お出かけ前のメイクをしていた
魚の有効成分のような名前のコスメの
毛穴問題を解決するという魔法の糊の
ぺちゃんこになったちっちゃなチューブしごいて
米粒ほどの{ルビ糊=モノ}をひねり出したら
....
「大丈夫だから
心配すんなって」
そう 笑ってごまかす君に
言いたいんだ
「目が笑ってないよ
それじゃ
心配しない訳にいかないし・・・」
僕は
皆みたいにごまかさ ....
ぎゃっと
言って
飛び跳ねたのは
蛙のような男
ひっくり返ったのは
瀬戸物の青がえる
緑の館にすむ者たちがイカレタあとで
笛吹童子が廃品回収にいそしむ毎日
退屈だなぁと
鳥山 ....
私は料理が苦手ですと
胸を張って言えない世の中で
胸を張ると
偉そうに見えるので
それだけで
パスされてしまうので
お嫁さんになど
ならなければよかったかなと思いました
それさえ
認 ....
(一)
駅の改札を出て
長い階段を下りたところで
醜く太っていて、サスペンダーと蝶ネクタイをした
男に声をかけられた
公然わいせつ以外のすべてのこと。
世界と呼ぶには狭すぎる生活、 ....
家路をいそぐお父さん達が
バイクに跨って知らない街にやってきた僕を
少しだけうらやましそうに見てる気がした
だから僕はかっこつけて
夕暮れの空を見上げてたんだ
そんな街の交差 ....
痛いのは嫌いだ。
けど
癖になる
だから私はそれを始めない
手を染めてしまえば
気づいてしまう予感がする
もうずっと
多分ずっと前から
私は
耳鳴りがする
4分を過 ....
地元の海を見に、帰ります。
海岸にはいろいろなものが流れ着いていて、
それらを愛でに帰ります。
磨かれた硝子、
滑らかな流木、
色巻貝の中心、
秘密の詰め壜、
....
満ち潮のとき
右足を動かし
引き潮のとき
左足を動かす
波と風の楽団をバックに
けだるげな夕日の照明
そうやってわたしは
地球と踊る
忍者のように
美しく
妖しい
魔を呼んではいけない
呪いの言葉で
欲しかったのは、技じゃない
求めたのはその先にある
{ルビ術=すべ}
彼方で
....
もう何年も入ったことのない
家のすぐ近くにある店が
一ヶ月前に閉店していたことを知った
ようやく雪もとけ 作業がはじまったらしく
母は一月に亡くなった父の墓を見てきた
....
混乱するから
いま使わないものは
とりあえず
畳んで仕舞い込む
いろんなこと
引き出しにしまったから
どこに何があるのかも
忘れた
まだ
散らかってる
毎日
散らかる
畳ん ....
午前5時
始発間近の空気はいつも冷たくて
そのくせとても透き通っていて
「こんな街でもきれいに見えるね」と
僕たちは手を繋いで歩いている
空もそろそろ明るくなりそうで
誰かが吐いた道端の吐 ....
朝か、もうすこしあとにおきだし
パンをたべ
仕事をし
お昼をいただいて
掃除や仕事をし
たいへんおなかが空き
夜ご飯を皆で囲んで
寝る前までに
いくつか日々のことをこなします
私 ....
正しい恋愛の方法なんて知らない。
と言うか、おそらく無意味だ。
そんなのがあったら今頃全世界が幸せに満ちている。
おそらく人口増加を辿っている。
こんな世の中なのに・・・そんな世の中なのに ....
銀の粒 ひとつの星座
解けてゆく月
たちどまり
再び進みはじめるたびに
目の前にひろがるものたち
「これで死ぬのか」と思いながら
生きている
....
言葉以前の言葉をとらえるためには
「自分は人間だ」などという考えにつきあってはいられない
狐 なめくじ 犬 足のないねずみ 死んだ木々 土くれ
猫の脚のつけ根
ころげま ....
悪は悪のまま動かずひろがり
幸福は悪を操作する
幸福は悪にも幸福にもなれるが
悪は悪の珠を抱く
?
あなたの煙草に火をつけると
一瞬
ちらちらと
睫毛が揺れる
そんな
どこにでもある光景のために
この部屋での喫煙を許すのだ
もしこの部屋にお香立さえなかったら
きっと ....
目が乾燥して瞬きをした時に出る涙と
あなたを失った時に
愕然としてしばらく信じられなくて
理解しようとしないで
数日が過ぎた時に
タンスの奥から出てきた
あなたのセーターを見た時に
....
腕を組んで歩こう,あなたと
腕を組んで歩きたいのだ,あなたと
明日は,この体を銃弾が通り抜けるかもしれない
明日は,この体が四散するかもしれない
だが,今は,あなたと歩いている
この静けさが ....
{引用=明け透けな 夜の温度を 手ではかり}
*
{引用=
きょねんのわたしが
さくらのしたでそつぎょうをしているころ
まだはだざむいこうえんのベンチで
あなたは
またはんぶんに ....
15の春に殺意、ですか。。どうだかなあ。
ボクらが思うよりずっとずっと。10代の世界はすすんでいて、
そして病んでいるのかもしれないね。
病んでるって言うと、ネガティブな感じだけどさ。 ....
雨の降る夜は凶暴になる
叫びは声を失くしていき身体は揺れる
昔からそうだった
何度自分の血を見つめたかわからない
夜明けの冷ややかさが最高の快楽だった
誰かが立っていると ....
あたたかさは痛み
つめたさは痛み
肉のためではなく
風のためだけに用意された穴がある
1/∞(無限大分の1)は零ではない。脳から食道を見下ろしている奴が、いつもそんなわかりきったことをつぶやく。どこまで離れれば気が済むのか。離れても離れても、かろうじて前だと感じられる ....
ラミネート歯磨き粉しぼるように
つま先から
悪魔搾り出してもらいたい
だけど
ラミネートは
もう膨らまないから
しぼりきった歯磨き粉って
なんか哀しい気分がする
穴があくまで
洗 ....
八重の桜も散り始め、緑の花も咲く頃になってきました。
お元気ですか?
この間こんな言葉を知りました。
年年歳歳花相似
歳歳年年人不同
響きは何となく知っていたのですが意味は ....
時が止まる
そんなことあり得ない
時とはなんですか
葬儀の帰りに思い出し
共同墓地に立ち寄ると
分からないことだらけの人生に
漸く終わりを告げた人たちが
生きてい ....
埋もれては きえてゆく 冬は にごりながら 春を むかえに 風は ふく
日にひに とどく たよりほど 待ちきれないと 知ってか 知らずか 風は ふく
59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99
【未詩・独白】いまだ詩ならざるもの あるいは独白
作者みずからが未完成であることを認めた詩作品たち
このカテゴリの作品には以前は批評を禁止していました。今後もなるべく批評は遠慮くださいますようお願いいたします。
0.43sec.