オチのないエピソード黒猫の秋
立秋や猫の肉球ぷーにぷに
黒猫の背なの曲線今朝の秋
蜩や東京までは恋のなか
蜩の声や形見のハーモニカ
かなかなと告白できぬ帰り道
洗ひ髪束ねて一人待つ始発
きりぎりす機嫌よろしく朝帰り
赤い雨
....
鬼灯鳴らす娘の余韻
朝顔に夢をたくす四万六千日
夏風に明珍の音静か鳴る
すずろなる橋をわたる下駄の音
モロコシ茹でて塩をふる
さらさらときらめく水辺のほとり
夢にみたイーハトーヴの森の音
透明な糸ひく山女魚の青さ
ミズナラを抱きよせ水の音聞く
春楡の巨木にたたずむ君の面影
ちりりんと今宵の風は静かに
百花繚乱沈香の花咲く夜
月宮に渡る桂の橋はそぞろ鳴る
羅国の涙はルビィ色
手のひらに転がる珠玉に酔う
真夜中に彷徨い歩き青蛾に触る
....
いま漆黒の夜空を歩く
チャルメラは永遠に来なくなった 警察への怒り爆発
漆黒の伽羅より沈香いとおかし
白檀の怪しい香りが闇に漂う
名を亡くす六国五味のかおり豊か
強引 ....
絶空の 耳裂く声に 黒とんぼ
見送りの駅のホームや金魚玉
振り切った涙一粒金魚玉
交差するXYZ金魚玉
....
酷暑の昼は蝉も静やかに
涼やかなゴーヤのカーテン
凛々と陽を映す泰山木
あんず飴オヤジが小玉を選ぶ縁日は
縁日におでんの無いさびしさに
ものすごい大きなひまわりなくな ....
越後屋と悪代官や金魚玉
六月のソーラーパネル青い眉
六月の匂いでなおる夫婦仲
荒々し磯の魚を抱くわれ
松籟の涼風に風鈴が鳴く
香に酔い琥珀に酔いてなに叫ぶ
虹色のタナゴ飼たし夢は夏
松葉のような線香花火がはじける
何か言えよだまってちゃわからないだろとささやく緑
六月の雨が止むまで振るタクト
六月のキリンの首や紙の鶴
六月は季語を忘れて君を待つ
鋭い眼力はナイフのように肉を抉り出す
ころころと手のひら転がる紅い珠
その緑が眼を射抜く
太陽を跳ね返すシャンパンゴールド
移ろう迷宮オパールの戸惑い
珠玉を握り今宵眠りつく
いにしえの五味六国は無しと知る
三千世界の香りが満ちる部屋
伽羅沈香は世のひと映す
生霊の香りを聞くゆうべに怖れをいだく
漆黒の伽羅に宿るブラックホール
あまりにも青い夏の日々
夏の昼は鶏塩らーめんを啜る
何とも言えぬ冷やしトマトに塩をふる
みぎみぎと甘い甘いトウモロコシ
真緑のきゅうりに味噌をぬる
あま甘い祖母の茄子 ....
毎週にやっと来る夏休み
かつぶし香る素麺すする
茗荷を刻み今日を忘れる
入道雲に往った姉さまいずこ
帰宅して少女の沈香を聞く
夏の日のタナゴは涼やかに
風鈴がし ....
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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