たとえすべてに達観したとしても
自分の周りの
半径数メートルの世界さえ
変えることができないとしたら
そのことに
一体どんな意味があるのだろう?
宝石は黄昏
茜色の泣き声のように
かすかな叫びが
鳴りひびく
地平線の不安に
母はにがい魂を引き裂いて
貧しい明日を燃やしている
行方不明になった死骸が
ぼんやりとたなびき
....
物音がくねる様子が見えたので、私は月に出る
ざあと、見えない穂が空を舞い、星になるようで
この目が最大に映せる範囲まで、目の端を脳で感じる
紺の空のもと、私に垂直な道は、捉えられないほど遠く ....
カーテンの向こうの
ついぞ見えたことのない
とおくを見るまなざしの
(がたーん)
ひとりの
(がたーん)
月影
この、流れていくみどりのうえの
ぶれていく指の
疾走 ....
風呂上りの缶コーヒーはうまい
自動販売機で買っておいたものだ
風呂上りの匂いは希望の石鹸だ
たっぷりと湯船に浸かって
嫌なことをすべて忘れる
ほんとはビー ....
逃避、か?
それもいいだろう。
人間、逃避したくなる時もあるわな。
自意識過剰か?
それもいいだろう。
人間、自意識過剰になる時もあるわな。
過 ....
仔犬のトイ・ヌードル
ももちゃんは
六ヶ月になった
体重も2.7キロに
いまはとっくんちゅうである
お手
お座り
ふせ
ハウス ....
AM4時になった
烏もなかない
あんなにゆきとあめをふらせたのだから
きょうは晴れだろう
まだカーテンは開けていない
眠剤が効かないので
朝早く起きてし ....
一匹で眠れない犬が
夜中に泣くので
布団を運んできて
傍らに寝た
エアコンは
電気代がかかるので消す
モーターにも
休んでもらおう
犬は
私の寝顔を時々確認して
首を床につ ....
純粋な言葉がまっすぐぼくの心を打ちぬく
イタイ
あなたは無邪気にぼくの虚勢を崩していった
グサリ
あなたの純粋さだれからも
愛され 許される
ぼくもその純粋さが好きだから
許 ....
噛み付いてみろ
全力で
血を滴らせるほどの力強さで
噛み付いてみろ
敵には噛み付け
全力で
噛み殺せ
噛み砕け
全身全霊で首に牙を突きたてろ
エセ北斗神拳使い
(こいつが北斗の3男坊か!こいつを精神的にとことん追い詰め、ゆくゆくはこの俺様が北斗神拳伝承者になってやる!)
ナレーション「それまで楽しかったJAJAの生活はとてもつらいものに ....
君の魂の欠落には
どんなシリコンが
埋まっているの?
君だって
誰かの命を
食べて
生きてきたんだろう?
君が潔白だって
言って欲しいのなら
ぼくは君のために
どう汚れたらいい?
雪が降り積もった
体育の時間だった
ぼくたちのクラスは
暴力派と善良派に分かれていた
親分のいる暴力派が多数を占めた
雪合戦が行われた
少数派でもぼ ....
外界とを隔ててしまえたら
楽なのに
苦しくなってしまうだろうけれど
だから
出来ないことを
願うのさ
何のために大切か
いいかい
自分のため
他人のため
もう嫌になったよ
言 ....
夜半
電灯灯に映る
雪の姿に
ぼくはあなたの
薔薇になれるか
聞いてみた
答えはイエス
あなたの胸に飾られて
ぼくはあなたを侵食して行く
....
もし
君をつかんでいる
この手を離したら
ぼくは
無限大の自由という
宇宙空間に
漂い出てしまう
いつもママは「シネ とか ウザイ とか いってはいけません!」ってどなる
なんで? ってきくと「みっともないからやめなさい!」
じゃあ なんでそれはみっともないの? ってきくと
「に ....
ふわーああ
ぬるい
なまあくび
けーざいのトーシロに
なまあくびされたんじゃ
あんたらもたまらんな
やすむことなくたえず
つきささる せか ....
ノックを受けた
10本 50本 100本
陸上競技場でだ
打っているのは父だ
容赦なく短いボールや
横へのボール
前と後ろのフライ
ショートバウン ....
勉強する気になれなくて
大名倉山のことを考えていた
発破をかけられて崩されて
晒された山の肌に
白い煙がかかる
山から砂利を運搬する音が聞こえる
ガッタンガッタ ....
午前五時の部屋の色で
もう汚いなんて思わなくなった
温度も感触も持たない光
わざわざ君が伝えようとしなくても
もう分かってるからいいよ
せっかくいい気分でいるんだから
その口閉じろよ
海の底にある箱は
水色を反射して
白く眠る
光りが届く深夜には
そのシルエットだけが
ぼんやり浮かぶ
海の底にある箱の
空っぽという
存在感
光りを拒む深夜には
海の深 ....
四半世紀前の裁縫箱を今も使っている
小学4年の頃に
家庭科の授業のために購入したものだ
手芸クラブに入ってはみたが
クマのぬいぐるみは
ついに完成せずに
捨てた
....
閉じた目のような傷口が
ある日ひらいて
目と目が合った
そしてすぐに
閉じてしまった
まなじりの端がひゅっと光り
猫と一緒に駆けていった
夜の車道を駆けていった
....
中央高速自動車道を
馬が走っていった
白髪の馬は
ジェットエンジンを積んでいた
街に向かって疾走していた
馬はミューズだ やがて火の玉に ....
六本木ヒルズ
森ビルに行く日が決まった
3月11日だ
森ビルの最上階には現代美術館があるという
美術の最先端がみえるのだ
新しい美の追求にどんな装置が
....
真珠を育てるあこや貝のように
ぼくは詩を育てるあこや貝でありたい
2005・02・17
上手に演戯できていますか
なんだか急流にながされているんです 私は
私を乗せる船を
しっかりつかんで
川に落ちないように
ふんばて
それでも
何事も ....
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【未詩・独白】いまだ詩ならざるもの あるいは独白
作者みずからが未完成であることを認めた詩作品たち
このカテゴリの作品には以前は批評を禁止していました。今後もなるべく批評は遠慮くださいますようお願いいたします。
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