乾いたピアノの音、そして
三六人の十四歳たちが声を合わすと
市民ホールいっぱいに砂丘がひろがる
その魔法に酔い痴れることなく
十四歳たちは砂地を登り始める
這うように登り始める
かつて ....
「あえてよかった」
そう言ってくれた君を否定したのは僕だ
何が正解で何が過ちなのかわかりはしない
ただ僕は最低の人間だった
交換日記に書かれたその言葉
翌日のぞけば消 ....
立ち去った形跡を残すためなのか
かんだ鼻紙を一つ置いていくのはよしておくれよ
今日これで2度目だよ
道に迷わないためとは考えられない
だって家の中に一粒ずつ鼻紙が
ち ....
雪が降って 真っ白になった。今年は 暖かな冬だといいのになぁ.。
いつもより遅い訪れ 根雪にはならなかった今日の日に ほっとするのは
わたしだけなのかな?
過ぎて行く日々に 寒さも 厳しさも迎え ....
陽は 時折り射して 窓辺には秋の花を置いて
見ています
それは 低く通り過ぎてゆくので
花は おじぎをしては 見上げるのですけれども
丁寧に また おじぎをします
暮れてゆきます ....
あなたの笑顔は最強です
みんなをつい笑顔にしてしまいます
いつも大きな声を出すくせに小さな声に怖がるけど
ふるえる足をつぱって一生懸命手伝ってくる
あなたの笑顔は最強です
私は汚いオ ....
どこからか
はっきりしない
いっぽんのせんを
ひいてしまったら
もう
さみしくて
ここには いられない
どこにも いけない
例えば、親しいおばさんは会うたびに、
「早く結婚しなよ〜」
と言う。
例えば、小さい頃からお世話になった近所のおじさんは
「あんたに子供が出来たら、おじさんの孫みたいなもんだね〜」
と笑 ....
前回の、視覚詩のお勉強の続きです。
○北園克衛の視覚詩
北園克衛は日本の視覚詩の先駆者で、ヨーロッパなどで視覚詩がさかんになったのと同じ時期に
(またはもっと前?北園克衛主催のモダニズム ....
最近。
エレベーターで夜遅くに帰ってくると、エレベーターが1階にまで来てることがある。へーこんな夜中でも出かける人いるんだなあ、自分みたいに、とか思ってたけど、ちょっと違うかも。帰宅した人が、エレベ ....
おっぱいの先の
乳首は不思議だ
「乳首を見くびって」というフレーズを
産んだ男はスケベだ
いや、すべての男が
おっぱいばんざい!
ふくらみを持つ
女は不思議だ
ふくらみの先の
乳 ....
うたをぬすむことは
できない
せかいをぬすむことが
できないように
また
うしなわれたいのちを
ぬすむことが
できないように
ぬすむことが
できるのは
ほんのささいな
....
止まれ 止まれ
止まらない
沈んでしまう
変わってしまう
盗み出される
毎日 毎日
走りたくない
昼と 夕焼けと 夜
夜は 終わらなくていい
風は ....
女は 11月
凍える土地で
生まれた
きょう
そら はたかく
凍える女 の
暮らしているところま
で
まるっきり
みず と
そら とを
隔てるものがない
そ ....
お前に私の
何が分かるというのか
吐き出したのならば
ゲームセット
理解できようが
たいしたことは
できやしない
だろうから
独りで生きて行けないことがわかっても独りになろうとする。
二人で生きていけないことが分かってもふたりになろうとする。
遠い かこが むねを よぎる 。
....
わたしが
辛い
といえば
自分も辛いと言う
忙しいといえば
自分も
疲れたといえば
自分も
あなたの方がいちばん可哀想なの
あなたの方がいちばん大変なの
あなたの方がいちばん頑 ....
喪失の連続だった。ずっと。これからも。
ハッピーエンドなんて、ないんだよ。世界がしあわせに収束することなんて、ない。
ただ。その過程がしあわせであることはできるだろう。
風のない青い空を ....
じいちゃんが火葬された
あっけなかった
歪んだ炎の真っ赤な色や
煙がひたすら立ち上るところを
なんだかわからないけど想像していた
けれど実際は
でっかい鉄筋の建物の中で
僕が親戚 ....
パラサイトのパラノイア
ポロロッカのミドリガメ
宙返りのキタキツネ
跳ねて捨てられ帰らない
キタキリスズメの笑い声
10月ねずみのノータリン
倶利伽羅峠の小判鮫
ピタリと吸い付く色相 ....
詩を読んでいると、文字や文字列や余白が絵として見えることがままあります。
私は言葉のかもし出すイメージや雰囲気その他もろもろだけじゃなくて、そういう見た感じも含めて詩が好きなんだなあと、以前こちらで ....
3列にお並び下さい
3列に並んで到着をお待ち下さい
3列目のお客様には特別の駆け込み乗車を差し上げますから
到着するまでは静かにお待ち下さい
殺風景な
公園前派出所にも
桜の花を飾る皆 ....
信じるものは
必ず裏切る
その
摂理を許しながら
壊れたものは
壊れたまま流される
暗闇が
暗闇のまま発光するように
欠けたものは
その空虚を慈しむ
欠落は甘い
それを知るも ....
犬のような咳をしたって
迷惑顔されます
そういうのが嫌だから
休むと
サボリだといわれます
ハナは
かんでもかんでも
溜まります
紙があることは
ありがたいことです
お金っ ....
くらげに刺されて
手がしびれ、
正座をしていて
足がしびれ、
肘をぶつけて
腕がしびれ、
血を抜いて
唇がしびれ、
眼が合って
心がしびれ、
ニュースを観ていて
頭がしびれ、
....
幼き頃
大事なおもちゃは全部弟に取り上げられた
母に話してもお兄ちゃんだからがまんしなさいと言われた
よく妹をいじめて遊んだ
そのころの楽しい思い出が僕には全然ない
家庭の ....
寒い夜でした
北の空に
銀の尾を引きつつ
お星さまが流れて
行きました
願い事一回目
夢は死に
お星さまは消えたのです
そんなに長いお願い事でも
....
うた が ひろがる
やみ の なかへ
おと は ゆさぶる
やみ の すべてを
ことば は しめす
やみ の かなたを
それでも
うた は
ひかり では ....
なつかしいかいがらに
つめこまれた やみのなかで
いまも おまえは
うたっている
しろいほねのうた
うたっている
わたし わたしは
だれですか
おまえ おまえは
どこにい ....
寒くなってきたね
塩化リゾチーム
塩酸メチルエフェドリン
リン酸ジヒドロコデイン
風邪薬の有効成分
くすくすっ
ほこほこの肉まん
食べたいね
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【未詩・独白】いまだ詩ならざるもの あるいは独白
作者みずからが未完成であることを認めた詩作品たち
このカテゴリの作品には以前は批評を禁止していました。今後もなるべく批評は遠慮くださいますようお願いいたします。
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