飛んでいけな ....
狭いシングルベッドに三人で横になり
そっぽを向いている僕に遠慮もしないで
あいつは昔の女を抱いた
静かに軋むベッドの中
僕は一睡もできずに
横で行われている戯れの妄想に襲われていた
不定期 ....
jelly beansの海の中で
僕は君の死体(したい)を探している
赤や黄色 緑に青のjelly beansが
僕の手のひらに触れる
もう血の気の引ききった青白い君の死体(からだ)が
僕の ....
僕は彼女に嘘をついている
僕がいちばん好きなのは彼女じゃない
だけど好きな素振りをしている
もちろん嫌いではない
好きだ 大好きだ
でもいちばんではない
きっとそれは彼女がすぐに手に入った ....
若い愛はまだまだ荒削りで
カタチが一定ではない
まだまだ真綿でくるまれた
うぶな部分を持ち合わせている
胸中は欲望の渦の中
独り暴走を始めている
だがその欲望にいやらしさはない
子供のミ ....
僕の過去はすべて仕組まれた自由
世の中に反発していた頃も
すべて仕組まれたいたのだ
それに気付かないアオい僕は
僕だけが鋭い眼光を開いているかの如く
気に入らないものはすべて破壊した
血が ....
君はまだ熟れる前の青いバナナだ
その若々しい青さ
まだ薄い精臭(におい)
その瑞々しい果肉
実のつまった堅さ
ぶち抜きそうな長さ
ほおばれないほどの太さ
緩く弧を描く曲線
顔の無表情さ ....
この日々の不安はいつ安らぎに変わるのだろう
僕は君のことを想う度にこのしがらみに悩まされる
「大丈夫、きっと大丈夫」と自分を励ますので精一杯
崖っぷちを一歩また一歩と慎重に足を進めているだけ
 ....
君は僕の胸にナイフを突き刺し悪魔のように嘲笑う
剣先についた毒が動脈に流れ込み
心拍に合わせて毛細血管まで染み込んでいく
嗚呼 これで僕も君の奴隷になってしまった
嗚呼 これで僕も君と絶頂を得 ....
僕はいまだに迷っている

君しようか
あの子にようか迷っている

君を選べばこの先安泰であることはわかっている
あの子を選べばそのうち捨てられるのがオチだ

君との愛はとても義務的で温 ....
また同じ過ちを犯そうとしている
また誰かを傷つけようとしている
己の欲望のあるがままに生きようとする僕の汚れた部分が
再び疼きはじめている
快楽を求めすぎるがために
どれだけの人を傷つけ
 ....
僕はいつの間にか「欲望」という
一度足を踏み入れたら
二度と出られない
甘い汁の中に身を委ねきっていた
そこはかとなく溢れ出る
「欲望」の渦の中に身を投じるのは
あまりにも簡単な事だった
 ....
愛に必要な事っていったい何だろう
「安らぎ」?
それとも「刺激」?
「安らぎ」ばかりを求めていると
刺激のない生活に飽きてきてしまう
「刺激」ばかりを求めていると
安らげる場所を探してしま ....
今夜の月は少し冷たい表情をしているせいか
君の表情も少し冷たく感じる
澄んだ藍色の夜空に浮かぶ蒼白い月の灯りに
深紅に染まる口唇がより一層、君の無表情に拍車をかけた
少し虚ろな瞳で僕をじっと見 ....
僕は今、そこはかとなく広がる大海の真ん中にいる
僕の視界に入るのはイヤミなほど青い空と
僕を飲み込もうとするぐらいの群青色の海
そしてそれを繋ぎ合わせている水平線
あとは何もない
孤独だ
 ....
信じることも「愛」だとすれば
疑うことも「愛」だと思う
君はメリーゴーランドのように
同じ場所をグルグル廻っている
女友達と遊んで 男友達と戯れても
必ず僕のところへ戻ってくる
同じことを繰り返す日々
果たして君は幸せなんだろうか
ひとり夜の街を歩く
街灯も薄暗い道にさしかかると
少し欠けた月が僕を後ろから照らしていた
僕の前にできた夜の影
僕はこの影に僕の悪しき心を隠してしまいたいと思った
闇の中の影に全部隠してしま ....
「オマエヲコロス」
僕の中のもうひとりの僕が
僕を脅してきた
その言葉はある種耳鳴りのように
僕を遠くから攻め
精神的ダメージを与えた
その晩から僕は眠れずに
途切れることなく耳に響く
 ....
いつの頃からか空を見上げなくなった
晴れていようが 雨であろうが
今の僕にはどうでもよかった
このほんのちょっと頭を上げる動作すら
億劫になっていたのだ
もう恋をする気にもなれない
ただ疲 ....
涙なんて拭いても拭いても
流れてくるんだもん
どうしようもないもん
君がいないとどうしようもないもん
今日もまた夜が明けて
「死」に一歩近づいた
刻々と「死」に向けて
時が刻まれていく
シワが刻まれていく
体が衰えていく
今日もまた夜が明けて
「死」にまた一歩近づいた
はたしてこのまま ....
僕らはお互い誰かの手垢のついた体で愛し合う
それを承知で愛し合う
混雑時の宝石屋のガラスケース
満員電車の窓
誰の手垢がついていようと責めたりしない
これがルール
今ふたりが愛し合うことに ....
時間は金なり
時間は薬なり
時間は人を惑わす悪魔なり
僕は僕の友に僕の生きてる意味を問うてみる
僕は僕の家族に僕の生きてる意味を問うてみる
僕は僕の愛しい人に僕の生きてる意味を問うてみる
僕は僕自身に僕の生きてる意味を問うてみる
それは因数分解よ ....
真夜中に独り
歩道橋の手摺にもたれて
下を行き交う車を眺めていた
その間僕の心臓と
世の中は動いていたが
僕の心は止まっていた
君のところで止まっていた
戻らない時間と
自分のとった行 ....
実生活上の必要に迫られ
夢の事を差し置いて
三年間も同じ場所で
足踏みをしていたら
あんなに柔らかかった土も
コンクリートのように
硬くなってしまった
今更、水を与えたところで
土は元 ....
突然雨が降ってきて
彼女は傘がない
目の前に立つ
僕の手には青い傘が
ぶらさがっている
手をさし延べれば
渡せる距離なのに
思いきれないのを
傘の骨が一本
曲がっているせいにしている ....
本城希望(28)
タイトル カテゴリ Point 日付
ごめんね自由詩204/1/15 15:23
シングルベッド自由詩004/1/15 15:11
jelly beans自由詩104/1/15 15:07
自由詩203/11/20 15:17
愛の歩幅自由詩103/11/20 15:09
仕組まれたアオ自由詩003/11/20 15:01
青いバナナ自由詩103/11/18 20:20
大丈夫、きっと大丈夫自由詩003/11/18 20:09
愛の奴隷自由詩103/11/18 19:53
歪んだ三角形自由詩1*03/11/17 14:25
昼の顔 夜の顔自由詩003/11/17 14:05
「欲望」という甘い罠自由詩003/11/17 13:53
愛に必要な事自由詩103/11/13 18:42
藍色の空と紅い口唇と蒼白い月と琥珀色のワイン自由詩003/11/13 18:34
失恋自由詩003/11/13 18:16
「愛」自由詩003/9/10 23:16
君はメリーゴーランド自由詩003/9/10 23:11
夜の影自由詩003/9/10 23:08
「オマエヲコロス」自由詩003/9/9 23:13
僕が空を見上げない理由自由詩003/9/9 23:09
どうしようもないこと自由詩003/9/9 22:58
「死」自由詩103/9/2 23:20
手垢自由詩103/9/2 23:16
時間(とき)自由詩003/9/2 23:13
生きてる意味を問うてみる自由詩103/8/27 11:56
夜の街自由詩103/8/27 11:40
自由詩003/8/27 11:29
自由詩003/7/1 20:01

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