それは
わるい季節だったのだと
小さすぎる靴に
むりやり押し込んだ足のような気分で
小雨をついて
散歩にでよう

動かない洗濯機のなかの
洗濯物のように

売れ残るテレビショッピン ....
ママあの
超合金買って
またね
またこんどね

こんどって
いついつが
こんどだったのだろう
もう
こんなに
大きくなりすぎてしまったのに

ママあの
超合金いつ
買ってく ....
妻とふたりで
人生ゲーム
眠れないふたりは
お酒も飲めないから
ルーレットを回して

ひとコマすすんだり
一回やすんだり
思い通りにいかない人生の仕組み

結婚したらピンクの車にの ....
言いたいことは
なにもなかった
ことばがそんなにえらいのかい
ことばでそんなにいえるのかい
ことば

犬がにゃあと鳴いた
猫がわんと鳴いた
蝉がさめざめと鳴き
象の鼓膜もやぶれた
 ....
平らな海のみえる
平らな町で
平らな石に腰掛けて
平らな空の下

あなたはバスケットボールをしているわ
わたしは無糖のサイダー水を飲んでるわ

金網の向こうに
白いスニーカーがもっと ....
UFOをみたわ
妻がいうのを
信じてあげたいので信じる信じれば
信じよ
たとえそれが
なすびの形をしていたとしても

こたつのなかで
足の指で会話してたのは
ケンカしたての若い頃
 ....
まりちゃんを
まりちゃんと呼ぶ人はいない
まりちゃんは小川真理子という
比較的平凡な名前で
比較的平凡以下の容姿を持ち
比較的平均以上に温厚な性格と
だれにも比較できないほど
落ち着いた ....
ああ素朴な人に会いたいのだ
こんな
読めない漢字のように
むずかしすぎる人々にもまれて
どこでなんの役に立っているのかわからないような
仕事をしている
サラリーマンの僕ならば

階段の ....
布団のなかで
好きだった本や
好きだった歌や
好きだった人のこと
考えてみる
それだけなら電気はいらない
暗くなってもさびしくはない

人間の胃袋がまいにちふくらんでいる
それは比喩 ....
テーブルの上の
銀のヨットを走らせて
きみに短い
手紙を書こう

悲しいきもちももう凪いだ
なみだもいつかは
波のもとへ
帰っていくんだよ

使い古しの言葉でいい
世界ではじめて ....
灯りを消して
きみはぼくのことを
ぼくはきみのことを
好きだったのに実らなかった
あのひとだと思って
これから一時間
キスしつづけよう

きみの肩には
できかけのタトゥがつぼんでいた ....
汚れた僕の足を
いつも
あたたかくしてくれて
ごめん

べつに素足でもいいのだ
ちょっとぬられたニスがつめたいだけ

でも思ったんだ
孤独に強いことを誇ったって
それがなんになるん ....
雨がときどき
なつかしい人をつれてくる
いえなかったことば
雨のリズムがとだえる
「つたわったよ」
なつかしい人がうなずくのが
わかって
泣ける

雨がときどき
すごさなかった日を ....
だれも
空のようにはきみをなぐさめることはできない

満員電車のなかで
まわりがにおいをさけるように遠巻きにした
しろいこどもを背負った
みにくい老婆を
見たことがあります

地球は ....
きみがガンガン彫刻刀で
ぼくの胸を彫った
そりゃ彫った
彫って彫って彫った
彫刻等は曲がった
曲がり果ててもまだ彫った

とびちった粉末や
木片に汚れまみれて
きみは
こんなん出て ....
わたしはゴルフがきらいだ。
外したのをよろこんで拍手するギャラリーにはなりたくない。
そういうみにくいこころのうごきがきらいだ。
あいてのミスをねがうこころのいやらしさがきらいだ。

わたし ....
ぼくたちはもう
損ばかりして生きていこうよ。

二頭のかばが
インダスの河辺に大きくよりそい
美しい夕焼けをみた。

たかる蝿さえ静かになった。
はなれていくひとびとの足も止まった。
 ....
神保町にゆきたい
中央線でゆきたい
半蔵門線でもよい
おれはもうだめだ
あとのことはたのむ
おれの好みをみつくろって
何本かのエロDVDをたのむ
あの店だ

神保町にゆきたい
どう ....
あのひとが、
白い部屋から、
退院して、
窓の向こうで笑ってる。

涙が出そうになる。
なにもできなかったけど。
ほんとうによかった。

つまづきなんていうけれど、
つまづいた人の ....
回転ドアからそとへ
出ようとしたのは
さっきまでの
ためいき

いまにも降りだしそう
きみを好きになってしまいそう
だからはやく
はやく

交差点のまんなかで
気付かれないように ....
いつもすこしだけ
手の届かないところに
私の欲しいものはあった

泥の中から手を伸ばした
割れたピンボールマシーンの中から
砕けた肩を掌で支えながら
雨の流れ込むマンホールの隙間から
 ....
陽の当たる坂の上の
団地育ち
歩いて小学校に通い
バスで中学校に通い
自転車で高校に通う

川べりの大きな家の
女の子に恋をして
書いた手紙は
クラスで回し読み
団地の上の
貯水 ....
ジャケ買いしたの
ひとりになった帰りだったの
きのうはふたりだったの
犬は鳴いていたの

踏み切りがゆざめのように
夕日にまどろんでいたの
新鮮なたまごをトラックで売りにきたの
だけど ....
くしゃみをしたら
いろんなものが口から飛び出した

なかでも驚いたのは
むかしなくしたマッハゴーゴーのミニカーの
部品が出て来たことだった

あれは大阪の伯父さんの家に泊まりに行った時
 ....
わたしの背中と
あなたの背中のあいだに
まいにち
いっさつずつの
本をならべてゆきたい

楽しいおもいでも
悲しいおもいでも
みんなみんなすてきな表紙の
本にしたてあげるの
本がな ....
ずるやすみの木で
かみさまを見かけた
なにをしているんですかとたずねたら
ずるやすみをしているのさとこたえた

ぼくも人のことは言えないから
ああそうですかと
おおきな幹にせなかをよりか ....
大人だってたまには
思いっきりお菓子を買いまくりたい
大人のお菓子屋さんには
ちゃんとグリコのキャラメルだってある

大人のグリコのキャラメルには
おまけに
ひとつだけ詩がついてくる
 ....
午前五時
買ったばかりのブーツでも足がかじかむ
約束にはまだ早いけど待ちたいからあのコを待つんだ
ふたりで今日どこまでもいこうって約束した

午前七時
バスが通勤のサラリーマンを詰め込んで ....
「あなたの精液をサンプルとして
採取させてください」
という迷惑メールがよく届く
だけどもし
迷惑メールは迷惑メールに違いないけれど
もしほんとうに
真夜中に死ぬほどの孤独にいたたまれなく ....
隣のクラスの美少女が
休み時間に
ざわつくしじまのなか
窓際のぼくの席までやってきて
ぼくの手をにぎり
これが
永遠のかたっぱしよ
と微笑んだ

美少女はそのまま
開け放した教室の ....
ZUZU(100)
タイトル カテゴリ Point 日付
失敗の季節自由詩206/5/10 15:15
超合金自由詩4+06/5/8 19:09
人生ゲーム自由詩406/5/7 10:46
ことばのあとは自由詩206/5/6 12:32
金網の向こう自由詩106/4/30 13:19
UFO自由詩806/4/28 23:37
女子アナまりちゃん自由詩306/4/21 19:14
酔い覚め(サラリーマン諸君!)自由詩1606/4/17 20:11
環境矛盾[group]自由詩706/4/16 18:43
テーブルの上のヨット自由詩106/4/8 18:35
タトゥのつぼみ自由詩206/3/27 18:56
スリッパ自由詩306/3/26 16:02
雨がときどきつれてくる自由詩406/3/18 19:02
なぐさめ自由詩206/3/15 18:43
それはラブだった自由詩206/3/7 18:59
わたしはきらいだ自由詩306/3/5 18:06
損ばかりして生きていこう自由詩606/3/4 12:09
神保町にゆきたい自由詩32*06/2/19 10:53
つまづいても自由詩3+06/2/16 18:54
交差点自由詩406/2/13 20:44
黄金の林檎自由詩306/2/10 13:38
団地育ち自由詩906/2/6 19:48
ジャケ買い自由詩1006/1/26 20:38
くしゃみ自由詩106/1/25 20:29
ブックエンド自由詩406/1/20 20:27
ずるやすみの木自由詩1406/1/17 20:57
大人のお菓子屋さん自由詩506/1/16 20:27
二十五時まで待って自由詩406/1/15 18:35
迷惑なお願い自由詩8+06/1/14 12:35
永遠のかたっぱし自由詩706/1/11 15:05

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