女子高生
二人乗りして
ふらふらと
大風が秋の雫を散らすかな
秋の蚊を容赦なく打つ重さかな
墓地の鴉
何喰らうのか
モノトーン
パリス、巴里
今朝を生まれて
ゆでたまご
目のなかにちいさな音の遊ぶ夜
通りすぎまた通りすぎ唱は降る
手をかすめ消える笑みたち金のいろ
生と死を斜めに飾る毒の花
天と地の ....
木を叩く。
眠れぬ夜のつれづれに。
ノクターン。
扉の向こうにねむは無し。
目を閉じて、
レムに抱かれてきみを見る。
ひとひらの、
もみじにつ ....
葡萄つまみ雨をながむる女かな
{ルビ大西日=おおにしび}傾く頃や人と逢う
秋の目玉は赤目玉。
泣いてるの?。
落葉や、
ころりとおつる目玉かな。
転がる目玉。
追いかけてもみじ狩り。
もみじのお手々、
むすん ....
一つ二つ三つヒガンバナ咲き出した
一輪の一つ二つ三つだけ咲いている
ヒガンバナ一輪に足りぬ彼岸花
青白い茎まっすぐなヒガンバナ
指を開くように此岸を数えてる
爪の先を割って真っ赤な花 ....
そうめんを茹でる音聞く{ルビ夕立=ゆだち}あと
辞世の句
ば
あ
さ
願 ん
う や
は
来
世
つ も
....
手を離す 夏の始めの 陰りの日
見えぬもの 示し流れる グラス露
偽りも 悪も素肌で 夏の恋
刻まれた 風吹き起こす 女神像
熱に伏し 一鈴虫の 鳴く夜かな ....
ひまわりの茎太けれど傾けり
働けど
「けど」「でも」ほどの
夢もなく
ジャズ時雨
マウント・フジにも
日の染みて
あの人もこの人も濡れ{ルビ夕立=ゆだち}かな
街の灯の点り初めたる夏の果て
はたらけど
はたらけどと言う
ほど働いてないし
紫蘇濡らし髪を濡らして女かな
高きから見下ろす夏の水田かな
山の雨木槿の花の霞むほど
夏逢瀬遠き漁り火指さして
大楠の根に寝そびけり青嵐
雀らの畑を駆くる暑さかな
朝靄の中に母乳の香稲の花
稲の香の匂う畦道めぐりけり
仕種まで亡母に似てきし踊りの手
夏山や心中魚泳ぎけり
月光に貫かれたる冬の恋
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