阿蘇五岳迷路の如き高菜畑
知り合いのいないパーティー高菜畑
少しだけ臆病な恋滴れり
何も食べずに香を聞く
緑の山に伽羅映す
白檀というわがハンドルネーム
アジアに満ちるその香り
真夏日に涼しき羅国を聞く
映画観た女の眼球まっぷたつ
蒲公英の綿毛が上昇下降する
水田の田螺の上に彗星が
黄昏を切り抜く揚羽の黒い翅
起きてすぐ口内炎に気付く朝
滴りや濡れたる翼なき背中
滴りの一粒地球削る音
滴りやかつて地蔵でありし石
朝顔や
しおれて告げる
夕餉かな
....
白檀に
衣を焚き染め
今日もゆく
眼を閉じて
鼻をくすぐる
ハムエッグ
トーストと
立ち食い蕎麦を
較べたら
夏空に
食欲失くし
庭をみる
あと二日
頑張 ....
初夏の風くるりくるりとぶんまわし
黄金週間負けた試合のトンボかけ
「ばかやろう」私にゆける海文月
寂光の
夢みて
今宵も沈む
のべられた
布団のつめたさ
心地よい
いまひとつ
琥珀をあおぎ
ねむりつく
やすみつく
しとねの綿が
肩を抱く
眠れない
夜が漂い ....
ゆらゆらと
泳ぐらんちう
鉢の中
土佐金の
エレガンスなのは
尻上がり
鮒に似た
友の和金は
ばかでかい
出目金を
ねらう縁日
まどう指
りゅうきんの
腹 ....
銀色の一匹を求め彷徨う
渓に入りて恐れるわれは
青々し魚のルース
あまりにも透明な魚体をながめる
愛しいと想いながらも食うわれ
瞳が交差する戸惑い
殆どかわらぬ ....
蕎麦を食いたしソバはなし
かき揚げのタマネギ甘い
ざるより旨いもり蕎麦は
更科のしなやかさに癒される
暖簾が誘う蕎麦屋かな
牛飼いが一人佇む天の河
雨の日は別の海月となりにけり
星飛んで乙女に戻りまた踊る
....
広島の
....
モテ非モテ格差広がるソーダ水
踊り子のピアスの沈むソーダ水
鋭い鋼は鉈にはなれぬ
心折れてごまかしの軟膏を塗る夜
赤チンで治るなら骨は折れない
今夜はせめて伽羅を抱く
....
産声といつかの靴と白煙と
赤べこの大中小や暖かし
幕の内弁当旨し暖かし
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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