TVで流れる
殺人事件や
交通事故を客観視できる僕らは
身近な不幸に
胸を詰まらせる
自分も所詮
その他,大勢なんだって事に
気付くから
明日はわが身と
思うから・・・
....
去年の冬、
いつの間にか僕のポケットに滑り込んできた君の右手、
今は、誰の手を包んでいるんだろう。
今度の冬、
僕の左手は、ポケットの中でひとりぼっち。
たとえば地震が起きたときに
真っ先に
何かを考える前に
眠っているあなたに
身を挺して覆い被さるように
それを何と呼べばいいのですか
恋人よ
恋人たちよ
言葉にされたものは ....
あの夏の星の輝く夜に君は生まれたのだよ
ずうっと後になって父がそう言った
その星のひとつを握って泣いていたのです
父の墓の前にたって私はそう言った
映る星と映らない星があるとわ ....
いるとすれば
とんでもなく 無能な
かみさまが
うばっていったものが
みけんのしわに
ひっかかって
とれない
川辺に押し寄せた
僕たちは
石油まみれのペンギンだ
待ってるよ
差し出されるヘルプ
白い手で
洗い流して
恋人同士
抱き合って
片寄せて
缶ビールなんか ....
えー
目下のところの目標は
全国縦断ツアーをやりたいです
小さな港町
あるいは政令指定都市
アリーナとはいわないですから
ライブハウスでオッケーですから
まあ
問題は
うたをうた ....
難しくて、よくわかりません
もっと簡単に説明してはくれませんか
君の気持ちが複雑なのはよく知っています
だけど、それではわかりたい願望が強まってしまうだけで
ひとりよがりな、恋は続いてしまいま ....
8.5.05
僕にできることは
なんだろうと
とにかく探していたけど、
ただ分かったことは
僕のあまたのまんなかに
あると思っていたものが
じつはなくて、
そんなものなく ....
ぼくはある人を想って、
少し泣いたり、あるいは
幸せな気分になる。
もうここにはいない
あの人。
ぼくの胸のすみっこに
とぎれることなく
存在するであろう人。
....
肉体は抜け殻で
ただの入れ物でしかない
・
つなぎ目がとうに錆び付いていることは
重々承知の上で
真実とかいう胡散臭いものを探す旅に出る
センチメンタルな接着剤で
....
世界の
あらゆる、反戦運動に
あらゆる、福祉活動に
あらゆる、選挙投票に
あらゆる、教育の訴えに
私が願う如何なる ....
澱んだ空の下
道なき道を
ただひたすら歩く
幾人もの命を飲み込んだ
機銃さえ今は
この傷だらけの体を支える杖
きっとこのまま倒れてしまえば
苦しまずに逝けるけれど
あそこまで
あ ....
暑い夏
公園の白いブランコに
佇む老人
こんな日にも
汗ばまない掌眺めて
寂しげな笑みをこぼす
本気で愛したあの人も
今は遠い空
自分を知るものさえ
誰もいなくなって・・・
....
ヒグラシの声も静まる頃、田んぼの畦の草むらあたり蛍を呼ぶ声響きます。
星明りは天の川、さらさらと聞こえるせせらぎは昼間に遊んだ川の小さな流れ。
夜露がひんやり白い足首を濡らして、浴衣のきみと浴衣の ....
木陰を探して足を向ければ、蝉時雨が暑さとともに降り注ぎます。
木に寄りかかりじっとしていると蝉の声が耳鳴りのように体の中から聞こえてくるような錯覚を覚えました。
繁った葉の間からちらちらと陽が射し ....
「神様、地獄に行かせて下さい」
「何故? 君は立派な政治家だったはず」
「ありがとうございます。でも…」
「なんだね?」
「友達が一人もやって来ないんです」
Kur ....
「神様」
「なんだね」
「私のいるべきところはここ、天国ではありません」
「地獄に行きたいとでも言うのかな」
「その通りです」
「…」
「あなたの御心はここでは成し遂げられません」
....
冷蔵庫が
お漏らしをするようになったので
医者を呼べと
いまどき
呼んで来る医者がいるのか
ご臨終専門の
お医者さま
うちの冷蔵庫は
ちょっと循環がよくないみたいなんです
....
夏休み
自由研究のテーマは
距離に ついて
だから
きみが 必要
逆さにしたフライパンの底を叩いて
大気の震え
300km先の君の朝を起こす
という 確かさ
湿らせた ....
別れちゃおうかな
捨てちゃおうかな
そんな日々が悶々で
おんなじことの繰り返しから
抜け出せなくて
あのとき
別れちゃえばよかったのかな
遠い目で
....
ピカソ、ブラック、ピカソ、ブラック、
ピカソブラック、ピカソブラック、
ピカブラックソピカソブックピカブソクピラカソブラック、
ピソカラックブピブカソラックッピラブカソクピブ ....
ボクが眠らないとママは眠れないから
ママが眠らないとパパは眠れないから
パパが眠らないとボクは眠れないから
アイスピック
カッターナイフ
金属バット
ボクは眠れないからママを ....
数々の本当が降りそそぎ 立ち尽くす毎日
なんて、なんで。なんで、なんて。
「こんなはずじゃ、なかった。」と、他人のカートを横目で見る。
なんて、なんで。なんで、なんて。
鮮やか過ぎる ....
わたしたちは小学校のプール跡に住んでいた。
もちろん家に住んでいた。
プール跡に、家が建ったのだ。
ともすれば思い出したように、夏にはテーブルの上にサトウくんが立った。水泳大会 ....
言葉が心を離れて
自分から遠ざかっていくようだから
文章は苦手だと
そんな事をいう人や
正しく使わないといけないのなら
もう 何も話せやしない
そんな風に投げやる人や
言葉重ねて ....
使い切りの部品で出来た人の身体は
だんだんとすり減って来る。
使わないでいると
遊びが無くなったハンドルのように
上手く動かなくなっていく。
子供の頃は
心が求めるままに過ごし
身体 ....
触れることも触れられることも
拒んでいた手
そんなことすら
忘れてしまった手を不意に繋ぐ
温かさ
そんな空想が
思考の隙間に挟まって
消え
誰も
何も知らない私を
存在させ ....
すぐにでも
ちきゅうに
とけてしまいそうな
そらいろのワンピース
なんにも
さえぎらないから
かぜが
あつまってくるけど
まあ
ふんばって
うけとめるわけです
そらなんかに
な ....
小鳥の瞳に恋をした
少女は
空にキッスして
ことばを失った
あ
{ルビ喃語=なんご}が空を切る
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【未詩・独白】いまだ詩ならざるもの あるいは独白
作者みずからが未完成であることを認めた詩作品たち
このカテゴリの作品には以前は批評を禁止していました。今後もなるべく批評は遠慮くださいますようお願いいたします。
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