「君たちの未来には無限の可能性があるのです」
「幸せの数は無限にあるのです」

3月10日巣立ちの日
天へと放った黒い学帽は
青い鳥となって昇ってゆく

彼女の青い鳥
ぼくの青い鳥
 ....
桜の花びらが窓の向こうに消えた月曜日
桜の花びらはゴミだと思う?と訊かれた火曜日
野菜もしっかり食べようと思った水曜日
何の比喩にもなれず図書室に立ち尽くした木曜日
ゴミ箱にゴミを隠した金曜日 ....
月だって東から昇る
だと言うのに
なんでいつも太陽ばかりなんだろう

太陽がどこからやって来て
太陽がどこへと帰っていく
みんなそれしか興味なくて
月のことなんて興味なくて
なんかアタ ....
目的地が設定されました
音声案内を開始します

目的地まで真っ直ぐ伸びるこの道
ニ番目の交差点
その手前にある空き地に入ります

空き地の裏には森が広がっているので
標のない獣道を
 ....
「こ」である私は
いつも
こどくだった

想いは
とどく
誰かへ
とどく
そう叫んでいた

「こ」(そ)「と」
幼いころ習った五十音表
仲良く近くに並んでいた
こどくな私はい ....
あてがない路
アナタからはただ遠のく日々

そこにほんのちょっぴり
風を送ってくれるような
アナタの言葉

立派な人になりなさいとか
意味のある人生にしなさいとか
でも弱さにしか見え ....
どんなにどんなに塗りつぶしても
消えてくれない自分があって
どこまでどこまで
心を雑音に曝して生きていくのだろう

何かを考えようとしても
別の思考がどんどん飛び出て
音量を上げてみたけ ....
言いたいことを言えぬまま死ぬんじゃなくて
言いたいことを言える
来る気配もないそんな時の階層を密やかに待ちながら
私は死ぬのでしょう

叫びたいこと
伝えたいこと
渡したいこと

あ ....
砂浜でラジオを聴いていた

ラジオのダイヤルをまわせば
ザザンザザザン
あなたが水平線から流れ着き
ラジオのダイヤルをまわせば
ザザンザザザン
あなたはさざなみに融け帰っていく

そ ....
守らなければならないのですよ
汚れた手はそこで拭かないとか
そこに座ってはいけませんとか

守らなければならないのですよ

夢のような時間
夢のような言葉
夢のような貴方

夢が私 ....
天気予報は次第に正確性を増しながら北上を続けている
「明日も晴れるといいね」という関わりを奪われた僕らは
今日も左側通行の列の中

君はきっと前方もしくは後方にいるでしょう

天気予報は次 ....
あの別れからどれくらい掘り進んできたのだろう
爪の谷間は地平線
地平線に暮れた太陽はあなた
汚れた手はそこで拭かない

悲しみを拭くのは汚れちまった身体でいい
色は世界誰にでも分け与えられるものではなく
色は世界みんなで分けなければなりません

キッコンカッコン本鈴が鳴ると
ドッタンバッタン生徒たちは絵の具を奪い合う
階下の校長室では副校長と教頭が ....
見えない四角
残された絵の具で空を描く

存在を潰すように雨は降るけれど
雨音が伝うものに耳を貸さなくていい

美しい言葉に救われないものだけに価値があるんだ
たどたど行こう
哀しみと ....
シーソーがいちばん安定しているのは
ふたりがつま先立ちで並んだときじゃなくて
ひとりが空に足を広げもうひとりを想うとき
ひとりが地に足をつけもうひとりを想うとき

ぼくは空からキミが他人に見 ....
「遠くへ行っちゃダメよ」
「五時までには帰ってきなさい」
生半可に返事をして遊びに出掛けて以来
五時が訪れることはなく
あたしはスイカの横で蒸し暑い砂浜に埋まっている

あたしとママを繋ぐ ....
悲しみがいつまでも消えないのなら、そこから生まれる言葉は共通言語だ。
君の悲しみが透明水彩のように残ればいい。
春になり融けだした色水は渡れない橋のそちらとこちらの間、
せせらぎは音楽を奏で、僕 ....
頭上に広がるいわし雲
雲ひとつない空よりも健康的ね
一緒になって走っていると
キミは私から風まかせに分裂し
走り去っていく

私は一匹迷子
おいしくないわし
弱いし泣き虫だし
かわい ....
躰から流れ出て床を這い広がっていくのが言葉じゃなく、僕の意識を撃ち抜いた銃の口からうっすらと天に向かって立ち昇っている煙、それが言葉だ。

そうか、そこにあったのか。

無味の真っ赤なソースと ....
僕の人格の中にもあなたたち三人は居て、三人それぞれが違う顔をしていて、男でもあり女でもあり、独立した存在である。

その意味においてあなたたちはふとした拍子に共鳴し自分たちが似ていると、四角の中の ....
どうか君の手でひいてくれ
  もうすっかり僕は自分の足であるけなくて
  もうすっかり僕は自分の足でたてないから
  もうすっかり僕は君の横でわらえないから
   ひいてくれ
  ひいてくれ ....
殴られても蹴られても穴が開いても器物破損で救済がないってことは
君が物じゃない証拠で
君を者として扱ってくれる人がどこかにいるという証拠じゃないかな
ただその人に見つけてもらうために
君は電波 ....
進行方向に目もやらないで
彼は車窓から今ばかりを見ている
時は線路を進んでいく
線路の先を気にも留めず
彼は車窓から今ばかりを見ている


進行方向に目もやらないで
僕は過ぎた景色ばか ....
苦しい

悲しい

絶望しかない

辛い

それでも

じっと苦しみに耐え畑を耕した在りし日の祖母の面影が
ぐっと悲しさに耐え子供を育てたふるさとの母の面影が
あなたにあるでし ....
ショットガンで頭を撃ち抜く
それが会計の合図

「Have a nice day!」と
僕の血を浴びたキミは笑顔でやってきて
テーブル上の僕の赤に 真っ白な羽を落とす
明太スパゲティ 49 ....
側溝に流した葉っぱ
ボクと枝分かれした航路を川の方へゆらゆらと

側溝に流した今日
ボクと枝分かれした時を昨日の方へゆらゆらと

側溝に流した葉っぱ
ボクと枝分かれして青い海へとたどり着 ....
ぼくにもキミにも二つの人格があってさ
二重人格とかそんなんじゃなくて
星のゆりかごに揺られながら
人は二つの人格をそこで宿すんだ

ぼくにもキミにも二つの人格があってさ
二重人格とかそんな ....
山下ヤモリ(27)
タイトル カテゴリ Point 日付
青い鳥自由詩123/2/6 5:26
週記自由詩021/6/30 2:39
太陽自由詩021/6/24 3:18
音声案内自由詩321/6/18 14:54
こどくなうた自由詩321/6/14 11:53
君とグライド自由詩121/6/9 16:35
パレイド自由詩021/6/8 11:41
万糸雨自由詩121/6/6 7:33
ダイヤル自由詩321/6/4 12:57
汚れた手はそこで拭かない自由詩4*21/6/3 16:52
天気予報は北上を続けている自由詩121/5/28 1:40
もぐらの矜持自由詩021/5/26 14:24
美しい術自由詩121/5/21 12:37
雨嘯自由詩321/5/20 6:48
並び立つことのないぼくらの歌自由詩119/5/23 16:48
五時のスイカ割り自由詩519/2/21 18:00
永遠自由詩219/2/7 10:11
不健康自由詩218/11/3 5:41
ディナー自由詩118/11/2 10:11
あなたとあなたとあなたと、私、或いは私とあなたとあなたと、あ ...自由詩118/11/1 1:20
旅立ちの赤信号自由詩018/11/1 1:06
壊れたラジオ自由詩318/11/1 0:40
鈍行未来行き列車自由詩018/8/10 21:34
マイヒーロー自由詩018/7/24 23:29
お会計お願いします自由詩118/7/22 23:17
側溝の旅自由詩118/7/22 8:41
傍観者自由詩218/7/22 7:28

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