肩の上のものたちは再び去った。世も肩も結局は自分を苦しめただけで何ももたらさなかった。目覚めは長くなったが、終わりはさらに近づいた。
雪が空にもどるのを見て泣いた。 ....
肩の上にまた幽霊が戻ってきた。昔と同じ重さと痛みが、どんどん自分を夜へと持っていく。まだ眠りは来ない。自分は在りつづける。あの何も無い所に近づくことなしに、自分に向かって歩むこと ....
肉が裂かれる予感がする。内蔵ではなく、表皮のすぐ下の肉がまっすぐに裂かれ、虹色の壁が刃に映る予感がする。薄暗い景色のなかに、さまざまな色だけが見え、どこからか来る強い光のために全体 ....
瞳は今でも
汚れてもいなく
色褪せてもいないのに
それを気づく人は
母しかいなかった
私の求める人は
自分
を見て欲しい人だった
私が見ていなかった
私も自分
を見て欲しか ....
太陽ちょーだい。
あたしはどんなに頑張っても月にしかなれないから。
自分で光ることは出来ないの。
誰かと一緒じゃないと無理なんだ。
ちょーだい。
ちょーだい。
あた ....
も もしかして
パソコンが
恋人になっていたから
ネガティヴヱヴリデイ
テレビドラマに
触発されたら
人をもっと愛せたかもしれない
真似ごとでも
そう気づかなくても
私はバカだから ....
出たり入ったりしていたものが、
入ったきり出ていかなくなった。
このまま自分は夜に倒れる。
とどろくもの、うねるものの内に行く。
光から遠いところにあるものの影ほど長くなる。決してまちがいではない。自分がそうだ。長い影を持つ。このままではだめなのだと知っている。だが、光に近づけばいいのか。影の内の生きも ....
目をつむれば残る窓の{ルビ光=ひ}よ
あらゆる音が聴こえる
鬼の器のように
嫌われたら
嫌い返さなきゃいけないの?
別にいいでしょ
やっぱ
僕は好きなんだから
君が・・・
この気持ちは
誰にも奪えないんだよ
君に嫌われてたら
結構凹むけどさ
も ....
{引用=
ちいさな野原。白い宇宙。街角の冬。さざめく星空。静寂。月の光。天文台の記憶。
春の方角。夕陽の轍。ぶどうの風。かすかなピアノ。やさしい目。風邪の熱。水蜜桃のゆめ。
向日葵を持つ ....
「やったじゃん!大島」の6巻を買いに本屋に行った。漫画コーナーに行くと「やったじゃん!大島」の6巻だけが見当たらない。別の本屋に行くと、やっぱり「やったじゃん!大島」の6巻だけ、ない。これには、なにか ....
月だけしかない月は醜い
バラの匂いは補いきれずに次々腐る
鉛につながれた手のひらの鳥と膝の丘
泳ぐものだけが泳ぎつづけて
他は底に水をひもとく
分かつは夕方
破瓜の塩
....
知恵などどうなってもいい
人間が勝手に作った時間とかいうものが
気になることだってあるのだ
死は避けられないし
それが来るまでの散歩の距離など
やはりどうだっていいのだ
....
20年前の地球儀
この誤りの地を見ろ
これら海のような地を
のたうつ髪が 火の弓を撲つ
月球儀に引かれた黒い線
名を ....
朝露に濡れる菫色の華
儚くゆれて
朝日の光を一身に浴びていた。
明日も咲いているだろうか。
小さい華だった。
とてもじゃないけど花屋で売っている
豪華 ....
生き残ったぼくらは
何か できるはず
亡き人の骨を慰めるため
ともに生きる人と歓ぶため
耳をふさぎ、目をつぶり、口を閉じ、息を止め、心臓のボリュームを最小限に抑えた時、
無意識からいろんな光が出る時がある。
大脳に隠れていた幾千万の言葉と映像、そして音。
わたしが ....
脳みそのひだの裏
すこしめくれて
黄色の花が目の前に見えたよ
じいちゃんの鉢植え
庭の色
もう見られないものは
ここに隠れていた
よかった
ここにあったのか
水の底にじっとしている
大きかろうか小さかろうが
石は皆平気な顔をしている
水の中にいて水が見えていないのか
冷たい中で
何食わぬ顔をしていて
どいつもこいつも
嘘だと思った
川ぷ ....
三分の一と0.3333333・・・おんなじなの、わかんない
花びらいっぱい、おんなじの、みつからない
僕は 空を 見上げる
白い月の もっと彼方の
娘の手を
しっかり
にぎった ....
月に罪無し
嫌いなあんたが見ていようと
わたしが嫌いになることもない
車の修理費の心配
手術費用の心配
税金の心配
それって全部
お金の心配
御破算で
願いましては
月夜の ....
犬のあとをついてゆく
時おり振り返っては笑う
犬のあとをついてゆく
コンクリートの空の地下道
下半身が猫のままの
犬のあとをついてゆく
土の道のできそこない
泥のよ ....
何もかもがずれてゆく
不幸ばかりがやってきては去る
だが自分はここに居なければならない
自分以外のもののためにここに存在しなければならない
いつかは離れていってし ....
何かを考えるだけの血が
脳まで登ってこない
ほっこりとした二重まぶたの少女の絵を
どうしても描けないでいる
日光のなかの
なかば乱れほどけた金色
灰紫の瞳は
別の時間のた ....
好きで好きで
たまらないのにさ
恥ずかしさとか
色んなもんが頭をよぎって
言葉になんないんだ
好きだよ
そんな一言すら言えなくてさ
一緒に歩いていて
君の手を握りかかった手 ....
結婚は雑巾
汚れては洗い
穢れぬようにカビないように
絞り続けて
布はほつれる
愛は悲しみであり
人として
死んでゆかねばならぬ
絶対の孤独の裏返し
孤独と傷の共有
恋は単 ....
{引用=ただいま「春」の収蔵作品展 開催中
http://po-m.com/forum/grpframe.php?gid=359
}
[春の帝国]
恐ろしく美しい花が
恐ろしく気持ち ....
煮干しわしわし噛む。
私を含め、消えた人格たちが
小さな箱の中で
仮面パーティーを開く
いなくなった私に問いかける
今さら仮面など
必要なのだろうかと
いなくなった私が答える
どちらにしても
私はも ....
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【未詩・独白】いまだ詩ならざるもの あるいは独白
作者みずからが未完成であることを認めた詩作品たち
このカテゴリの作品には以前は批評を禁止していました。今後もなるべく批評は遠慮くださいますようお願いいたします。
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