さて
今日の夕日を見ることができなかった
東の雲を
あんなに紅く染めていたのに
冬の水色の空を
光の矢は貫いていただろうに
なんて
日々の過ぎ行くのは速く
わたしなど
....
121時 @ハト通信
いきをふきこんで
ふくらませたふうせんは
ぜったいに
そらにとびたたない
どれだけがんばって
たくさんふくらませても
....
ポッケ、ポッケ、ポッケ
手をしまう
離島の風が駆けていく
明るく抜けた水色が洗濯ものの裏側で
白の階段どこまでもリゾートマンションつづいてく
白いTシャツ後ろ首
小麦の肌にほつれ髪
あけましておめでとう
そして僕たちはそのように死んでいく
あけましておめでとう
死んでいくのではなく殺されていくのだおそらくは
お互いに
殺されあいながら
あけましておめでとう
生き ....
山木立に薄化粧の雪山は内側からひかっているみたいです
雪粒がアスファルトの道路にすっと吸い込まれて消えていくのは
粉雪が枯木立を縫ってふわんと景色をゆらすのは
新鮮な雪景色ってやつで ....
「あんたおかしいと思うよ、たぶんね」
耳元で囁いているトム・ヨークの台詞は意味を持たないから、ゴミ収集車のにおいがまったくミルクなのも仕方がない。
年季の入った木造に挟まれた道を行く。 ....
耳が痒い
耳が痒い
「手元に在った筈の耳掻きが見当たらない」
って理由で
眠たいベッドから這い出す
リヴィングには
正確無比に耳掻きが待っている
僕は禁煙の館に棲息してる
禁煙マークを家紋にしてる
白い壁に排煙
黒い煙で汚染
そんな真似したら最後
消臭剤を設置 ....
すっかりとんでしまった
そう
そうだ
ぼたん雪を見ている話を書き出そうとしていたん
だった
あなたの書いた詩を読んでいたら
ほんの数秒前に浮かんだ一行が
....
月の昇らぬ砂浜に
唐紅の空眺め
忘れた歌を想い出す
衣を染めた白鳥は
空ろな波に身をまかせ
還る棲家を識らぬよう
解れた髪は風に散り
軋む素足は地に呑まれ
潮にこうべを晒し ....
さまざまのゆめはさみしき 酔えるぎょう めさめておもう冬の寒さも
しみったれ しめしめ しまった 霜月を惜しむ
すもも留守間にかくす娘の中やすみ
せまいメゾンセミ せむし せめて ....
高い空の不純物
真白な皿
泥は南海にすむという虫なのだ
回路の途中
迷ってしまう電子のこども
こどものあなた
あなたはいつだって
もう
佇んでしまう
丁字路は
やがて折りたたまれて ....
ねこーとよぶと
ごはんをたべます
さかなはいつまでも
すっぱいまんまです
よぶたんびにちいさくなるので
ちゃんと、おぼえておこうと
なきます
ちんまりしたしっぽが
はたはたとして
....
知りすぎた人に
触れられるのが苦手です
違和感で
引きつる
わかるでしょう
わかってる
テリトリーは
侵害しないし
されたくもありません
知らない人がいいんです
知 ....
昼休みのくじ引きで スカを引き
揚げたてコロッケを買いに 事務所の外に走り出る
その道をふさぎ 立ちはだかる二人のおじさん
「湯島青銅はどこですか?」
「信号を渡って 左に行って ぐるりと回っ ....
壊れた奥底に泉が懇々と湧き出てるなんて常識!
――だから、世紀を越えた、なんて言い方が存在するんだよ!
力とは、言葉そのものを、自身の肉体以上に愛せるか、それだけなのだろう。
言葉の力を信じきれるか、その度合いによって、
それは恐らく政治力、現実の行動でさえも包括してしまうに違いない。
例 ....
身体の輪郭が
強調された服を着ている女の
裸の図を想像している
それはまるで
男の日常ではないか
「健康な」と
頭に付けてみたり
健康な女は
男の裸など
想像するのか
....
おばぁさま おばぁさま お花が咲いておりますの
のんのんさまの おひざもと
のんの のの花 咲いて おりますの
おそばに おられましょうか?
何かが どこかで 泣いている
泣いているのは
私の中の何かだが
どこか よそで泣いている と
感じられる
静かな水の底で
私が 見ている
庭で ウサギを 放し飼いにしている
撫でてやろうとかまえて近づくと
手の届く寸前で逃げてしまう
かといって 何のつもりもなく歩いていると
突然 足元に駆け寄ってくる
庭の ....
146時 @ハト通信
おおきくてふとい
うでが
ぼくをずっとみはっていて
なにかあるたび
ばかすか
ぼくをなぐる
ちがだらだらながれる
....
マリネオ レティネオティロス
マリネオ レティネストス
マリネオ マリネオ はい
マリネオ マリネオ
ホシヲクダサイ
星を 星を
星を
クダサイ
ソレヲ
マリネオ レテ ....
初めて見かけたのは午後6時
センター街の陰でうずくまり
待つことを放棄しながら
背伸びをするリップスティック
名前は知らない
まだ明るい
これからの夜
1人でいる子を狙うほど ....
くりいむいろの第5ラウンド
チーズとフォークの格闘技
君をいただきます
エリック・ホンジョウが星へ帰る日
赤いストロウは渦巻くオレ
ンジの皮を吸い上げて
中指を汚して好きな人と好き ....
深夜
血を吐きました
世界が
美しくなりました
君には秘密にしておきます
部屋の中は君の寝息でこんなにも静かなのに
テレビの中では相変わらず人が死んでいきます
閉じられたブライン ....
例えば俺らは親の愛とかでコーティングされて育ったりするよね。
そうじゃなくても何かに守られては大きくなるじゃん。
それが自然とはがれたり、もしくは自分で脱ぎ捨てて大人になっていく。
そうしたら体 ....
昔から嫌いな言葉は
あれだ
言いたくない
折角
ノッてきた私の足元をすくうような
そんな確認
しなくてもいいじゃない
意地悪な人だ
気づいてない
人を見るのは
あな ....
カレは
私のことが嫌いのようだ
いや
嫌いだ
原因を
考えてみたけれど
ん
私の眼かしら
一寸怖い
睨んでいるわけではないけれど
私の右眼は
殺人鬼のようだか ....
カナリヤ
時限発火
たたたた
この廊下をはしるな
年金は払えない
道祖神
産まれた足
....
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【未詩・独白】いまだ詩ならざるもの あるいは独白
作者みずからが未完成であることを認めた詩作品たち
このカテゴリの作品には以前は批評を禁止していました。今後もなるべく批評は遠慮くださいますようお願いいたします。
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