七夕に 曇り空みて もの悲し
七夕や しあわせ願う 天の川
七夕や 願いに満ちて 心澄む
七夕や 願いに満ちた 空あおぐ
七夕や 祈りに満ちて 厳かに
七夕に 心に満ちる 願いかな
七夕や ....
しづかさや濁酒澄みて沁み渡り
{引用= ※濁酒(どぶろく)}
初出『俳句あるふぁ増刊号』二〇〇八年十二月
ナメクジや 曇りガラスに 隙間でき
ナメクジや 曇りガラスを まっぷたつ
ピカピカと 雫の光る 浮き葉かな
ゆっくりと 深みを増すや 稲の青
青空に 深みを増すや 稲の色
しっとりと ....
ガラス玉 覗いてみたら 梅雨晴れ間
ガラス玉 覗いてみたら 別世界
ガラス玉 キラキラひかる 夏の朝
ガラス玉 キラキラひかる 蓮の上
ガラス玉 キラキラひかる 天の川
ブクブク ....
汗にじみ 背中の海に 風渡る
汗にじみ 風の涼しさ からだ満つ
汗にじみ 吹きゆく風に 夏の涼
ひとしずく 汗の流れに ひんやりと
ひとしずく 汗の流れに 我かえる
汗しずく 葉に垂れ ....
汗ばみて 涼しき風に 草の香
草刈りや 生命の痛み 青き香
刈られ果て 草の痛みや 青き香
青き香 包まれつつも 草悼む
草の香(か)や さっぱり切られ 嘆き声
月の夜に ....
アマガエル へさきに立ちて 空仰ぐ
アマガエル ひとり空みて 鳴いている
アマガエル 楽器となりて 空響く
アマガエル おなか膨らせ 楽しそう
アマガエル 水の鏡に 我映す
アマガエル ....
悲しみもここに窮まるおらが冬
なめらかに暮れてゆくなりおらが冬
悲しみをえいっと投げておらが冬
台風や ニワトリ小屋も 飛びにけり
台風や 我が身に熱気 乗り移り
台風や グンルグンルと 空を行く
台風や 宇宙(そら)から見れば 目玉焼き
怖いと瞑る眠る夢それは瞼をつぬぐ瞼の己
吹き渡る 初夏のかおりよ 青き空
風運ぶ 初夏のかおりよ 果てしなく
空いっぱい 初夏のかおりの 満ち満ちて
空駆けて 生命を運ぶ 初夏の風
すがすがし 初夏の風に 包まれて
....
青嵐 呼ぶがごとしや 朗読夜
見えねども 会場つつむ 桜花
青き花 目に爽やかに 夏を呼ぶ
昼食えば仕事が終わったかのようで
コオロギの 声につつまれ いい湯だな
コオロギの 声につつまれ ポッカポカ
コオロギの 声につつまれ 夢心地
草の原 生命かがやく 虫の声
虫の声 生命みちゆく 草の原
秋雲も 晴 ....
初冬や子猫も蓑が欲しからう
子猫らを懐にして影寒し
ひざに乗る子猫二匹のくさめかな
子猫らの声はすれども枯むぐら
ひとり寝も夢はふたりぞ冬ぬくし
衰へや詩 ....
外側は 加工された 仲間達
髪よまた上れまたくる事あ知っている
ここの世界この世界この世界
満月の傍にあるべき人あらず
春の雷母の遺せし管四本
風光れ母は遺せし金の尿
初つばめ月命日の軒かすめ
旅やつれ運ぶ疾さや初燕
枇杷実る月命日も二度目かな
ほととぎす{ルビ亡母=はは}も天辺駆けをるか
五月雨や普及於一 ....
はいつくだつて いきるというのと 視線を落とす
コスモスの紅差す秋の枯野かな
枯れたまま立ち尽くす葦の長い影
肌朽ちて懐かしいねと笑ってる
思い出すふと水辺で待つ君を見た
枯葉焼く煙がまっすぐ立っている
夕空の月白くって本閉じる
いしきさえあおくそまればこけのなか
「がんばれ」と ススキが手をふる 秋マラソン
落ち葉めくり ダンゴムシさがす もみじの手
しゃぼんだまに 秋かぜのながれ 教えられ
どこからか シチューが香り いちばんぼし
人のない 砂場の山に 落つ銀杏
眠らせて 秋の妖精 どんぐりポッケ
長い夜に 蒼い香りが 目を覚ます
月明かり 照らしておくれ 腹の底
決まるまで 時間の経過苦痛なり
いくらかな 財布の中身うそさむく
女の目 輝き増して宝石に
幸せの 対価を計る指輪かな
ひとこいし と鏡月を仰ぐ
さかさまに作業療法士の寝息
繊毛が(気づかなかった)揺れている
剥かれつつなぞられてゆく葉脈比
半熟のすきまはここにある。アハハ!
歩いても減らない もはや雪の毒
その場所で愛した人を抱いていた
抱いてくれ!赤ちゃんパンダが俺を見る
ガン見されガン見仕返しオヤジ狩り
六本木朝までアンパン齧ってた
テーブルの下でマス掻く保健室
保健室 ....
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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