肉斬られ
花が咲く
火が走り
血潮吹く
さらさらと
河原は静か
変わらぬ風景
鳥がさえずり
南無妙法蓮華経
せめての涙
塩をなめ
酒精をすする
宵闇に
浮かぶ大きな
青蛾かな
墨流れ
さがす褥は
花埋み
空が鳴り
紅いダリア咲く
水茄子の
届く季節は
時めいて
ゴーヤ
噛みつぶすほろ苦さ
スイカ食む
種の多さに
笑い呼ぶ
素麺を
ゆでる汗拭く
食べられぬ
....
会う度に己れを捻る桜かな
葉の下の葉から陽を見る冬双子
斜めには斜めの息吹はたく初夏
冠に冠かさね見える冬
雨が降る自堕落な ....
蕎麦をすすり
息をつく
腹を裂く
いわしのまなこ
可愛らし
....
....
山桜天狗の鼻はキスに邪魔
浴衣姿 わたあめ片手に 花火見る
....
ひまわりが 空一面の 星のよう
誰もみな忘れた杉よ藤の花
紅の花弁を滲ます皐月雨
稲苗の月になりけり祖母の爪
花もない山も追い越し泳ぐ鯉
石垣の闇から延びる赤い薔薇
色水を吸って枯れゆく母の花
月夜かな
宴の後の
八重桜
高い空
花に 宴に
ホーホケキョ
花種蒔く世界を変えるために蒔く
花種を蒔く確率は気にしない
花種を蒔いておかんに怒られる
花種を蒔きたる指や金平糖
乳母車押したる父や水草生う
水草生う駆けっこ終えて唄う子ら
三月の燃える名刺の手品かな
三月の窓際の席求めけり
三月の糸電話から恋の歌
三月の甘いハートが続いてく
姥巫女の水菜切る音犬張子
勝算のない一束の水菜かな
一束の水菜抜け落ちた愛情
水菜噛む何も言わずにそばにいて
見え透いた嘘に黙って水菜噛む
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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