蝉時雨耳をふさぎて見合いけり
人ひとりとどめてありぬ夏の山
{引用=茶事}
チューリップどくたあすとつぷさへぎられ
永遠に蝉の抜け殻さがす午後
誕生日なずなに今日をうばはれて
一大事つばきの花びらひとは落つ
....
暑き日を背に静寂の真鯉かな
門脇の菊の日向や中尊寺
日陰から日向へ出たる夏の猫
かどかどの
アボカドひとつ
テキーラ二杯
夕立や子猫の腐る竹林
重き夜や夏に狂うて血のちぎり
うたも絵も美しくあれ夏の闇
病んでなほざくろの花は輝けり
筆先に落つる泪や花ざくろ
しづけさやプールに沈む我がいのち
....
のど飴をのどに詰まらせ咽る日々
忘れ物取りに行ったら忘れ物
潮引きて冷や水もなく汗もなく
足袋ほつれ動かぬ故に終る日々
柳風枝垂れるみどりみどりかな
飲み食いもやがては飽 ....
石橋を叩いて叩いて結局渡らない
むせかえる 肌の匂いで 妄想す
うなぎより 冷麺よりも かきごおり(苺)
いい年の 君のうなじに あせもでき
束の間の 癒しの時間 雨宿り
花細工 萎びてもなお 花細工
....
短夜や障子に当たる虫の音
五月雨に降り籠めらるる小鴨かな
雨音も消ゆるやうなり花菖蒲
あぢさゐの花の重さや長き雨
梅雨の野を濡れて行きたし泣きながら
我は泣く汝は血を吐け ....
雨音に 重ねて微睡む 昼下がり
うっすらと 残るあなたの 断片図
目のかたち光ではない光かな
澄むことを望めば遠い光かな
澱み澄み澱み澄むこそ光かな
白ひとつ午後に置き去る光かな
めざめては ....
俳句
梅雨空と 店の売り上げ 金秤
初夏の日に 立ちて本読む {ルビ紙魚=しみ}多し
暑き夜 バイクの声と 月望む
哀しみを 拭うようにして 雨が降る
石楠花や やさしい 雨と こだわりと
食堂の 横に プールが ぽつんと あり
制服の 吾を 包める 熱い 御茶
通学路 隣家 ....
げこげこげこ
かえる時間の畦道で
朝が来て目覚めはじめる痛みかな
自分より愚かなものを知らぬ朝
頭から頭をどけて朝を見る
我が願い次の朝陽は含まれず
誰も来ぬ分か ....
そよ風が
暑さを飛ばす
夏の昼
Go!
Hitch!
Go!
名古屋で降りて
ラブホテル
桜咲き 憧れの君に 好きだよと
シズケサヤ みどりの かぜと たわむれて
毒くわば 皿諸ともに 月桂樹
言霊と 戯れるままに 日がすぎて 。
そのことを しのびながらも日が 過ぐる 。
負けちゃ だめ と ....
梅雨空に
本日心は
豪雨なり
走っても走っても正確な時間
愛想笑いが止まらない
何に対してかわからずレ点を入れている
飲み屋で残業
コンビニの弁当おいしい でも返事がない
mixiで待ち合わせ
....
門のタラ三皿目を思いだす。
夏場所の汗の飛び散る響きかな
大銀杏結ぶその時暑き意志
勝ち名乗り受ける力士の安らぎや
敗北の力士の重き背中かな
呼び出しの声の響くなり夏の夕
睨み合う土俵の上の火花かな ....
目を閉じた赤子の笑みに触れる花
ひとひらをくちうつしする涙かな
赤子の手何を語るや散る桜
とどまらぬ光の糸をたぐる花
名づけても名づけきれぬ日花 ....
眩む手にあふるる翳り冬と春
けだものよ応えぬ瞳応える背
降り止まぬ目に見えぬ雨降りやまぬ
花と骨つながるいのち星ひとつ
....
春 雨 を
君 の 泪 と
勘 違 い
128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158
【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
0.62sec.