父は帰ってこなかった
後で知ることになるが
街の花柳界で板前として働いていたようだ
華やかなところだから飲む賭つ買う
生活を送っていたらしい
ぼくた ....
妹
私を「お姉さん」と呼ぶ
妹が
電話で「離婚する」と言った
妹は
あの親の魂に
しきずられているのだろうと思う
ここまでの妹の顛末は
自己愛からなるあ ....
その一言を吐き出すのに一体どれだけの時間がかかるのだろう
その一言で生かせる人間の数はどれだけなのだろう
またその一言で殺せる人の数はどれだけなのだろう
言葉を吐き出しても返ってこなければ沈 ....
ぐぐぐと首を絞める
緩やかに緩やかに
気付かないほどに
静かに静かに
誰もが分かるほど簡単なこと
時間はいつも、駆け足で人を蹴り
前へ前へと押し出す
と思えば急に鈍いほどにのろの ....
遠くで犬が吠えている宵
ぼくはふらふら起きてきた
枕にアイスノンを乗せて
一日寝ていた
葛根湯を飲んでいる
一日寝ていて話題がない
元 ....
出来立てのチョコレートを前に
今ゆうわくされてます
誰がだ!
隊長!わたくしがです!
きゃつはどんな技をきさまに繰り出したのだ!
口に入れると甘くすぐに溶けちゃうよ、攻撃です!
H ....
子供たちの手はあまりに小さく
死を乗せるには頼りない
持て余された欠片は
静謐な砂漠の砂のように
足元に溢れ
踏み潰され
「見た? 見えた?」と誰かが囁いている
「アレかな? よく見 ....
ワインのグラスがまた
チ・・・チンチン…と鳴った
何度でもいいから
もっと鳴らそう
綺麗なウムラートの発音が
出来そうだし
挨拶をしたら
知らない人も微笑み返してくれるだろうし
外を通 ....
きょうはバレンタインの日とか
まったく忘れていた
チョコレートは大好きだ
先生をやってるとき
生徒からたくさんのチョコレートをもらった
チョコレートより酒が好 ....
そんな事はありません。全然義務じゃありません。
俺が惚れた女(友達の彼女)は、義務だと思っていたようです。
嫌々抱かれてたんだってさ。
へぇ( ´・ω・)ノ∩
どうでもいいです。そんな事。
....
無垢の愛を
幾度も拒否された
記憶の断片が
帰り道を作っていた
種をまいて
種をまいて育て
愛を乞う人を観ると
卑しいと感じる
白い毛むくじゃら ....
哀しいから
絵を描かないで
粘土で作らないで
ほほ笑んだまま死んでいく
粘土でこしらえた
まるい{ルビ人形=ひとがた}
「これ、
わたしの赤ち ....
向き合わないために
負ぶっていた
義務のペディ
両手は
私のものであるために
わたしはいつもそうだよ。
10円くれれば5円やる
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作 中学一年のころ
君はシルバーの新しい自転車に乗っていて
僕は中古の2000円の青い自転車に乗っていた
君は自分の自転車にボニータという名前をつけていて
確か以前乗っていた自転車にも君はヨーロッパ風の名前をつけて ....
母はぼくを背負って
毎日踏み切りを渡った
栄耀失調だったぼくは
医者に通っていたのだ
記憶は曖昧だが
ぼくたち母子は貧しかった
ある医者は
『下痢をするの ....
詩が書けるような状態ではない
保険証がどこかへ行ってしまったのだ
カバンを中心に探したが
どうしても見つからないのだ
もう病院からなんども督促されている
明日は持って ....
何か精神的にキてるようです。
何かやりたい事だけやってます。もうガキです。
どっから崩れたんだかわからん。いきなりスイッチ入った。
昨日1943し過ぎたのが原因か。そんな、まさか。
どうで ....
庭に
一種類の薔薇を育てて
一生けんめい世話して
少し気が触れた人を装った
おばさんになる
お金や人のため
しがらみ私に絡み
酸化して萎れて ....
セックス・ピストルズ
のビデオを借りてきた
バンド名が凄い
パンクか
まだ調子が悪くて見ていない
セック ....
トロッコだった
小山が崩されて
中学校が立てられるのだという
その台形の天辺から
したの道路まで
レールが敷かれた
なんだろうと思った
今まで見たこともな ....
たどり着くことの出来ない場所。
そこへ向かおうとしても、そこへ向かって走り出しても、たどり着くことの出来ない場所。その場所に本当の自分がいると感じる。
「まだ本気なんかじゃないさ」
と僕はよ ....
止まらないでほしい。
止まると動けないから。
私は動きたいから。
動いて、残して、そして消えるのだから。
残す。
それこそが生きる意味。
私にとって。
何かを ....
オダイバババア
おだいばばばあ
お題場婆ぁ..!
銭湯の
番台のうえにちょこんと座る
婆のようだが
ちょとちがう
お題を出すんだ
この婆は
....
河原は枯れていました
ぼくたちは河原で遊んでいました
まだそう寒くはありませんでした
広い河原です
野球をやっていたのです
グランドがあり ....
嘘をついてはいけません
嘘をついてはいません
手のひら返して
電話は居留守
俺は、本名をフルネームで書くのが嫌いだ。
漢字で、フルネームで書くのが嫌いだ。
漢字で書くと、何だか、間抜けて見える。
全体が、簡単な漢字なので、構造がスカスカで、間抜けに見える。
名前、 ....
優しい娘がいます
方角を間違えて北口へ出てしまった杖を持ったばあさんを
難解な通路を通って
南口まで案内してやったのです
そうっと肩口に手を ....
動いてはまたもとの視線へ還っていた
そしていつかがらんとなった
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【未詩・独白】いまだ詩ならざるもの あるいは独白
作者みずからが未完成であることを認めた詩作品たち
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