耳
の奥
の枝葉
の枯れ屑へ
足音の一人分を
沈め続け
祈り
の指を
耳たぶ一人分に
勘を頼り当てやるも
冬に備える温度の一人分も
何処にも少しも ....
何処かの 夕暮れの垣根の
蔓の終わる姿の 夏が
無残に 口をきけなくなっても
目を逸らすだけでは どうせ足りない為
わたし 見つめたのです
西向きの 軽トラックの ....
食欲が無くて
でも何か食べないといけないから
そこらへんのもん食べたら
実は腹がもの凄く空いてて
がむしゃらに食ってしまった
そうえいば
今の彼女とあった時も
そんな感じだっ ....
月が好き。
満月も 半月も 三日月も。
どれも好きなんだ。
あぁ、そうだ。
いつか月に行こうじゃないか。
自分は座っている
名前を呼ばれて
まわりの人はいなくなる
自分は座っている
まわりの人はいなくなる
自分はいる
いなくなる
自分は
いる
いな ....
ああもうこんなにも
もっていかれてしまって
こんなつもりじゃなかったのに
気付かぬうち
押し付けられた頬が
桜いろに染まるので
目を細めて
こっそり微笑む
こんなつもりじゃ
....
青く光る階段の一番下で
柔らかな猫の背中をなでる
光の前でないている
小さな不安にそっと触れる
青く光る階段を見上げて
柔らかな猫の身体を抱きしめる
光は動かずそこにある
誰 ....
青く拡がる海を目の前にして
僕は姿を消そうとしている
海月の様に透けていく指に
橙色の血管がゆるく輝いている
午前の空を流れる雲 は
のどかないのちを描いてみせた
せんれつなる いまぎわの
そこ ここに ほおりだしたる て あし
ぞうもつ
じゆうなる がんきゅう
ふれる かんしょく
ひっそりとおわらせることもできない
....
階段で滑って
尻を打つ
これで今年
三度目
お陰で
ケツの骨はこなごな
当分の間
悪いことできない
今日は
うつ伏せで寝る
りんが
突然死したら
だれか泣い ....
自分が全て悪いことは理屈では分かる
でも言い訳を探さずにはいられない
弱さを覆い隠したい
自分でも自分の心が分からない
でも誰かに分かって欲しいと願う
甘えている
自分のことをどう ....
バスを駆け下りると、ドアが背中でパスンと閉まった。
ブロロロロロ………・・・
行っちゃう。あれに乗ってれば、出勤時刻に間に合った。
ため息。バスストップのベンチに座る。
お尻に変な感覚が残って ....
交番に相談に行けば
ここに来ても無駄だよという対応をされて
塾に行けば
結局は
自分の勉強力が勝負だよという宿題を出される
君に話しかけても
あなたは
同僚で人妻ですよという
たて ....
月に笑った、星と夜に
君は優しく声を伸ばす
「おはよう」 「おやすみ」
はにかむ空は色を変えて
僕のこころの白も染めて
みるみるうちに世界は回る
ひとつ、ふたつ、つ ....
さよならはこころのなかでだけつぶやけばいいのに
こうしてまたとけいはくるくるはりをまわすんだ
(もう好いじゃないそろそろ、そろそろ)
とうめいな、かったーの は
と、おれんじとほわ ....
伝えることは
誤解を生むこと
そう理解した日から
少年は口を閉ざした
はい と いいえ
があれば充分だった
長い間そうして過ごした
これでもう あのはがゆい思いを
味わなくてい ....
初めて彼に会ったのは
くしゃみが止まらなくて仕方ない時期
思いも寄らぬ早さで時間が過ぎて
私が涙を流す頻度で五月には雨が降った
雨
彼に会う日は必ず
雨降りだった
いつか晴れ ....
さよなら という
空想を食べて開いていく
私の体
私の心
空へ腕を伸ばせば素足は土に
さよなら
さよなら
掌に太陽を 乗せて
この魂は 開いていきたい
....
気がつけば積もっていた
繰り返される別れの中で
いつしか
それが当たり前になっていた
心は
俺を守るために
ひっそりと包んでいた
諦めという感情で ....
話がしたいって
笑顔で言った彼女の
話したいことをもう知ってる
それに備えて
シミュレーションしてみても
なんて言ったらいいのやら
きみとわたしのこと
きっとわたしたちのうちどち ....
なにとはなしに 夕方おきて
産婦人科にいったらしまっていて
ちょっと不安なきもち抱えながらで
なにとはなしに
電車にのって
ぼやんとしたくて 各駅停車
下北沢まで ひとあそび
....
例えば過去の自分は別の人間で、それは完結した物語
進行形で人はどこへ歩いていくの?
古傷は痕だけ残してる
何を見て痛がってるの?
もうすっかり治ってる
それは遠い昔、別の人の話だよ
気にし ....
嘘みたいな夜明けがきて
はしった
くちずさむうたは 誰もしらなくて
ベッドをさがしてるのに
誰もしらなくて
わたしの目じゃみつからない
猫のジロさんが言うには
「 ....
誘い文句は
人生を捨ててみないか?
もっさりとした天然パーマの頭
口ひげ
カーキ色のポケットのいっぱい着いたズボン
腰からは手ぬぐいを下げ
山から降りて来たそのままの風貌で
教室を歩 ....
どこに誠実さを置くかによって、そのエゴイズムも変わってしまう。
つぶやいた名が深く響く
空は{ルビ鈍色=にびいろ}をして時を孕む
いらっしゃい必然的本体
欲する無欲が降ってくる
浴びる黒髪
月光のもとの
涙する獣道で
懐かしく鋭い爪が轟く
....
涙をふいた手を見つめて
胸を締める
責める
世間は
冷たいものだ
わたしが哀しくても
「うるさい」と
平気で言う
ものには
言い方というものがあるでしょう?
か ....
エメラルドグリーンの
カーテン越しに
月におやすみ
泣いていた瞳は
滲んだ月ヘ飛ぶ
アイボリーの日記を閉じて
埋葬される文字たち
お別れの祈り
余白から文字を
包み込む
宝 ....
この石の下に 眠るのですね
ぽつぽつと彼岸花の咲く
砂利道を踏んで
手桶の水を さらさらと流し
小菊の黄色を飾ります
あなたの故郷は 砂を巻き上げる海風と雪
帰り道 杉林 ....
とりかえしの
つかないことを
してしまった
そのひとの顔がみえないところで
おそろしい場所で
またひとつ
大切なものを
ふみにじってしまった
ぼくは
ぬけぬけといきのびるだろう
....
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【未詩・独白】いまだ詩ならざるもの あるいは独白
作者みずからが未完成であることを認めた詩作品たち
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