クリケットという名のアメリカ人の女の子がいた。
赤毛のかなりの美人だった。
職業「ダンサー」ってのはつまりストリッパー、当然スタイル最高。
でも彼女のパスポートの写真は別人のように太っていた。
....
朝、
日をもらおうと
下ら
光合成
きっとしません
二本足の私
の下
白猫が
まわったら
南天の裏
五時間
黒点を盗めるだろう ....
駅前の
立ち食い蕎麦屋のトッピングの
百三十円の
黒い汁に浮いたかき揚げを齧りながら
予感することと
予感された世界に生きることとが
微妙に喰い違う
駅前の
ガソリンと赤錆の臭 ....
ある晴れた日
手紙を出しに行くとポストは
「秋だなぁ」と
しみじみもらし
それから私に気づくと
真っ赤になって
照れていた
テストを受けている、とにかく、だ
問1.『あなたが犯した罪を10字以内(句読点含む)で記述しなさい』
という質問
軽い軽い。僕は答える
「知ってしまったこと」
どうだ、9文字。次の問題
....
がりがりにやせてしまった焦げ茶みおろして
ひっかかった青緑を考えるとしようよ
誰かの父親は誰かの息子であったのだし
あの信号はきっと恥ずかしくてあかくなるにちがいない
きっとそうだよ
....
夜の窓を開け放ち 妄想を迎え入れます
棘だらけの彼女の幻覚は
上と下が逆になっていました
秘かに愛する人の想い出の中では
内と外さえ逆になっていました
時さえも反転していましたけれど
離れ ....
私たちは一葉の記憶装置だ
生い茂る木々の端で
保存することのうしろめたさを
知りながら連なっている
陽光が差すその瞬間に
私たちはいつも照れている
風の戯れに私たちは
....
叫ぶ日がある
消えては現れるこの手の
痛みのない痛みに
叫ぶ日がある
叫ぶ日がある
空の半分を砕く雪に
曇を落とすことをやめた風に
叫ぶ日がある
....
あなたといっしょにすごせた十ヶ月間、わたしはとてもしあわせでした
母なる子宮のあたたかな海に守られて、いつもわたしはまどろんでいました
わたしはあなたを選びました そしてあなたの愛するひとを選びま ....
君はあれに似てる
地面の中で息も立てず
静かに潜んでる玩具
可愛い顔して
ドカンと爆発
触れられると
自分もろとも
吹き飛ばす
本当に危険な奴だぜ
でも君は僕の心に
....
気付いた 俺には、語彙力がない
俺の詩(っぽいもの)の中に、難しい語句は出てこない
気付いた 俺には、タイトルセンスがない
俺の詩のタイトルだけ見ると、なんかクサイ
気付いた 俺に ....
牛は ヨロヨロ
鶏は コケコケ
羊だけは嵐の前の静けさ
"Dr. Lecter? Dr. Lecter?"
聖骸布にくるまれた
スクレーピーの伝説
もはやうずもれた ....
重い足取りの隣へ
「大丈夫か」
と声をかけ
笑顔を見せている
荷を背負い
歩く
旅人達は
何時、荷を背負った
という記憶を
持ち合わせてはいない。
旅人達は、目的に達するよりも
歩くことにたいまつを、傾けていた
僕は
振り返ることのできない
馬車馬で
ただ荷が揺れぬよう
心を砕き
足元を見、地を蹴りつける。
多くの失敗を
僕の腕は決定し
自らを
孤独の傍に置いていたが
正しく孤独を好むことなど
未だ
叶うことができない
風の音を聞き、枝の擦るる音を聞き
それらに抱かれながら、擦られ、体 ....
今年も常葉さんから年賀状が来た
ここだけの話しにしてほしいのだが
多分「ときわ」と読むのだろうけど確かめられずに来てしまった
「ときば」さんかも知れないし、ひょっとしたら「とこば」さんか「 ....
まぼろし ほんとう
おわり はじまり
すすむ もどる
うえ と した
からだのなか
こころのなか
たましいのない
からだなのか
こころなのか
....
見捨てられてる そんな気分で
人の波に押されて歩いた
熱帯魚のよな女の子たちよ
明るい顔してても 悩んでるんだろ
ビルのすきまから太陽が昇 ....
電話じゃおやすみが言えなくて
次の話題を探してしまう
ああ、やたらと僕は喋りまくる
あのこの、このこと
あること、ないこと
ああ、僕は昔話を聞かせるために
君に電話したんじゃないだろう!
....
豚のバラ肉は皮を剥がずに
毛は焼いて処理をする
大きな鍋にお湯をわかし
皮、たっぷりの脂身、少しの赤身のバラ肉を
どぶんと入れる
一時間ほどことこととして
お湯を別の容器にあけ冷蔵庫にいれ ....
時々、半年に一度くらい、文字が判らなくなる時がある(時期があった)。
この日本語というものが、意味のない記号のように見えるんだ。
例えば、『あ』という文字。
可笑しくないか?
線が、三 ....
PPP
P子ちゃんKISS
時を超えて
P子ちゃんKISS
虹を渡って
P子ちゃんKISS
愛は世間体より強い
いきなりガンとやられたような接吻
鳥が飛び星が舞うサイケなくちづけ
....
どこかが麻痺した
狂おしいほどの悔恨につけられた
乾ききった行為をなぞってみる
くぐもったメッセージに縮こまるたび
犯人は私ではないだろうか と
疑わずにはいられない
静かに滲み渡る おと ....
眠ってはいけない
眠ってはいけない
眠ってはいけない
眠ってはいけない
眠れば明日はこないから
サマワ サマワ サマワ 見渡す限りの 砂漠は
サマワ サマワ サマワ 風が通り 過ぎるだけ
今日も 地平の果てから 祈りの声が 聞こえる
熱い ひざしの中で
....
ある夕刻
テレビジョンはミドリイロに輝き
レイゾウコのなかでひっそりと
ブーゲンビリアが咲きはじめる
ある夕刻
横断歩道はミドリイロに輝き
急ぐ人々は足を止め
遠く祖先が見た氷河に思 ....
わたしにはおかあさんがいます
おとうさんもいます
いもうとも
おじいちゃんも
おばあちゃんだって
ともだちはたくさんではないけどしっかり
しりあいとよべるひともそこここにゆびさすことができ ....
恋をしていた
たぶん
していたんだと思う
バラ色の生活を
夢見ていた
幼い想像で
こんな
冷蔵庫の奥で干からびた漬物を
片付ける為ではなく
マドレーヌなんか焼く為に
台所に ....
黒いカーテンでよかった
遮光カーテンは甘いのだ
まえに
水蜜をくわえて 跳ねた汁をなめたら
甘かったからほんとうだ
ふくらはぎの下で
かりっこりと かりっこりする
彼の爪だ
....
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【未詩・独白】いまだ詩ならざるもの あるいは独白
作者みずからが未完成であることを認めた詩作品たち
このカテゴリの作品には以前は批評を禁止していました。今後もなるべく批評は遠慮くださいますようお願いいたします。
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