かなしみもここに終わるなり七月の朝
生ビール 泡もどかしく ひとくちめ
月隠れからかう如く蛙鳴く
遠く鳴く蛙の声と麦酒の夜
妻の手が肩を叩きて夏の夜
終日を妻と働きあせを拭く
いとしくて
あいたくなるのは
がまんして
いとしくて
会えてた日々を
忘れそう
雪の日見るのは夏のこと
陽射しに透けたあなたの顔だけ
愛しちゃったのよん ....
暑さにも耐えて文月のペン習字
水撒きて二人腰掛け書を読めり
緑葉の風に揺れいてつよき陽よ
風鈴のカタカタ鳴りて見回せり
汗ばみて紅葉のもとに坐り居り
真昼なり俳句を六っ ....
静かにも笑い声散る花火かな
妻目覚め今朝は咲かずと朝顔が
ゆう暮れのふたりで麦酒の快楽
夜は更けて蟠りなきすずしき日
ビアガーデン
行けば必ず
雨が降る
赤銅の
肌物語る
紫外線
神は在すと知りし日に朝顔が
白い朝顔咲き出でて妻うれし
妻ととも神のみちにと7月の
四季あふれ
日本の里は
輝いて
梅雨入りや紅葉の木陰秋海堂
二人してボランテァーや沙羅双樹
庭べにはさまざまな六月の花
舌先の恋の匂ひや夏の夢
病み猫の腫れたる乳の暑さかな
天翔ける十九の夢やみなみかぜ
紅薔薇は何億年の恨みかな
なつの恋はかなしき純白
夕立や街は恋なき人ばかり
....
水面球転糸髪竿しなり
花売り場蝶々が来て妻笑う
夕暮れて初夏の花揺れ連れ立ちて
雨の日の初夏の坂本うすらさむ
満月や空咳しつつ過ぎにけり
像なれば臓まで射さぬつきのかげ
「叫び」よりなにも聴こえず冬日向
卯の花の咲く花折れの峠道
皐月末心の中の昔かな
静かなりカラコロと妻の風鈴
妻昼寝毛布かけてやりけり
妻のショール予約皐月の金
スーパー歩く春日金はなし
子の心親知らずして竹の秋
オレンジの腹を見せ飛ぶつばくらめ
どこの子のために舞うやらこいのぼり
木漏れ日の零るる如く竹の秋
しめやかに夏に入るなり大往生
涼しさやまぶたを閉ぢる指の先
通夜に
棺の前のビール二本の宴かな
母の日や悲しき花にうづもれて
なき人をひき立てて咲け初夏の花
....
朝露と見紛うばかり山の藤
赤い傘広げ日を待つハナミズキ
さびしやと俯いて咲く八重桜
かげろふやガソリン一滴惜しむ日々
花散るや小猫は野辺に腐りつつ
病む祖母のひとみ濁れり藤の花
わが胸は花花花とうづきけり
秘めごとは肉の匂ひや落椿
佳き人のお尻は白し夢の ....
風よ吹け 新たな日々よ 旗仰げ
誰もいぬ 春風青く 日は昇り
鳥は鳴き 又春も泣き 湖に
春の雨花開かせるボタン押す
薫風に背中押されて季節リレー
葉桜に吹き付ける風緑色
うぐひすやゴミ捨てる人拾ふ人
やはらかき子猫の腹や春の風
菜の花やまにまに猫はキスをして
会ふたびに会ふたびに胸はあたたかし
片恋や今宵の花は一分咲き
春眠や夢も ....
茎立の切り刻まれて土の上
チベットでは装甲車がデモ隊に突っ込んだという。なにをやっているんだ!
僕はというと珈琲カップを片手に山崎ハコの『BEETLE』という曲を聴きながら、気分転換に ....
淋しさやスズカケノキの鈴の空
野辺の日に子猫のあくびうつるなり
のどかやな運転しつつ一句二句
捕まってたまるものかは犬の春
雪どけや恋しげに飛ぶ尉びたき
爺婆が黙して歩む余寒かな
春の夜に思ふ人あり物の音
三月 ....
歩むうち瞼閉じたる冬日かな
片栗の花は無理やり天を向く
春が来てこの身この心踊りだす
手を振りて明日は咲くかな梅の花
ひと筋の唾液色なし雛祭り
包丁のカカカカカッと雛料理
春眠のどこかが海で潮香る
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