神ヨベばカミ疾風の如くフク
カゼ吹いて心針先に集中す
ボウシから触覚の飛び出てナツ至る
*
ささくれ立った夏の雨
君と遠くまで歩く
**
皿いっぱいに生ハムを盛り
ビール飲む
***
アルルカンでケーキセットで3時間
空がねえ
青くて蒼く
涙出る
夏の虫 部屋のあちこち むれでいる
キギの端緑にモエ出てソラ焦がす
神呼んで風ナギ倒すキギの幹
ゆらゆらと大空胚のイキをして
レイ降りるケイ光よりもより白く
我の住む余イン鮮やか5・7・5
甘い飴なめて腹のふくれるか
投句して波紋広がれ蓮池 濁
つぶやきは呪の声挙げる5・7・5
虚ろにてやって来るべき言葉待つ
イジメが心突き破る
感電し
若さの涙
ほとばしる
くちびるに
血のにじむぶん
発熱す
木星を
過ぎて厚着の
銀河行
若さとは
過剰なる事
栗の花
韻文は日本語の魔なり骨に染む
海風の松を鳴らして午後眠る
地獄界美ありと思う慰めに
炭酸を
「うまい!」と感じて
夏が来た!
神の意志雨の降り止み意味に意味
雲流れ天上の者らと会話する
見晴らして煙る都市には乾いた知
印度亜の土にうっ伏す雨匂う
陽の射すも鈍い一日冷茶飲む
風止まり木々の声聞こえて葉の振るえる
午後の家寝息もれ聞く開けたドア
オレノ火ハ 燃エテルカ マダ! 心臓ト星!
天使と菩薩の上澄みを飲む
「ユリシーズ」文芸室で白光下す
まず横に臥禅の奥儀まず横に
テキストに己遊ばせ長い夏
雨垂れが葉擦れの音を誘い出す
見渡せる地点に真紅の旗を立つ
虚ろなるグラスに水を注ぐ時
洗面の鏡に映る己己己
蛍光下夜の手鏡 夢一瞬
陽の満ち満ちて虚のグラスに注ぎ込まれ
陽光の踊り始めて風の曲
緑陰や葉裏の透ける木にもたれ
夜の底に深い瞑想 神の居場所
白い衣をなぞれば神に触れて
周回軌道から地球なる砂漠の星みつめ
慰めに聖書手に取るまた良し
白く淡く第一の月 今東
20XX無重量 星らに手の届く
火星赤 天空の黒に血の滴り
雨粒がまだ見ぬ街の葉を濡らす
転生欲し現れたムカデ我殺す
濡れた木が発火するほど祈祷する
なべて蜂花に恋すれど恐ろしき
神の手か口語自由詩の悲惨なり
ヒラヒラと蝶空に吊られ止め処なし
大気止み鳥矢のように木かすめて
寝息して地球は自転風もなく
雨の地に木の葉の雫重くあり
雷落ちて大樹の幹に露下る
天気変え巨樹育てる侏儒なれば
木の実採り大樹の陰に雷避けて
{引用=侏儒(しゅじゅ)=こびと}
羨望の山口誓子山青く
狐火の妖艶に燃ゆる少女に会う
日本語の柔らかな響きに眠る
南方より北上する血焼けた肌
アカイキミト アカイオレガイタ アルユウグレ
ぽかぽかのはだかんぼうが笑ってる
泣きやんで群青の街風つめたし
夕焼けの影に手をふり明日も晴れ
返り血を浴びたるごとく陽に染まり
永遠の息のつづくうたそのものの波
さみだれや夢の砂漠へさそおうか?
初蝶も凍蝶もなく蝶あふれ
加速器で言葉ぶつけた夕間暮
しめやかに夜に雨降るこの不思議
梅雨空の鳥らの飛翔の影{ルビ玄=くろ}き
列島ドーム全天候だ遊べ遊べ
火の蛇が湿った幹に点火する
五月雨や透明な死者ばかり過ぎ
夕立や此の世のはずれに独りをり
雨上がりぼくらの好きな空の波
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