曼珠沙華
夏の夜空の
落とし物
なき母に 「帰りが遅い」と こぼす父
Uwooo Riyaaaa aaaaa!
Cono Yaroooo ooooo!
Nanbo Nomonja aaaaa!
Kisama Raaaa aaaaa!
....
エリンギの味知らぬ亡父(ちち)秋彼岸
享年へ一桁を切る秋彼岸
秋彼岸帰りの車窓は暗きもの
眉上げて「秋彼岸」なる私語を捨つ
夢がある
その夢追いに
行ってきます。
カルピス:
本を読み本を読み怒る窓辺の真夏かな
サンボちゃんに
慰められて今
生きる
貧乏な
ぼくなら一生
郵便を配る
ただのちんちんに
なれればなりたかった春
あかい陽が 染めたふりして 告げる恋
秋の空 深呼吸にも 味がある
夏休み ひとつきまえが 懐かしい
猫の毛がぼくを
春へと連れ戻す
二股だ三股だ
なんて自慢げに
挨拶
はいくろうさごろうくさんぎの残暑かな
誰か僕を助からないなら殺してくれ
さしのべる 手の温もりは 何万円?
笑い合う この瞬間は 何万円?
未来への 夢の叫びは 何万円?
この宇宙 この空間は 何万円?
はしりがき 貸したノートに 君がいる
おい幽霊おしえてくれよ裏表
最終日 あなたが好きと ひといきに
稲妻に優れと劣れど愛してる
涼風の あしくびさわる 夏逢瀬
火に油注いで夏のダイエット
海の恋 刹那 消えたる昼花火
空と君 と覚えたる我{ルビ窘=たしな}める
屋上で背伸びしたればあしちくり
あおいそら そら、そら みんな 駆けてゆけ
錯覚でもいいから一生最後の花火
今日は たとえ話できない 真夜中
哀しみを 忘れていた夜の ひとりごと
今日も どこにもいない 夏の朝
ふつうのかおをしている かなしみです
あれは8月だったか 黒猫の死んだ日 ....
溺死者は死にたかったの 思想の瀞
歯の痛みわがものとせず皿を噛む
ねむれないひるまを足掻きようもなく
切ればゴミ髪も小指も恋人も
狙われた記憶もなくて行方不明
....
母と云ふ字は嫌ひ苺も嫌ひ
忘れな君いまここにあるこの菫
オランダの苺囓れば昼間の月
たそがれに水星の見え{ルビ土筆=つくし}生え
春枕翼を持たぬ鳥が飛ぶ ....
騙されたくて朧月夜を散歩する
踏まれて香る芽紫蘇の死
液体化するわたし 麗らかで
春眠の教室窓から光こぼれる
米が汗をかいている
汗のようにおちる言葉
....
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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