――Sに
世界は美しいと感嘆する前に
やらなければならないことがあって
誰もがそこへ向かって走っている
完璧なソネットなど書けやしないから
俺の言葉はいつだって
掘 ....
当てが外れた日曜日
キミという人物に
わたしは
また放浪の旅人だ
明日は
海の日だそう
ヒグラシが鳴かないことに
誰もまだ気づかない
た ....
真新しいシュレッダー
まだ使ったことはない
これからどんなに私を楽しませてくれるのか
考えるだけでもワクワクする
買ったよ
と
友達に話したら
家で使うときがあるのかって聞かれた
....
大切なことが
この小さなポケットには
入りきらなくて
そのくせ 中に入っているものといえば
くさくさによれて固まった
みっともないホコリばかり
気取って
そんなものに僕 ....
ピアノは
閉じたまま
あの人さえ
わかってくれないんですよ
行きたいほうへ
向かせてもらえない
いつだって
わたしの肩をつかんで
行きたくない方へ向かされる
それが当たり ....
ゼウスが来た
ある暑い昼に
いきなり
雷霆ふりかざして
洗濯物を取り込め
自転車にカバーかけろ
ゼウスが過ぎ去った
何事もなかったかのように
アポロン呼んで
ゼウ ....
夜を嘗めたい気分
代わりに
ビールを飲み干して
なんだか
塩味が足りない
人間らしく
泳いだり炎天下
汗水をたらしたり
日射病になったりできないので
空想を
お披露目する
....
転ばぬ先の杖
そうは言うけれど
杖があろうがなかろうが
転ぶときは
派手に
転ぶもんだ
逆に
杖を頼りにしている分
杖が折れて
転んだときは
相当痛く
....
月がどこに出ているのかも
今日は満月なのかも
どうでもいいような暮らしも
それでよいのならいいのかもしれない
同感
同調
こころが向く
話に耳を傾ける
その人の世界を訪問する
....
学校は好きですか?
生活アンケートにある項目だね
いつもワンパターンで飽き飽きする
先生だってきっと飽きているんじゃないかな
そんな事を思いながら、白紙のアンケートで紙飛行機を折る
....
夏が来ると
波が立って
春の子供達が
息を切らせて
砂浜を駆けてゆく
走るのは
寒いからではない
嬉しくて走るのだ
水遊びに行くのだ
息を切らせて
水遊び?
今になり気がつい ....
期待なんてしないほど
大人になんてなれないから
寂しくなってしまうんだ。
期待に答えてなんていわないから
返事くらい欲しいって言うのは
期待だろうか。
車両の硝子越しに夜の街を眺めてぼんやりと揺られていた
車両が地下にもぐると街が写っていたところに不意に自分の顔が重なって見えた
疲れた顔だ 夏なので汗ばんでいたし
眠そうな目は滲んだ青い ....
砕けた石英の剃刀を
突然の風が巻き上げて
私の頬をかすめる
誰に届くわけでもないから
名前まじりのため息は
手のひらで温かい
癖毛のように渦巻く黒雲か ....
花に触れると
花びらにつたう雨の雫は
お前の
淵で溜まる透明な雫を見た
花びらに伝う雨の雫は
お前の涙
涙を止めてあげられないまま
君を家に帰した
僕の胸で泣き崩れる君に
大 ....
今夜またネットにつないでも
私の独白を
だれも聞くことはできない
禁止され、去勢された独白
「コミュニティ」の内側で
旧友同士のようにふるまいながら
もうだれも 独白することはでき ....
ナルコプレシーというのは簡単に言えばどこででも突然眠ってしまうもので
私がそうなんですがこれはたとえば
アフリカのツェツェバエから伝染する眠り病なんかとは違って
ウイルスみたいなものが原因じゃな ....
大迷惑な遊びがある
老人のゴッコ遊びである
どうやら弱った振りをして
若者たちの
といってもほぼ全ての人の
善意を測って遊ぶ遊びである
私は偶然その遊びに巻き込まれたらしく
手を貸そうと ....
たしか
二年ぐらい
キスなんかしていないので
そろそろしてもいいかな
と思い
相手を募集したい
けれど
声に出して言うこともできず
しらふでは無理で
こっちも相手も
択ぶ権利はある ....
自分の物の範疇で
やり込めるあなたの
真剣な眼が死ぬほど嫌いです
語っているようで
ただ論理だてて私の穴に埋めていく
埋まりきったらそれで終わり
出来たパズルの絵の細かさに
私が驚く ....
あいたいひと
大好きだ あいたいよ
あいたいよ 会いたいよ 逢いたいよ
こんなにも大好きで だいすきで
いまだって あなたがアタマから 離れない
それなのに あえないの
....
もういいと
何時からだろう
硬い殻に閉じこもった
わずかの養分と
わずかの水分とを持って
硬く硬く閉ざした
もういいと
放っておいてと
何時からだろう
光に触れないように
....
すべてが
確かで、
すべてが
不確か。
すべては
一自己の重複によって
構成され、
他自己無しに
存在は
赦されない。
すべては
多重 ....
運命なんかに負けられないから
歯をくいしばって
笑顔をつくって生きて来たの
でも あなたの胸で
ほんの一瞬休ませて
その瞬間(とき)が来るまで
歯をくいしばって
笑顔をつくって生きていく ....
近頃は
空 なんかではなく
携帯 で
繋がっている ようだ
さようなら と
甘味な浪漫に
別れを 告げねば
口をつぐむ
ちゃんと話を聞いてくれる人いないから
あっちから
こっちから
のびる糸
引っぱってより合せ
不恰好な糸つむぐ
近寄らないから
....
そうなるはずもなく
僕の中から奪われた物の形
そうなるはずもなく
僕の中から溢れ出す物の轍
苦しそうに鳴き続ける犬コロに
自分を重ねてみてはニヤつく
時は重なり想いが沈んでいて
暗い ....
君にあげられるものは
これから先に起こりうる
希望くらいのものだよ
それもかなり不確かな。
それでもいいなら
左手をおだし。
{引用=神様のため息は誰がうけとめてくれるんだろう}
夜
この紺色の時間
たくさんのため息が
枕に
コップに
カーテンに
網戸をと ....
青いきらきらした羽毛の
美しい鳥が
朝焼けの中を飛んでいた
光はまだ世界に行き渡っていなくて
冷えた雲が灰色に固まったままオレンジに照らされ
荘厳に渦巻いている空
地上では
カラ ....
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【未詩・独白】いまだ詩ならざるもの あるいは独白
作者みずからが未完成であることを認めた詩作品たち
このカテゴリの作品には以前は批評を禁止していました。今後もなるべく批評は遠慮くださいますようお願いいたします。
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