残暑に解けているヒモ結ぶ
こことそこ無名の余白に虹が架かる
日没が誘う秋の夜の暮れるを待つ
孔雀さまよえる詩人に園開く
命の華らに梵天の配慮は水やり
....
月面のダビデの像に薔薇の花
月の石 持ち帰りて地球重くなる
惑星探査にボサノバ携えて行く
影長く夕暮れても一人の街
書物に忠誠尽くせば背が伸びる
孤高なる生はち切れて射す秋陽
単独行もの言わぬ行なり詩文よ
言葉の海に網打って意味を捕る
金色 ....
明るい都市の夜空に雲の轟音
バラバラと飛行灯の明滅
ウォーキング昏き夢など見続ける
鶏の眼がじっと視透す我が来世
街路樹に秋日さんさん都市眠い
或る夕暮れ
ちじれいる青草の上眠りたし
もとれる世疎とみては白き月
くもり空風吹きわたり談笑す
陽は沈み夕顔咲きてつまと友
亀割れて路に転がる晩夏かな
{引用=
病床この身染み付かす前に
背中の真ん中が痒い
死ぬる意思の粘土捏ねる爪は伸び
軋んだのは階段か
並ぶ麦畑どうすればその色になる
夜 ....
秋の日に魚遡行して運河あり
鉄筋の錆びて曲がれる捨てた街
雑草が茂る空き地に蝶遊ぶ
高き塔 自由の名を聞く都市煙る
上腕骨 燃えて滴る髄の文字
海の深度が落す魚影
時刻む魚群深まる海の意味
明るさに愛と慈悲のみ栄えてる
音楽が満ちて今 ....
この雪色の氷に散りある
風の側イソギンチャクとたわむ潮
緑なるサッカーコートRGB
死んだらああ空命ある
木の葉落ち風語るを聞き
光のために木の葉みな手を広げ
幹 黒々と明日を夢見ている
憑依を着ることもある悪魔よ
進化して天使になれよ人どもよ
退化して臭い嗅ぐ毛物悪魔ども
三日月や少し曲がれる猫の首
朝顔や猫の寝様はぐんにゃりと
秋風やつまらなさうな猫の面
出刃入りて観念したか大西瓜
しづかさや黄菊白菊祖母の骨
夕暮れやヤンマにゆづる散歩道
....
花守る刺す飛ぶ火なる蜂であり
左腕 巻かれたる記章 包帯なり
魂の裸体しずかに座りおり
在って在る葡萄の房が黒々と重い
楽土の建設 妙法に永遠の命
勤行や焼香を秋に添える
神のため臍から咲かす蓮の華
風鈴の音が伝え得る寂光土
ビルの谷と寂 ....
秋風が浸みて骨が涼しくなる
大気の上澄みを透明に飲む
空気の秋を飲む毛細血管が開く
蟻が秋の日に急いでいる
木陰との透明な距離を測る
蝶は影を地に落とし明度を増す
漸近線 描くたび神に近づけり
風船を手放すたび青空は青く
色狐 寝間に ....
夏 その影を集めて 静かに
秋の陽射し 夏 思い出のみ巡る
夏が死に絶える 秋の雲が見える
幽霊は短い昼の闇に立つ
光にも灯にも痛みの降りそそぐ
紙ひとつ千切る間にもう字を忘れ
とどろきが光を越えて芽を撫でる
破壊しにでも破壊と ....
晩夏 影いとおしく繋ぐ
花という花は見ていない夏深く
飽くことなく日射 街に集めて
蝉 波のように満ちて冠水
炎天のアスファルトに霜など降らし
空蝉となりて謳い染める
胸中に正八面体 回転している
心器に列島も入る あれが岬
空のもっと高みへと落ちてタバコ吸う
冷コーヒー旨し晩夏の街
神道の皮剥ぎ取ってもウツロ教義ナシ
体裁の偉そうなダケ袈裟・束帯
蝉時雨たまねぎ小屋のポーンてなって
佐賀 白石弁
野性らに歌謳わすほどに強くある
コロニーの都市満ち足りて自然なり
乱れたる人心が発す天変地妖
白犀の角追い歩く茎の母
立ち上がる鮪の影に風うつ向く
石の根につまづく足の爪余る
戸を開けぬ白犀派の人夫婦地獄
踏むと割れるライダーで焼くイカと塩
青うさぎマンホールの中 ....
くらけれど東の小屋は日をうけて
凧に乗る夢見し夜は雪の降り
晩夏のそっと過ぎゆく音が聞こえ
夜に信仰の大胸筋盛り上がり
蝉しぐれ木陰に落とす涼の数
南中の影短くて法師蝉
空近くなる横断歩道を渡るたび
解放す切ってあげよう小我の指
MUランド蝉鳴く声に浮上せよ
一日 手を動かして汗かいて
発汗の快楽忘れまじ太陽の友
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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