病室に別れを告げて万年青の実
万年青の実胴上げをしてビールかけ
後の月夜行バス待つ男女かな
耳遠くなりたる犬や後の月
好きな人 見ているだけで いい匂い
病んだ手が襖を開ける後の月
後の月祖父の形見のネックレス
不知火の下に嫁入り前の龍
不知火の出て断崖に風の吹く
不知火や水平線へ鉄の船
みんな死にみんな桜となりにけり
不知火やアトランティスの子守唄
原子力空母のデッキ小鳥来る
恋文を代筆する手小鳥来る
虫売りは表の顔でヒットマン
紫の雨降る夜の冬薔薇
消火用バケツの帽子雪だるま
忘年会わざと忘れたピルとゴム
我が墓に塒巻く双頭の蛇
亡き孫の泣く声混じる蝉時雨
目覚めれば肥溜めの中夏祭り
寝てる子の口から油虫2匹
殺す朝殺される朝油照
もうひとつほら話いいですか
出さない手紙に本気のわたくし
責任をもってぶらぶらしている
起きたらますます看板になっていた
薬剤師が白じゃなくなる
虎の感触は博士に似てい ....
昼が胸ポケットから出てこない
目かくししてよろこんでいるところ
はりきりすぎて大きすぎる犬小屋
割りきれない計算に夢中
うじゃらうじゃら家族かけ出すよ砂丘
感動の最中に趣 ....
寂しさは いつも有るから 無さ感じ
秋の蝶母に恋して三千里
君の名はあしたも秋だ茜音空
小石蹴り缶から蹴って荻の声
燃え上がり産毛をこがすオイルのにおい風のZippo
物質の夜を満たすネオンサインの転がる路上で
ルーティーンなぞった指がタールにそまる
いつも通りのカーゴパンツでひそかに運ぶ日々の転 ....
アルバムを荻吹き抜けて箸立つ日
秋気澄む空からの声アコーディオン
並木道落ち葉踏み踏み万年筆
ざくろがてきぱき動き出した
約束できる場所探して自転車
宇宙に花びらが一枚あった
酔っ払って月光に落ちる
暑くてうそもつけなかった
昼と夜がきちんとしている食堂
く ....
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