普段はつけずに眠る
豆電球の明かりを残した

それを月に見立てたら
荒んだ胸のうちも
いくらかは
和らいでくれるだろうか


この開きやすい扉の鍵は
まだ 開かないでいる

こ ....
君は黒く煌めくシーツを
その身に纏って
こちらを見ている
そうだね 寒いからね

僕は月のスイッチを消して
君と共に
夜の深くまで潜り込んだ


重ねる
委ねる
二人のすべ ....
朝のひとときに
部屋の窓ガラスに
打ち付ける様に降る 雨

その降り方は
この身に潜む暗いものも
洗い流していくかのように


雄々しいあなたは お久しぶりですね
あなた  ....
失う事よりも

忘れられる事の方が

どれだけ辛いのかを

想像しきれないまま

大切なものばかり

増えて 増えて 増えて

灯火の様な感情ばかり

胸の奥に 生 ....
偽ること無く 生きろと言う

隠れることも 逃げることすら

あなたはけして 許しはしないだろう

照らされる度に 濃さを増す

影と孤独 私の姿は

恥じるものでは無いの ....
泉の水は
色を変えていく

溢れる事だけを
辞める事無く

溺れてしまいそうになる
深い夜の沼地に落ちて
誰かと叫んでも
抜け出す事も不可能な夜

泉の水音に
耳を澄まし

 ....
君がくれた花は

まさに幸せそのものだった

二人で見た景色は

どれも永遠の幸福の一部だった

その永遠は 短いものだった

それでも何物にも変えがたい

素晴らしい ....
あなたの激しい煌めきは

蓋をしても隠しきれない

マグカップで足りる程の

光しか持たないわたしは

指をくわえ憧れるよりも

一体どうすれば

今以上輝きを放てるの ....
満ちながら欠けていく

あなたとわたし

いちたすいちは

この場合 いくつになるのですか


白と黒は

いつか交わり

違う色に生まれ変わる

ねえ

わ ....
あなたの中を泳ぎたい

余計なものは脱ぎ捨てて

ただ あなたの中にいたいよ

   春 夏 秋 冬 

いつまでも ここにいたい


あなたを確かめるように

掴む ....
そこには木々がありました

その向こうには海の様な空

私は風に吹かれていました

思い出が溢れるこの場所で

ここには昔の私がいました

今の私と共に風に吹かれて

 ....
髪を青く染めたとしましょう
体に模様を刻み込んだとしましょう
化粧を変え、イメチェンしたとしましょう
話し方も変えて、上品になったとしましょう

きっとわたしはどこまでも変わりません ....
古い本のすき間から
ハラリと一枚の写真が落ちた

見なければ良かったと気付くのは
そこに写る二人の姿を見た後の事


笑顔で写る十年程前の私と  、の姿


繋いだ手を離した日から ....
汚れる事を恐れない
あなたは強い色


他の色に混じっても
あなたは確かにそこにいる


素のままでいても
あなたは誰も傷付ける事はない


時に眩しく光を弾きもす ....
言葉が解けないように
願うしか出来ない
今日もまた
思いが届きますようにと
そう 呟いた

もしも何か贈るなら
花よりもきっと言葉が良い
不格好でも あなたなら
呆れながらも ....
たとえば読んだ本がつまらなくて
費やした時間を
ただ無駄なものに感じたり

描きはじめた絵が完成しても
なんだこんなもんかと
感動も無かったり

いつも通う喫茶店のコーヒーが
 ....
 
まだ青々とぎらつく
その実を守る毬(いが)は
時には熟し切らないまま
木から落ちてしまう

栗の木の側の小道を歩けば
それは突然 気配もなく
私の背中や頭めがけて
数メートル上か ....
もしタイミングの神様が
いるのだとしたら
あなたはとても
周りを見ている人

いないのだとしたら
わたしの周りにいる人が
周りをしっかり見ている人
なんだろうね


もしもあの時 ....
ベッドの中という
わたし一人分の天国から
のそりと抜け出し
あくびをしながら迎えた朝

カーテンを開け 光を浴び
青空を見上げながら
残りの眠気を
はらい落とした

シャワーの様な ....
あなたはそこに立っていた
無くなる事のない
花束を抱えて

何も言わずに微笑み
太陽を背にしながら
あなたは
その花束を抱えていた

擦れ違う見知らぬ人にも
一輪 一輪 花を差し出 ....
《メール 未読:1》

本に夢中で放置していた携帯には
君からのメールが届いていた

私が行けないような土地まで行く
そんな仕事に就いた君から届く
久しぶりの定期便

今回はどこ ....
眠らない秒針に
わたしは度々起こされる


なかなか寝付けなくなり
夜の部屋に響く針の音を
縫い合わせるようなイメージで
呼吸をしてみたけれど

その規則正しさに
追い付けるは ....
きちっと整えた髪が

夏に少し焼けた肌が

季節に染まり始めた葉が

その母親である温かい木が

静かに乾いていた地が

大きく広がった空が

緩やかな速度で

穏やかに濡 ....
何をしても

埋められないので

私はその穴を

ただ見つめている


どうしても

逃げられないので

とりあえず

その空白を眺めている


怖いのでな ....
数ヶ月分の憂鬱を
ハサミでざっくりと
切ってもらった

日曜日は
夏の終わりの快晴と
秋の始まりの涼しさ


傷み始めた毛先の重たさは
心に感じるそれと
あまりにも似ていたの ....
君はその眼鏡をいつ外すのだろう
かれこれ二時間は待っているだろうか
テーブルの上では
二杯目のアイスティーの氷が
きしむ様に鳴いている

たまに休日が重なれば
やっぱり一緒に過ごしたい
 ....
ごめんなさい
わたしには
うまく言葉に出来ません

いつからか
原因不明の微熱が
わたしを襲うようになりました

心に嵐が訪れる度に
わたしは あなたについて
うまく考えられな ....
花が開き薫り溢れて
花びらおどり 心浮かれる
無色だった視界は 薄紅に染まる
人の心を穏やかにしていく
時にはその心 そっと狂わせて
最後ははかなさと共にゆらゆらと散る
木漏れ日に吹きつけ ....
真綿の様な柔らかい空気を
この身に纏いながら
穏やかな朝の中
坂道を自転車で走った

髪がなびいて流れていく

まだ微かに
陽射しは強くて
今朝の風は ほんの少し甘く感じた


 ....
夜を跨ぎながら
深く 吐き切れない程に
わたしは息を吸いこんだ
昔の自分の欠片が
至るところに残っている
当時はそれにすら
気付く事も無かった
気付かないふりを 見ないふりを
重ねに重 ....
葉月 祐(74)
タイトル カテゴリ Point 日付
部屋の中の満月自由詩4*16/10/25 0:15
自由詩4*16/10/23 16:58
雨の休日自由詩4*16/10/20 10:05
灯火自由詩3*16/10/19 23:29
太陽自由詩3*16/10/16 0:46
絶え間無く自由詩0*16/10/14 23:46
ムーンダスト自由詩1*16/10/14 0:05
今日も振り出しに戻る自由詩2*16/10/8 22:16
いくつ?自由詩2*16/10/1 23:49
からだ自由詩016/9/26 23:15
ある公園にて、自由詩3*16/9/21 22:23
どこまでも自由詩016/9/20 1:40
破り忘れのワンシーン自由詩3*16/9/18 22:57
白色自由詩4*16/9/17 21:31
ねがう自由詩2*16/9/17 1:13
深呼吸自由詩3*16/9/15 14:49
まだ青い毬(いが)自由詩2*16/9/13 13:15
わたしの神様(いてもいなくても)自由詩2*16/9/11 2:11
朝のひととき自由詩3*16/9/10 17:51
花束の人自由詩3*16/9/10 1:42
君からのたより自由詩1*16/9/9 1:18
秒針自由詩1*16/9/7 1:59
真昼の空自由詩0*16/9/6 12:16
空白自由詩1*16/9/5 21:12
さよなら憂鬱自由詩1*16/9/4 14:59
君の部屋自由詩1+*16/9/3 21:59
微熱自由詩1*16/9/2 21:50
薄紅・青・黄金・白自由詩3*16/9/1 22:31
入り口自由詩1*16/9/1 20:48
空色の足跡(わたしから「僕」へ)自由詩0*16/8/31 22:18

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