春の雷母の遺せし管四本
風光れ母は遺せし金の尿
初つばめ月命日の軒かすめ
旅やつれ運ぶ疾さや初燕
枇杷実る月命日も二度目かな
ほととぎす{ルビ亡母=はは}も天辺駆けをるか
五月雨や普及於一 ....
はいつくだつて いきるというのと 視線を落とす
コスモスの紅差す秋の枯野かな
枯れたまま立ち尽くす葦の長い影
肌朽ちて懐かしいねと笑ってる
思い出すふと水辺で待つ君を見た
枯葉焼く煙がまっすぐ立っている
夕空の月白くって本閉じる
いしきさえあおくそまればこけのなか
「がんばれ」と ススキが手をふる 秋マラソン
落ち葉めくり ダンゴムシさがす もみじの手
しゃぼんだまに 秋かぜのながれ 教えられ
どこからか シチューが香り いちばんぼし
人のない 砂場の山に 落つ銀杏
眠らせて 秋の妖精 どんぐりポッケ
長い夜に 蒼い香りが 目を覚ます
月明かり 照らしておくれ 腹の底
決まるまで 時間の経過苦痛なり
いくらかな 財布の中身うそさむく
女の目 輝き増して宝石に
幸せの 対価を計る指輪かな
ひとこいし と鏡月を仰ぐ
さかさまに作業療法士の寝息
繊毛が(気づかなかった)揺れている
剥かれつつなぞられてゆく葉脈比
半熟のすきまはここにある。アハハ!
歩いても減らない もはや雪の毒
その場所で愛した人を抱いていた
抱いてくれ!赤ちゃんパンダが俺を見る
ガン見されガン見仕返しオヤジ狩り
六本木朝までアンパン齧ってた
テーブルの下でマス掻く保健室
保健室 ....
携帯の着信音が言っている君に逢いたいできればすぐに
デニーズでおっさん二人ココア飲む
今夜だけ輪切りにされた檸檬のように
君のいう何でもないよは嘘ばっか
ぴった ....
バス停まりエンジン止まり無言かな 季なし
1 岐阜
(斎藤道三、織田信長ゆかりの岐阜城を訪れて)
難攻の城四度落ちなお聳え
信長の天下布武へと岐阜起こり
絶景の天守に治む濃尾かな
2 大垣 ....
(文豪・島崎藤村、小諸・懐古園に因んで)
藤村の懐古きらめき千曲川
懐古まで幾山川馬籠より
遊子あり草笛悲しき懐古園
雨あがり風の履歴の騒がしさ
煙ゆく光を原に削る冬
ふたつ膝ふたつの光だきよせる
見えぬ背の見えぬ行方を描く鳥
器からしずく持ち去 ....
背伸びした 装飾だけの 言葉達
チェス盤をたっぷり呑んだクジラの死
涼やかに 孤独な消火器の揺らぎ
百合を手に走る土曜日そのすべて
遊郭が透過してゆく左心室
脱獄囚 ピーチ・メルバを待ちながら
きらきらと揺らぐ山河や鳩の笛
盆踊りでは声だけが人のもの
馬鹿野郎と鼻をくくられ鳳作忌
小鳥来るわたしのかけら啄みに
雨少し。青無花果に金の粒
雲間より日の射す蝉の翅一枚
仲秋や母と二人の田舎道
仲秋や外には外の掟(おきて)あり
満月の暈(かさ)は厠(かはや)より眺む
レジ待ちと外で母待つ今日の月
伴走の母のペースや望(もち) ....
泣きそうなsex 君とパプリカと
シャツを着て隕石だった砂時計
軽い波 教授の舌の数え方
すねの痣バニラアイスをのせてみる
アナコンダ捌く淋しさ遊歩道
夏満ちてグラニュー ....
秋の{ルビ夜=よ}の 月のライトの 帰り道
秋の気配
夏の木陰は
やや寒し
木漏れ日や 蝶もたゆたふ 契りの庵
INTERNET TELLS ME
YOU COULD HAVE A JOB
TEPO IS A CAT I HAD
VERY CUTE GUY
I LOVED HIM SO ....
太古の森から
響いてくるよ
蝉の声
ふとしたことから
すきになった
イニシャアルt
あなたのことがとてもなんだか気になって
紅茶を飲んでも
忘れていた
サイダーの味
....
めくら猫のまなこに残る暑さかな
病み猫やうつらうつらと露の夢
月あらば三人なるべし手酌酒
空に書く恋文かなし秋ごころ
秋風や祖母の時計はまだ動く
{ルビ白布上=ハクフジョウ}
殺せぬ{ルビ心臓=ココロ}
姫君の
街灯の
数の分だけ
昼が寄る
109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149
【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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