くつ下を脱いで
滑り込むシーツの上
夏の夜はいつまでも宵のように
生物の気配がして
そのまま朝が来るのも惜しくないような
夜更かし
ああ
柵の無い頃はいつ来るの
この季節はいつ過ぎ ....
片手でもてあました春にさよなら
できない できないことばかり
ゼリーのフタがうまくはがせなくて
すこし、いらいらしていた
わたしわらうから
わらうから
センチメンタル
ス ....
ここは朝から雨だというのに
あなたのところは晴れている
ずいぶんと遠く離れてしまったね
1
空は放熱を終え
情熱の大通りを抜けて
曲がり角へさしかかり
そこで無いようになってしまった
翌日の朝刊
クロイ
くろい
黒い・・・
焼け焦げたような匂い
ポ ....
恋をしなきゃいけないの?
愛が先じゃいけないの?
愛とか恋とかばかじゃないのって
思っていたんだけど
わたし あなたに会いたいの
人なんか信じるに値しない生き物だし
わたしなんか信じてもらうに値しない人だけど
わたし あなたが好 ....
寄せても、返す気持ちは帰り道を知りませんでした
電車の窓
あなたの手のあたたかさは
窓とわたしの温度を簡単に上げます
ゆっくりと
眼下に広がる青を見ながら
あなたを盗み見るのだけれ ....
草木が色を変える速さで
過ぎ去ろうとする四月
桜前線はまだ北上を続けているのだろうか
何かを引きずるようにして後ろ手をのばせば
はっきりと感じられる
温度がある
それは
得たもの ....
仕事帰りの電車の中で三角みづ紀の詩を読んでいたら
左側のページの裏から若い女の立ちあがる気配がした
ようやく座れる、その程度のことがまるで恩寵のように感じられた
誰かが石を投げてくるよう ....
1
散文の中のたったひとつの言葉が
真夜中の舗道におちている
2
少女は水色にあこがれて
家出をしました
3
向日葵のことばについて研究中なのだが
どなたか向日 ....
一人の部屋は静かすぎて水道から滴る水音がやけに大きく聞こえる
大勢でいるときは絶対に気付かない孤独
ぽつんと
一人になると気付かされる
どす黒い私
いやな女の私
こんなのいやなのに
私は ....
ふと思ったこと
この世で一番最初に生まれたものはなんだろう
地球はビッグバンとかいうものから生まれたらしい
じゃあ地球がある宇宙はどうやって生まれたんだろう
「宇宙は最初からあ ....
よく
生きてたな
ある日突然
白い犬がいなくなった
家犬だった
大型ゲージの扉が開いたまま空だった
それを見つめたままの幾日か過ぎたあと
ある日突然
家庭が崩壊した
哀し ....
まぁ
いつもそうだけれど
人と話すのが面倒くさいので
コンビニエンスストアなどに行くと
誰とも話すこと無いので
涼しいので
少し彷徨ってみる
車は移動できる家 ....
すべてが真っ白な午後の岬よりの 帰路の
海も 空も お日様までも
それは
昇冬のころあいに生まれた
春の おくり
皿鉢給与
田備達 痛風寝話
内湯潜観 八〇徒
雨中 農家 鉈 鋳好かん垂る柄
雲銘先追い 居間と備達
金らず孤興へ 花恵って来ると、
て、お古伴贄が お凸 妙
吟雅を話れ ....
イ、イェーイ! イェーイ!
イェイイェイイェイイェイ!
イッェーイ!
……ハア
イェイイェーイ!
イェイイェーイ!
イェーイイイイイイイェーイ!
……マジカヨ
イェーイイェー ....
*
わが家から消えてしまった冬は
ちゃんとタンスの奥の
小さな白い箱に
しまわれています。
*
少年がたいくつな授業を
受けているとき
校庭で春 ....
自分についての何かを語るなら
それは自画自賛であり
それは自己欺瞞であり
所詮自業自得の言葉の群れだ
自分の為のものならば
法則も方法も規定も自由自在
全ては自身のものであり
全ては ....
柔らかな
涙色をした土地に
結合する
結合する白
結合する白
限りなく
冷たくなる空
墜ちてゆく
うすいろの
うすいろの影
戸の隙間で
影が
かさりと
動く
....
雲が波なら
僕たちは深海魚だ
深く、深く、
差し伸べられた手も届かない場所で
温もりも知らずに
窒息している
月明かりは
マリンスノーに似ている
それはただの幻想で
本質は
....
体温と同じ温度のことばがほしくて
私は冷えてゆく
冷たいことばが風になり
人は一瞬目をそらす
体温と同じ温度のことばがほしくて
私は枯れてゆく
乾いたことばが砂になり
人は一 ....
つながり得ない―
落ち葉を拾って、一枚ずつ横向きに置く。それを上から下へ並べて、
何するつもり。
言う、という漢字を書いて、「言葉」と謂って、口をすぼめて、
息を吐いた。風も吹い ....
自己憐憫やセンチメンタルなんて塗りつぶされてしまえ
あかね色と紫の混ざった夕暮れは街を照らすよ
消え去りそうになりながらも今日を終えた人たちを称えて
透明な感性が空中に漂って ....
かわいそうな動物だ。
真実の感情から遠ざかっても。
偽りの感情に寄り添っても。
ただ身じろぎもせず。
帰りつく先はない。
重い腰を上げ、立ち上がる。
すると地平が湾曲する。
湾曲した ....
おとつづき
おとからぬおとび
おとげびり
おとな おとのな
おとと おとうど
おとじ おとうじ
おとす おとねの
おとぎ おとさの
おとめ おとめな
おとば ....
陽が傾いて、ちいさないしがみさまに立てかけられていた、
自転車の車輪が、風にまわされていました、
からから、と、おもちゃのたてる音のような、
へこんだ泥よけに、つっかかって、
こすれるような音 ....
砂浜になぜか
まるのまま打ち上げられたりんご
いつからあるのか
りんごはなかば透き通っている
食べたらひどくだめそうなのに
僕はそれを舌にのせる
のを逐一 想像する
おいしい ....
電車が止まるたびに
ひとの泣き声がします
ここ真昼の東京駅は
けして夢を見ることをしません
うだるような夏の日
固まりになってひびく
靴の音
顔を置き忘れた
魂の音
ひとびと ....
小さなナイフを握りしめました
最初で最後のするどい傷跡が
宙を舞いました
柔らかな時間に何の罪もなく
優しい沈黙に何の悔いもなく
それでも気づくと
私はナイフを握りしめていまし ....
122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162
【未詩・独白】いまだ詩ならざるもの あるいは独白
作者みずからが未完成であることを認めた詩作品たち
このカテゴリの作品には以前は批評を禁止していました。今後もなるべく批評は遠慮くださいますようお願いいたします。
0.49sec.