幸せになったら
地獄へ飛び立つための羽は退化してしまう
心の中にしか生きられない花は枯れる

「じゃあ、
わたしはしあわせになってはいけない?」

「ううん、
そんなことはないよ」
 ....
「おまえは、あまり、人の役に
立てなかったから
他の役目を探しなさい」 って
最後ばかり優しい物言いだった

わたしはまだ尾が残っていて
不完全だった
ぐずを泳がしておく水は無い
恨ん ....
クモの糸にくるまれて考えた
何をするのにも、お金がいるんだなあって
あったくて、微睡んで
暑くて、起きて、苦しんで

まだまだ死ぬまでに時間がかかるなあって
苦しいなあ
もう動くこともで ....
お花のかたちの穴が空いた
躰 心 かわいいね かわいそう

埃の積もった秒針 潰れたウジ虫
誰も知らない アーティスト

好きなものばかり 食い散らかして
破裂して死ぬ みんな
骨と皮 ....
雲のむこうに たゆたう鼻唄

なんだ
ずいぶん機嫌がよさそうじゃないか

安心して 踵をかえす
淡い 一本松の影を踏みながら
いつものあの猫がいない
建設中の黒光りマンション
わたしには一生関係ない

いない人のご飯を作る気持ち
捨てる捨てる一生言ってる指輪
わたしには一切関係ない

体内、上手くいっていない ....
こんな腕じゃウエディングドレス着られないよ
美味しそうな卵焼きだね
でも朝は要らないから 
      ーー珈琲でいいよ

生きるのと死ぬのと どっちがいい?
岡崎京子の漫画の女の子になり ....
幾星霜
祝福の花束を作り続けるの
枯れては編んで
編んでは枯れて

まだかなあ
まだかなあ
いつになったら孵るかなあ

わたしあなたのお母さんよ
報われなくても
救われなくても
 ....
レタスがいのちをもっている。
わたしなんかより。
小さく千切られた彼のほうが
みずみずしく、麗しく、愛くるしく。

レタスにフォークを突き立てる。
ドレッシングの不純さが、
少しだけここ ....
きょうび 灰に花に 煙に霞に
忙しくて
あなたの影ができない
光さんざ降る 窓の外にも
薄暗いお家にも
心の 海原にも 大地にも

忘れないで 忘れて 忘れないで
あなたの声が
不快 ....
最初からなかったかのように
あったことを忘れるくらい
少しずつなくなってしまった 
零れるとも消えゆくとも
表現しがたい喪失よ

愛おしかったのだろうか
それとも
疎んでいただろうか
 ....
桁をひとつ増やして
みんなの注目を浴びて
正義のような気がしちゃって
愛されているような気がしちゃって
真理のような気がしちゃって

もう一桁増やして
みんなのことが疑わしくなって
正 ....
開けてはいけない蓋
開かない蓋
開きそうで開かない蓋
固い蓋

瓶の中身は歪んで見える
瓶の外のわたしは歪んで映る
正常な精神と
健康な肉体と
よくわからない瓶の中身

綺麗 ....
力なく銃を取り落とした右手
ひとつしか置けない椅子
空にも海にも嫌われたぼくらの青い瞳
その頬に伸ばして撃ち落とされた左手

羽ばたく魚 溺れる鳥
黄色い旗 黒い丘
愛そのものだった内臓 ....
夜明けのあほんだら
わたしが眠れるまで待ってほしかった
躓かぬように
丁寧に均した心に地平線はあるか

太陽はそこに沈みゆくのか
月はそこから昇るのか

それでお前は納得がいくのか
安らかに眠れるのか
もう見ることは無いと思っていた、
はっきりと思い出せなくなっていたあなたの横顔、
今こうして隣で金色の風を浴びて、
火のようにはためく髪と、
水底のような瞳が細められるのを見て、
どうしてこ ....
空を這う星、行方をくらました船

貝殻を失ったヤドカリと
銀の波を見て、心揺られて

想像は波止場を知らないでいてほしい
創作は自分を掬い続けてほしい

美しいものを見て目を輝かせる
 ....
濡れたお客さんの靴が
キュッキュッ、と音を立てている、あちこちで
たくさん売れ残っているコロッケ
棚の照明が消える瞬間を見た

わたしは
いくつ見逃して生きてきた?

死んだ蛙の匂いが ....
それが一匹、目の前にいる

それは狂暴ではなく、捕獲も容易だが
肉が硬く、臭くて食べられない

猫や犬のように見た目が可愛くもなく、
吃驚するほど大量の餌を必要とするので
飼育にも向かな ....
世界が暗いので、相対的に私は明るい

雨だ。一弦を鳴らし、
耳に少し明るすぎる音を確かめて、
朝はもっと暗くあろうと努める

そうしないと、不理解が空を覆い尽くしてしまいそうでしょう

 ....
家族みんないい気持ちで 
青空 桜なんか窓の向こうで舞って
つまみ食いをして怒られて
ウイスキーの空き瓶が窓辺でキラキラ

鮭を 箸で割って
骨が嫌だなーと思いつつ
テレビの音が大きいっ ....
白色矮星、
大切に ハンカチで包んだ
時間に刻まれて、
泣いていて かわいそうだった

音ではなく 文字でもなく
心臓に「ありがとう」をもらった
もらいすぎて溢れて、
勿体ないよ って ....
(まさに、手を替え品を替え
といったところか
いろいろな声で鳴くんやなぁ)

飯食いながら、
網戸に両手で張りつくそいつを見ていた


「このっ、かわいくない
一ヶ月も餌あげとるのに ....
香る。見える。
金木犀と遠く突き抜けるような空
何年経とうが鼻の奥に、目蓋の裏にあるのだから

泣くほどのことでもない。
「思い出す」と書くには頻繁すぎるほど
些細なことが引き金になって
 ....
生きるのが悲しいとき
空がありました
お金は無くとも学は無くとも
愛するものが無くとも
愛されることが無くとも

顔も髪も服もゲロまみれで目覚めて
一言
綺麗だなあ と
呟いたあの瞬 ....
君のわがままを
わたしのわがままを
ぶつけあって割れたほうが謝る

いつの日か粉々になって
混ざりあえたらいいね

写真の中ではふたりが笑ってるから
涙が出てくる
金木犀が、香ってかなしい
手折って、帰ってきて、グラスに飾って、香ってかなしい
ゴミ箱の中から、香ってかなしい
ゴミ出しをしていたら、金木犀が、香ってかなしい
手折って、帰ってきて、グラスに飾 ....
あー
ギター弾いて歌ってると
空っぽになるなあ
あたしの身体にサウンドホールが空くんです

寂しかったら
ここに飛び込んでおいでよ
鮮烈な響きに身を震わして
泣けばいいよ

君のこ ....
これから病院です
おかしいところを治す病院です

暗いスマホの画面に映ったわたしの顔その後ろの車窓その向こうの電線と青空が、とても綺麗で
6.4インチ、好きな分だけ好きな景色を切り分けたような ....
印あかり(96)
タイトル カテゴリ Point 日付
悪魔さん自由詩225/8/2 7:01
自由詩625/4/7 17:53
わたし、獲物自由詩425/3/26 18:23
花瓶自由詩524/11/23 18:33
帰る自由詩424/8/28 19:12
いない自由詩6*24/7/11 16:08
いいよ自由詩4+24/6/22 19:29
待望自由詩224/3/19 20:41
レタス自由詩10*24/3/19 17:55
念う自由詩523/12/10 21:24
喪失自由詩223/11/11 22:48
自由詩323/11/11 22:47
自由詩423/9/18 10:25
テスト投稿自由詩3*23/8/12 23:28
夜明けの自由詩423/7/24 4:04
地平線自由詩4+*23/6/25 23:30
けさの夢自由詩423/6/10 0:46
砂を噛む自由詩2*23/4/7 17:48
数えよう自由詩3*23/3/25 19:05
それが一匹、目の前にいる自由詩4*23/3/18 15:44
相対的に私は明るい。自由詩423/3/18 11:53
団欒自由詩2*23/3/14 23:33
白色矮星、自由詩3*23/2/19 19:42
野良猫自由詩6*21/10/24 18:48
秋の。自由詩12*21/10/8 22:56
生きるのが悲しいとき自由詩820/11/11 13:20
写真自由詩520/11/8 21:48
秋はかなしい、なんてったって自由詩520/10/3 9:33
ギター !自由詩720/9/13 20:53
コミカライズ自由詩620/8/1 13:14

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