一人
さみしいなぁ
ほんとは
いっぱい
甘えたかった
一緒に寝たかったな
ぎゅってして
手を繋いで
チュウして
変わりじゃないけど
かけがえの ....
響きあって
何かをつかんだはずだったのに
人は貪欲でひとつ手に入ると全部がほしくなる
そんなことは当たり前だけど全部がほしい
どんどんどんどんほしくなって足らなくなるなんてよくある ....
囓りかけのパンを
置き忘れて
二人は立ち上がった
九官鳥の羽根を身に纏い
新月の夜は巡るのだと
顔だけを空に向けて
歩く
垂れた電線を潜り
蛇が
鎌鼬のような顔をして
平行 ....
明け方、安らかな寝息で目覚める。
どんなに激しく罵りあった夜でも、
疲れ切って眠った無防備な横顔だけで、
なにもかも許してしまえるような気がした。
私はその ....
真っ白い衝動と
真っ黒い欲望と
両脇に積み上げたテレビジョン
「生きてることに臆病な夜はどうしたらいい?」
尋ねればWhy?の嵐
意味なら他の誰か ....
放っておいたアイスは
溶けてべたべたになっていた
僕はそれをスープ・クリーム・アイス
....
どどのつまりにばるさんたく
ぷらたなすの花。
けまりくるめる
いとおかしきなゆたいの
ひいらぎの
ふるまいに
きわめつくされししんぞうの
セルゲイに
はじめて日の出のボルボックスは
....
静かに
宙に
溺れる
声
{ルビ溢=あぶ}れる
ごちゃ混ぜ
色した
海の
どこ
終着とか
思いたく
なくて
水
空
切って
足掻く
僕の
声は
....
良いウタを
書きたいと思う時
ウタが
どうしても
書けなくなったり
ウタが
浮かばないと思った時は
....
ぎらつく夕日を受けて
入江の港を出ていく船がある
あの火玉のごとく直進するものは
いつたい
いづこへ
いづこの国へ
いや そんな単純明快なものではな ....
ゆくりなくくるげなす
いかずちににた電信ばしらの
ほうふくこうげきに
日の出はもはや
せんざいいちぐうの
しろえさす
なえなえびの
くくぅるだいみょうを
天かいのホックにつるした。 ....
近所の本屋で、新訳の「ロリータ」を探してゐると、以前に好きだった女性を見かけた
彼女の髪の色は、見るたびに薄くなってゆく
今日の髪は、まるで黄ばんだ白髪のやうだった
「ロリータ」を手にしたと ....
「ありがたい同情をどうもありがとう」
昔、そういわれたんだ
今頃になって思い出す理由もわからないけど
ちょっとした刺抜きだよ
今日、ガラスに
アメが、うつった。
ゲキガの、ナカヲ
セレブリティー、の、吐瀉物は、穿つ。
申し訳ない軍人ラッパ
ケマリをもったままでいてくれないか。
そこにあるんだたまが。
....
友人が
彼らのことを
知らない、と
にべも無く
答えたわけだが
しかし
その口調とは裏腹に
私に向けられる彼の挙動が、表情が、
私の心にもたらしたもの
ああ!
これこそが
優 ....
布団だか
地べただかわからなく
倒れこみ
かいだ匂いは
金木犀
嗚呼
わたしは
それだけで
しあわせ者だ
願わくばどうか
僕の夢は叶いますように
(それは誰にもいえないような夢だけど)
願わくば叶いますように
(とても儚く愚かな夢だけど)
....
クロッカスのおしべの、奥の、山あいに、ぼうふらどもは、きめ細やかな、せせらぎをもち、沸く。
そのせせらぎ、ぬわぁりぬわり。割箸太郎左衛門中を引っ掻き回そうとするも、ようどちんきに満た ....
港
港には
船ばかりか
多くの鳥が
入港してゐる
夏蝶
夏蝶は
すーと
日の果てへ
吸ひ取られていつた
....
美人薄命 というくらいだから
女の子は 青白い顔をして 少しくらい体が弱いほうがいい
などと思ったのは 十二くらいまでの話で
ただ ひたすらに 丈夫であることは 尊い
そう 思う ....
これは
いつか見た紅葉
遠い日の青空
いまは
もうない
黄色い枯れ葉
その場所に
いくつも過去が
生きている
過去が
現在を飲み込む
山
ここには
過 ....
鏡を見なければ
誰も自分を見ることはできない
イメージの中に
身を落とす事は出来ても
僕が闘うべき現実は此処に
さえない日々の中で生きてる自分なんだ
....
花の枝
夕景の中
もの思ひに沈んで
俯き歩いて来ると
花の枝が
通せん坊した
朝出掛けるときは
なかつた
―花の枝―
それが夕方
出現してゐる
天使 ....
同情と違い共感は
時に己にとって悪しきものになりうる
甘い甘いものより
苦いほうがいい
くせになるから
どうせやめられないのなら
甘くても辛くても変わらないのだろうけど
ただ
あたしには
甘いのは似合わないから。それから ....
望んでしまったから いつもより少し重くて
見えてしまったから 何も考えられなくて
知らなければよかったこと
今更すべて遅いと
何を言っても仕方がないから
考えるのを止めてしまった
....
つり革にぶら下がったスーツの男は
まるで死体のようだ
そのネクタイが不安だ
つり革に結び付けられそうなその細長いやつが不安だ
真夏の太陽が乾ききったヘチマにそれでもまだ容赦なく陽を降り注ぎ ....
ひとつひとつは小さいが
確かな重みを持ったナルシズム
が
私の中をころころと転がって時々意識に飛び込み
そうして今日どまりの今日
時々口から零れていく
ギ
ギギギ
ギギギのギ
ギ
ギー
ギー
ギーギーギー
ギ
ギギギ
ギー
ギーギー
ギギギ
ギギ
ギギ
キギギギ
ギー
ギー
ギー
ギ ....
夜毎に月の灯りが街を照らすと
君の世界への入り口を探す
僕の世界は六角で
君の世界は八角なので
どうもうまく重なれない
僕らは半透明のカーテンで区切られた部屋の両側で
お互い影絵を ....
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【未詩・独白】いまだ詩ならざるもの あるいは独白
作者みずからが未完成であることを認めた詩作品たち
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