大好きのその三割をあげるから君の中で成長させて
袖引かれ落つる校舎の三階で血走る瞳が五時を変えた
ポッケからレシート取り出し皺の数数えてラララはいからはくち
(美しき銀のコヨーテからしとどの落ちる涎)
友の本性
泥に埋め埋めつつ ....
手のひらを組んで祈りのかたちなら無人の廃虚に風だけが舞う
街中にひかりあふれてもう星は絵本のなかでまたたくばかり
羽根はもう風にさらわれ剥き出しの骨をひろげるだけの桜木
....
雨なんて冬に降るなら雪にして貴方と濡れた心に沁みる
坂下る{ルビ雨=あま}の{ルビ川=がわ}を見下ろした背中を押す横殴りの雨
パチャパチャン黄色の長靴歌います母恋しい雨が嬉しい
空だ ....
引き出しのなかでちいさな人が読むおおきな人のつくる天体
鱗粉を撒く蝶々を姉が追いその鱗粉を舐める妹
珈琲の苦さも世界のおしまいもかみさまのサディスムだからごめん ....
伸ばす手に
目覚めて気づく
静けさに
冷めた空気は
この手の先に
胎内の命いとおし幸せな君らの目方は51?
手に余るサイズとなった乳房に戸惑いながら自慢する君
母となるその日にそなえ髪を切る君はしっかりたらちねの母
仮面つけ惹かれた恋は外したら冷めてしまうか試してみたい
肩書きや体裁なんていらないよ必要なのは存在すること
部屋の隅メイクボックスに隠された仮面をつける今日は誰用
偽りか本物なのか試 ....
百星霜 未来に生きる人々は
この開拓をいかに想うか
この身体 明日をも知らぬ命ゆえ
わずかな草も惜しむことなく
天よりの白き蝶々が舞い降りて街に野山に泊まるひと時
手のひらに落ちる雪の子刹那なる花開かせて命を燃やす
次々と飛来してくる雪達に地上は遂に沈みゆくなり
大いなる雪の力や村々を閉ざして ....
初めから独りだったら感じない寂しいだとか恋しいだとか
恋なんて爪を切るのと同じなの残しすぎても切り過ぎても駄目
息絶えてセキセイインコは止まり木を滑り落ちたりかそけき音で
遊ぶことお喋りすること謡うこと好きなだけせよ次のいのちで
空の籠を片付けている 傍らに軽ろき羽毛が風に吹かるる
掴まえた手をすり抜けて残るのは切なさ募る涙の滴
咲いたかな 口癖の君待っててよ春が開けば教えてあげる
栄光の日々を時間がさらっていく岸辺に刺さるシャベルは黙る
黄昏の衣を纏い走り去る ....
ハローCQ 誰かいる?
僕だけを残して世界は滅亡します
片隅に隠れていましょう
おせっかいな神が僕らを見つけないよう
{ルビ蒸留酒=ラム}で胃に明々と灯を点す夜
「そんな飲み ....
逝くことの できない きみに なつかれて ねこの ごとくにやさしく なれり
アイだとか アイジャナイトカ わからぬが わたしは 所詮とらんぺっと
自由より 義務 こそあいする ....
正月に土筆のうま煮供されて
解凍されたほろにがい春
南天にトカゲの干物忘れ物
百舌鳥よ、来ないと食べてしまうぞ
約束を違えたことを思い出す
水に疼く小指のあかぎれ
守るべき君主はいない 少年の夏を照らした城下町にも
高い波蹴飛ばし歩く夕暮れにあによめとなるひとは手を振る
好きな娘の前では翼を折り畳む 仲間が傍を通り過ぎてく
受賞式当日なにもない ....
嗚呼雨だ 明日も雨だ 羽犬塚 ああ犬が羽 空からこぼれる朝
浮くあばら 五十四kg 煎り胡麻の 香り嗅ぐとき 何にあくがる
ネクタイは「洒落たポーズ 俺は坊主」 首輪の名残「パチンコにゆ ....
ありもせぬ幸せなんか求めても満たされぬまま死んでゆくだけ
ありもせぬあるべき様があるように振舞う術はありえないから
ありもせぬ心とやらに囚われて花の香りを忘れてしまう
同棲をルームシェアといい一言で正当化する俺 楽になる
曖昧を嫌だと言うな唯単に一緒に居たいそれだけなんだ
おはようとおやすみで終る電話越し「傍に居るみたい」くすっと笑う
ギャンブルは ....
どれくらい寒がりかって?靴下は履いてお風呂に入ってるけど
高校生二年の僕とすれ違う冬の深夜のゆめのさかみち
爪はなぜあるのだろうかマニキュアを薬指だけ塗って出かける
薔薇 ....
この世界自分の為に在るものと信じていたね十代の夏
渋柿を吊るしそろそろ食べ時と変える寒風頬張る君よ
寒村に捨てられし子の働ける新宿西口ビレッジバンガード
美しくも豊かでもなき19のノリオが聴きしアルバート・アイラー
「遠くまで行くんだアイラー!」
拳銃が世界と繋がるカギだったノリオ
....
噴水になった孔雀の面持ちでブルースハープ吹きをり吾は (詠題「水」)
この度は離婚おめでとう!
御祝いに純白マシュマロぶつけ合おうよ (詠題「マシュマロ」)
神様に添い寝してます
....
『じいちゃんとたばこ』
ねぇねぇね ねだる先には爺様のまあるい輪っかがプカプカ浮かぶ
天使の輪作ってくれたら大好きよ膝の間でワクワクキララ
『ばあちゃんとおんがく』
お出か ....
鱗粉を 撒く蝶々を 姉が追い「もう帰ろうよ」「行かないでよ」 ねぇ
死してなほ国歌と定めし売女を罵った兄 頬の引き攣れ
抗菌の ボールペン握り 立ち尽くす 書くこと以上の理由を ....
古里の小高き丘の菩提寺に
雪をかむりて立ちあらむ
{ルビ墓石=いし}に刻まれし名のありて
生きた証の名のありて
香華の絶ゆるなかれとぞ
過ぎし時をぞ思いたり
....
チンすれば温まるものばかりなら一緒に心も入れていいかな
「大好き」のハートの絵文字に隠された本心を吾見抜けずにいた
始まりが疑うことで惹かれあい傷つけあった恋の結末
半歩ほど距離を縮 ....
「プルコギは
プルっとしてるコギですか?
それとも
コギのプル夜ですか?」
韓国のある友人はこう言った
「たぶん夜ではないと思うよ」
紅を注し出掛けるのよと鏡越し微笑む君は別の女で
街角で見逃しそうな君の姿眼鏡外してあいつの横に
俯いて掴まえていてと頼むけどすり抜けるんだ絹のスカーフ
純白のドレスの下に隠してる黒い ....
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【短歌】このカテゴリでは31音律「5.7.5.7.7」を基本とした短歌と、その音律を崩した自由律短歌作品を受け付けます。短い自由詩は自由詩カテゴリへ。短歌批評は散文のカテゴリへ
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