からだだけが覚えている水田の記憶は
ずっと底のほうに沈んでしまっていて
どうしてわたしはこの庭に棲んでいるのか
どのようにして生まれ 辿りついたのか
わからない おしえてくれる親兄弟もいない
 ....
鐘の音が夕べを渡る
この頃は少し晩が早まったと
ありふれたことを伝え合うわたしたちに
歳月がつもりつづける
わたしたちがともに埋もれないのは
花を供えるものが必要だから

あけび色の空は ....
林のはたにはまだ去年の落ち葉が
形を失わずにありました
けれども枯草色の野はとうにすぎて
春の息吹きはまた
病の床をのり越えたのです

(あなたは苦しんでいるようにみえました)
(あなた ....
娘はまだちいさい
ちかごろ茶柱というものをしって
家族のため、お茶をよく淹れるようになった
茶柱はなかなか立たない
というより、一度もみたことがない

ときには夢中になって
湯呑みと急須 ....
{引用=
玄関の小窓から積もっていく雪をみていた
ポーチに雀がやってきて、しばらく隅っこをつついて
また雪の中へ飛び立っていった
常夜灯の下に埃のように干からびていた夏の羽虫は
箒の手をかり ....
{引用=
ここには昔きよらがわと呼んだ細流(せせらぎ)があった



なにもしらずにおもいつづけた
 あなたには こよない日々があったとしらずに
なにもしらずにさがしつづけた
 あな ....
遠回りをした先の
二度と通ることもないような裏通りで
黄色い階段をみた
幾重にも黄色く重ね塗りされたような階段
色合いもさることながら
どこへ通じているのか、そもそもここを上る人がいるの ....
宮内緑(7)
タイトル カテゴリ Point 日付
雨を呼ぶ自由詩7*24/8/5 15:01
系統樹自由詩1*20/8/28 17:21
今でも私は自由詩4*18/3/4 2:21
茶柱自由詩7*18/2/3 3:21
自由詩1*18/1/24 21:44
きよらの賦自由詩9*17/10/30 2:46
黄色い階段自由詩6*17/10/8 18:25

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