{ルビ現世=うつしよ}の 枝垂桜に 月陰る
減寝具 原-sin-供して 幻視する。
1)
ねじりんぼの花が咲いてる
あれはねじれていてこそ正常なので
まっすぐに伸ばそうとすれば折れてしまう
<惑ひつつ天を目指せしねぢりんぼ>
2)
梅雨どき ....
慢月や 肢と死と飴の 紅狂い。
吸い交わし煙草の縁の紅い痕
{ルビ梳=くしけず}る手折りし秒針束にして
白日に独り吹かすや冬の薔薇
蒼き実を砕く刹那の散る花火
糸を吐く蚕の背には走馬灯
屁の臭い誰だ誰だ ....
鏡に向かって・・・
気にするな、あんたはそんな、大物か?。
空おちる。はれも、ときどき。そら落ちる。
知りもせず、癒すと云うな、バカタレが。
里山は
鴬鳴きて
悦に入る
静けさや
鴬の声
沁み渡る
もうそんな、けんかをするな、きみたちよ。
のんのんと、生きて続けて、この歳よ。
木の芽吹く 枝の指さし 春の雲
ほんわかと 猫柳さえ 春の色
枯れ草に 溺れ顔出す すみれかな
凍えた手 温かい手を にぎりしめ
君よ 息のかかるほど もっと近くに
湯気絶えて 底見えて 尚 君見つめ
香水の 名残を抱いて 帰途の風
限られた時間と空間を超えて…
{ルビ何故=なにゆえ}に 枝をふるわせ 山笑ふ
不覚暁読むべき本の十四、五冊
冴え返り 愛用毛布 手放せず
春光や「カレーの市民」の尻の張り
春光や決死の像に漲りぬ
彫像の裳裾の奥へ春光る
春光の中や塑像の蹲る
緩みなく「考へる人」春早し
春立ちぬ考へること生きること
地 ....
暖冬と 言われど朝は 未だ寒し
帰り際 地下鉄内で コート脱ぐ
夕方は {注チャリ=自転車}をこぐたび 汗が出る
夏を見て次の春まで筆を置く
濁流も流れと数え現代詩
創られぬ夜を草木の夜と知り
恋文も届かぬ国の地図を見る
山を見下ろす黒き鳥影
譲れるか 君の想いを この僕に
ひとときの 四温に溺れ 凍る土
別れては 三寒四温 {ルビ刻=とき}止まる
雪崩 老樹 飲みこみ 夜となる
日々凍る おのが命や 鉈一つ
右の手に 乗るはずの独楽 くうへ逸れ
炎をば 凍らすと言う 痴れ者は
指の跡 みじかい文の うらおもて
いまさらの 恋が見えない あぶり出し
ときどきが どきどきするほど わるい恋
眠たいと 起きて見る外 雪景色
闇夜とて 月の明かりに 照らされし
このような 寒き日々とて 花は咲く
これやこの 見るに美し {ルビ雪月花=せつげつか}
寒い空 空も思わず 白い息
{ルビ冬青=そよご}揺れ 葉に空うつして 紅一点
大阪に 久方ぶりの {ルビ寒雨=かんう}あり
濡れる人 濡れざる人を 羨望す
我濡れる 水も滴る 風邪も引く
バレンタイン 一部の人には 祭日か
バレンタイン 普通の人は {ルビ動悸=どうき}あり
バレンタイン 我には一切 関知せず
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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