ほらあそこが春分点だよ赤道儀
な隠れそ極軸あわせ北極星
シリウスを30センチで覗くバカ
バーナードループ見えたかホントか嘘つくな
アイピースからフラッシュを焚けば波動砲
四分儀と双 ....
瀬をはやみ割れたきりなる年の夜
心眼を持たぬ我らの初詣
拾ひしは空の財布ぞ初夢に
二階なき我が家にぞめくひめはじめ
ちはやふる{ルビ雪花菜=きらず}炒めつ落語聴く
年明けの雑煮は夏の尻子玉
君がため汲みし若水 皿に注ぐ
寒施行 狐と分け喰む小豆飯
そっと割る頭氷の鏡開き
水底は青女の朝より温かく
名護岳のキジムナーから花便り
{ルビ南の風=フェーヌカジ} ウージの音色 揺れる青
うつし世は春雨なりき芝居果つ
渡り廊下の左右より春の闇
洗ひ髪夜しか逢へぬ人と逢ふ
揚花火仰ぐ横顔盗み見る
首筋に跡を残せし残んの蚊
衣かつぎ妻は家では酔へぬも ....
たらば蟹氷で味わふ足の華
室咲きの柔らかく散れ牡丹雪
壁を見て土偶は黙し冬薔薇
杉木立室生の里の雪の朝
オリオンの木星射るを仰ぎつつ
木枯らしや岐路に立てるを告ぐ便り
流感の息子の耳朶の産毛かな
流感や早退けの背に陽のそそぐ
幼子の額のあざや冬ざるる
雪しまく挑むが如く鴉啼く
矮猫亭はこ ....
入居見て日々数える敷居かな
ゐりいみ(て)ひにち(かぞえる)しきい(かな)
うるうると潤む舟見て歌津救う
うる(うると)ゆ(る)むふぬ(みてうた)つすくう
をろし味蓬ほのかに屠蘇凍り
をろ( ....
白髭の八と読んだり冬の山
大雪や山又山の8の道
大雪や木莬には木莬の塒(ねぐら)あり
水仙や四方八方こぼれ雨
芭蕉野分してスローカーブをもう一球(季 ....
中東の戦火は遠く男郎花
頭陀袋肩より下げて女郎花
虚子忌まで雪を窓見の冬籠
未確認飛行物体観世音
蜆売車力木造鯵ヶ沢
大回遊秋刀魚塩焼柚子大根
不来方の初っ切り相撲の勝ち名乗り
友人から「いかにせん 茶飲み友だち」の上五、中七 を示されて、下五のみ、考えてみたもの。本来なら、「未句」という欄があれば、そこに出すべきものですが、ことばの面白さにつられて、付けてみました。
....
口紅を持たぬ日ありき麦芽ぐむ
伐られしは冬萌赤き若木なり
孕みをれば死は許されず冬の蜂
*
紅挿すや湯冷めせしほど待ちわびて
寒紅を般若の面の裏に刷 ....
情秋や太郎は白く流れたり
情秋や次郎は黒く流れたり
時すでに コップの中の {ルビ水中花=すいちゅうか}
言葉忘れたカナリヤのニヒリズム
金色の缶ビールお墓は草茫茫
夏痩せしたい狸の太鼓腹
古里なんてあるものかと炎暑
しろい両腕を頭に乗せて突き出す乳房
もう久しく机に向かって ....
江戸へ留学中との便り届いた
冷房の部屋に江戸の伝奇小説
復讐奇談安積沼山東京伝
桜姫全伝曙草紙もまた
沖縄旅行のパンフレットの華美
汗掻いてひたすら歩く狸の里
ハムもソーセージも食ってない
犬を連れた貴婦人ばかり糞をして
懐かしき乳房の重さはや夢か
なんて明るい人斬りの夏
・夏休み だけど気持ちは ホ短調
・葉の先に 色を落として 夏去りぬ
・星色に 輝く空を 見る日まで
・憧れて 流す涙の 速さかな
・白百合の 真珠連ぬる 丘に立ち
バルザックもゾラもうんざり残暑かな
葉書来て柏木如亭少し読み
ひぐらし旅館ならぬその日暮し
歓喜天どこへ行ったかわが八月
真夏のゴリラ空を見上げて元気かな
主なき隣家に熟す柿たわわ
小望月レンズのほこり払う吾子
落葉焚き偏屈ひとり手を炙り
夜仕事の妻の背丸く影落し
梅雨空がバックネットを押さえつけ
営業は蝉の耳鳴りエレベーター
夕立の泡をけとばすハイヒール
浴衣では夜の匂いにとけてしまう
春霞 街照らしゆく夜明け前
花びらは雨に流され河口へと
砂場には散り花盛られし豆器
花びらに はしゃぐ声なき廃校の庭
水仙の似合ふ家族に招かるる
夕影に音無くこぼれ花辛夷
蒲公英やサーカス団の来てゐたる
駅前の鳥獣保護区風薫る
青空に溶けて仕舞いし雲雀かな
渡し舟落花の水に待ちゐたる
....
電燈を消して驚く牡丹雪
いま一度振りて風鈴仕舞ひけり
妻瘠せて 秋天高し 犬笑う
堰消えし 歩道歩めり さびしいな
叔父叔母の 味噌田楽の 馳走かな
上州に わが猫町を 歩みし日
大楓 年輪赤く 濡れており
八十の叔母 神様のごと 微笑めり ....
老母逝く雀あざみの実をはめり
曼珠沙華寂しき人のよりどころ
何もせぬまま日暮れて虫時雨
夕立のしずく残らず葉に抱き
涼風や鼻歌漏れる野天風呂
ビルの間を野分忙しく過ぎにけり
椎間板牽かれし ....
打ち寄するものみな死せり海灼くる
草いきれ何もかも恥づかしきとき
雲の影渡りてゆけど砂灼くる
はさまれしメモの謎めく書を曝す
切るものと刺すもので食ふ夏料理
*
....
ワカレトハ ミドリハニツタウ アメノヒトスジ
葉桜や仰ぎつ過ぐる乳母車
五月闇点滴瓶のほの明かし
病室にも黄金週間野球帽
初燕天衣無縫という語あり
しまい湯や黴の香ほのか我が家かな
黴の宿鴉多きを訝しむ
通学路黄傘を連ねたどたどし
....
139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160
【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
3.26sec.