あそこの靴屋は
きれいなかたちのかなしみを売っている

こどもに蹴られて傷んでいた
ひろいあげて
ショーウィンドウにふたつ
つみかさねた
朱欒の実

黄昏どきは
半透明の落葉とおん ....
路傍に酸漿の実が
ひとつ落ちていた

睫毛の影
黄昏時に震える飴色の

懐で翳した
さかしまの風の流れを映さないかと
鈴の音もなく
からりからり
蹴飛ばして

丸い膜の内側に吐 ....
夏ゆく渦中の生が他生を殺して
何の声もきこえない台所
コルクを外し
のぞきこんだ硝子壜の帆船
幼い汗を嗅いだ

子供のおこがましさのまま
巨星に打ち捨てられる
過去の魂に対峙して
そ ....
深夜シャンデリアの爆発
すべて蕾のままの茴香を焼いた
そのための燭台

何も語れない胸で抱く険しい手
電線に新月も砕けたあとのまつり君の静脈
鼓動きわまって海につづく
ただうなてのそこ私 ....
路傍
死んだ鳥の目の見開き
この陽射しより強烈な光が映っている

頭上
毟った蜻蛉の羽根だけ飛び立つ
腸まで透けていく陽射しの下置いて行かれた

空調の微風が室内に積もり
あらわにな ....
神山(5)
タイトル カテゴリ Point 日付
累卵自由詩713/10/30 2:42
夜半楽自由詩313/9/30 21:37
Sink into the Sin自由詩113/9/23 17:30
メノラ自由詩113/9/16 15:32
サングレーザー自由詩113/9/15 2:53

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