有効期限を
“およめさんになる日まで”
から“無期限”に書き直した

孫をあやしている
父の背中は私が覚えているほど
もう大きくはない

昼間父の書斎で見つけた私が
子供の頃作って ....
春の連休明けは晴れだった


教室に入ると
後方の席に君がいた
おはようという挨拶の後に
僕の想いに気づかれてしまいそうな
要らぬ一言を付け加えてしまった

席に座り入口を眺めていた ....
 通学時に一緒になる度
話しかける切っ掛けをくれる
君の携帯音楽プレーヤーに
感謝しながら今日もまた
肩先をつついてから聞く


 聴きたい気分であろうと
無かろうと私は必ず
イヤホ ....
好き…嫌い…好き…嫌い…好き…

あの…我が愛しき妻よ…

はい何でしょう?

いや…何でしょうではなくて…
やめていただけないでしょうか?

何を?

私の白髪を探りながら
 ....
仕事で大きなミスをして
通称仏の課長に怒鳴られた
そんな日の帰宅時に
声を掛けられる


あの…すみませんが
名古屋駅は初めてなもので
エレベーターはどこですか?

案内しますよ
 ....
桜並木のクソ野郎


自転車での通学帰宅時に
何度もそう思った

歩行者を追い抜く時
友達と二人で通った時
雨の日雪の日など

桜木の逞しい根が
アスファルト道路ま ....
帰宅した息子が
怪我を負っていた


役所勤めの父親に似て
喧嘩やイジメには
関わらないタイプ

部活で…と言っているが
明らかに殴り蹴られた傷痕

もう小学生じゃないんだし
 ....
三軒目のワインバーにいる


カフェで待ち合わせてから
居酒屋チェーンで食事して
コジャレたバーに今
彼女と来ている

二軒目で少し様子が変だと
思っていたが
いよいよおかしいので ....
カフェ店内の化粧室から

戻ってきたクラスメイトに

『あれ?まさし君来てたんだ…

志望校一緒だよね、がんばろね!』

と話しかけられ、

「外からガラス越しに君の

アディ ....
ここで「まじか!?」は軽過ぎだろう…

君の反応にこっちがまじかと言いたくなる

「ずっと好きだった」やっと言えたのに…
「命令することかよ!」

と君に言い返しながら心の中でOKした

「第二ボタンもらってやるから磨いとけ」
一番好きな食べ物がタコ焼きになった

生まれて初めてのデートが

夏祭りの花火大会だったから
クリスマス会の帰り道

先を歩く男子の集団の

端っこの彼に追い付いて

「コートのフードが裏返し

直したげる」と話しかけ

そのまま横に並んで

歩いた道に
 ....
サンタクロースが
ついに狂った


12月も半ばで
低い雲の広がりは
初雪の予感さえ
醸し出している

もう季節の変わり目とは
言えない夕時に寄った
改札前のコン ....
“あの人やあの人の
手にもカフェがある”



平日に駅前へ出る
ベンチで一休みしている
会社員の手には缶コーヒー

それを見て
予定を早め喫茶店へ
入ることにした ....
好きが頬っぺに突き刺さる

授業中肩を叩かれ振り返り

君の指先が突き刺さる



  好きが悪戯心をくすぐった

  前の席の肩を叩く手の指先は

  振り返る頬をへこま ....
君はキャプテンで

夏の最後の大会は
男子も女子も敗退

僕は試合終了まで
ベンチからの応援

涙する部員の前で君は
毅然とチームを讃え
後輩達に来年こそ
屈辱を ....
「お前彼氏作らないの?」と言われて

思わず泣いたその理由が

「あなたが好きだから」なんて言えなくて
友人に登山にでも行ったらと
提案されて誘ったら
「別にいいよ」と気のない返事

付き合って数年も過ぎると
恋人関係はこんな風に
覇気のないものになるのだ

それでも歩いてみ ....
最後まで聞くよ
君の気の済むまで
存分に話しなよ

君が正しいとも
間違っているとも
決めつけないで
耳を傾けるから

頑張れとか
こうしたらどうか
なんて励ましたり
アドバイ ....
合唱コンクールの練習で
僕は真剣に歌った

そしたら馬鹿にされるは
いじられるはで
散々な一日に…

女子は男子との練習を
拒絶し始めて

僕はそれからも
意地になり声を
張っ ....
「ばぁばはけっこんしたの?」
「したよじぃじと」

「じぃじのことすきになったの?」
「好きでも嫌いでもなかったのよ」

「どうしてけっこんしたの?」
「皆が決めたの
そういう時代だっ ....
幸せの赤い糸を手繰り
着いた場所には
知らない男性がいた

イケメンというより
男らいしいタイプの彼には
糸は見えていないらしい

それでも嬉しくて
気分が浮わついていたことが
災 ....
柘榴色の糸が見える
血管を彷彿させるそれは
右手の小指の先から
何処かへと伸びている

昨夜大仕事を終えて街へ行き
得た金で大盤振る舞いし
朝目覚めると
ホテルの豪華な一室の
床上に ....
お父さんが帰って来なくなった
お母さんは泣いたり笑ったり
そして怒ることが多くなった

いつもはお化粧するのに
今朝はしないでお出掛けした

いろんな場所に立ち寄っては
ため息をつくお ....
「こんなはずではなかった」
帰りたくない

居眠りをしてしまい
気づいて飛び出た場所は
聞いたこともない名前の
無人駅だった

紫陽花の咲く線路脇にいる
若い母子が傘を共用しながら
 ....
男同士で乗るボートは
沖をどこまでも
漕ぎ出せそうな気分にさせる

女の子たちに
声も掛けられずに借りたボートで
出たのだから尚更だ

浜辺の人々の
男女の区別がつかないほど
離れ ....
○○君!?びっくりした…
そんなカッコで
急に呼び止めないでよ…
塾の帰りですけど~
一人ですけど~悪い?

喫茶店?私はいいけど
そっちはいいの?
バイト中でしょう…
残り一個だか ....
「何度も言うけど可哀想にねぇ…」
「まだ小学生だったものねぇ…」
「親御さんのことを思うとなおさらねぇ…」

遅番の勤務について早々に
食事を終えても話し込んでいる
喪服を着た婦人客に水の ....
一緒に飲んでいたワイングラスを
水洗いして水滴を拭きとって食器棚に返し
リビングの床に転がった空のボトルを
ゴミ袋に入れて鞄に押し込んだ

ローテーブル上の飲みかけのボトルと
相手のグラス ....
しょだまさし(125)
タイトル カテゴリ Point 日付
変更理由自由詩117/7/4 21:18
連休明けは晴れだった自由詩2*17/5/10 19:32
イヤホン自由詩2*17/4/13 20:40
好き嫌いは白か黒(お遊び恋愛詩)自由詩317/4/10 21:16
押した分だけ自由詩317/4/9 20:54
クソ桜自由詩217/4/3 16:50
カレーとハンバーグ自由詩017/3/29 21:00
三軒目の真実自由詩3*17/2/22 20:08
受験シーズン2017自由詩5*17/2/20 20:37
三行詩 : まじか!?自由詩317/2/9 13:50
卒業間近の恋入門自由詩117/1/22 14:19
恋するたこ焼き自由詩1*17/1/21 21:40
冬の桜道自由詩216/12/29 21:42
狂ったサンタクロース自由詩4*16/12/12 21:10
めぐるカフェ自由詩116/11/25 20:36
恋する指先自由詩3*16/11/14 17:23
部活の終わりに自由詩216/11/2 19:39
言えない理由自由詩116/9/28 21:28
手の内と山登り自由詩316/7/9 16:40
気の済むまで自由詩216/7/3 22:05
一枚の羽根自由詩116/7/3 17:06
祖母の結婚自由詩616/7/2 10:10
赤い糸自由詩216/6/26 11:58
柘榴の糸自由詩016/6/26 11:58
アジサイとカタツムリ自由詩10*16/6/11 21:58
紫陽花自由詩216/6/11 21:57
ボート自由詩116/6/5 14:49
最後の一箱自由詩016/5/29 12:17
お子様のお冷自由詩3*16/5/22 23:34
今夜のワインは赤かった自由詩116/5/11 21:15

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