雪解けを 待ち侘びている 下草の 息吹伝わり 春を感じる
雪深き 森の{ルビ静寂=しじま}に 深々と 降り積もるのは {ルビ凍解=いてど}けの音
偶然に君の面影着る人と箱に入れば時間が止まる
似ていない仕草と声に安心し似ている姿影を追う吾
たぶん そう 心が恋に堕ちたのは君が優しく抱きしめた時
....
しのぶれど 顔にいでにけり わが変は ホモや思うと 人の言うまで
夕影に マーブル ひとり ぽつんと おり
よろこびも いまは かなしき まーぶるの コスモスの なかに いた ひを おもう
ねーちゃんは よめに いくよと 弟に 告げし 君の 目 みた ....
南町二丁目電話ボックスでさらってくれる人を待ってる
ガキ大将なんて嬉しいものじゃない道具で殺せるジャイアンのこと
死ぬ星が一番光る 遠吠えを聞いた僕らのつく嘘みたく
....
漠然と自問自答が煮詰まれば頭がなぞるチェーンステッチ
ひとりでは出せない答え 明け方に鳥はどうして西へゆくのか
ほっぺたをシーツにつけて休日の速度について考えている
卵黄でよごれた皿に訊いてみる「今夜あなたは帰ってくるの」
遠回りしたとふ君の背に延びる一本道は凛とすずしげ
それぞれの身体と中身が並んでて同じ夕日を見つめて黙る
雪だるまの背中に続く足跡に「おうちに帰ろう」白猫が鳴く
去る音がしんしんと行く雪道のはなせない手のさすらう体温
欠けていく月に答えを見失う車窓にゆれる横顔抱いて
午前三時 ....
エアコンの温風だけでがまんするあなたがなでてくれないときは
ケータイの震えをピッと指で止め、いつもの声にからだ温もる
「何してた?」「月を見ていた」五百キロ離れた二人を結ぶ光を
電話だと君の声が近すぎて星座をつなぐ孤独に気づく
....
捨て椅子に 夕日と赤子を 抱く姉が ゆるり背を裂く げにトンボ鳴く
*
暴力も 効かぬ金庫に 閉じ込める 水と図鑑と バイブと私
*
身勝手に 影をめくりて 朝の日を 探す北風 ....
吾や先 吾や先と 行く友 に
いつかの じぶんを じっと 見ており
哀しみも いつかは 過ぐるもの ならば
棄てて しまえよ 川にぽつりと
物思い 過ぎにし 日々を 振り返り
....
下腹部の痛み抱えて躊躇って産めない身体知りたくなくて
叩くのは地獄の門か天国か全ては始まりそして終わる
幸せの象徴みたいな微笑に吾はなれぬとレッテル貼られ
女でも男でもない吾に問う性 ....
響く空
痛みを忘れ
伝書鳩
流れる季節
誰がために舞う
夕やけは待ってくれない ももいろのしゃぼんだまさえ待ってくれない
夜のため太陽を消す しんとする ろうそくの火ももうすぐ消える
モンゴルのむこうのむこうの太陽が地平線に恋をしている ....
何事も神の如くの一言の「残念ですね」君立ち去りぬ
子供等の顔のつくりで遺伝子は受け継がれたと確信したり
親のよに生きたくないと言い切って通ってきたのは同じ道のり
いつもならすぐに無くなる量なのに8日続いた野菜カレー
父さんのようにな ....
0と1並び並ばれかたち成す吾こそ無から有を生む者
意味のない数字の前に囚われる何が大事か見失う人
白い息
飛んでいってよ 彼の元
{引用=『愛してる』}って
言葉を連れて
いつもなら 飛び乗る急行 帰り道 今日はちょっぴり 寄り道気分
帰り道 セロファンみたいに 透明に 橙に染まる 私と道路
侘しき詩を綴る余り凸凹の失き親指で割るホウセンカ
ハンバーガー焼きし可憐なる手首に惑いて住むらむ赤き蛭は
手繰り寄せ海へ空へと浮かぶ君に急ぎ、過ぎて
置いてけぼり
もの言わぬ声に語 ....
見せ掛けの愛の言葉を吐き出して煙草の煙が凍りつく夜
色の無い 僕のココロを鮮やかに
彩って行く キミのコトノハ
「ニートこそが革命の先駆!」とマルクスは云うのだろうか云わないだろうか (題詠「ニート」)
きみにだけおしえてあげる(ないしょだよ) 「ここからここが象の足首」 (題詠「足首」)
○●●○ ....
裏切りや嘘つきだとは思わない大切の言葉本物だった
迷わずにこれが好きだと言い切った君の指にはガラスの指輪
大丈夫 全て信じて傷ついてそれでも信じてまた傷つく
すり抜けて初めて気付く君 ....
文明の起源が南半球であれば時計は左巻きです
限界を越えてもしくは臨界を越えてあなたに会いにゆくゆめ
水槽に金魚は泳ぐぼくたちの裏切りさえも刻めよ螺旋
ファルセットヴォイスできみが歌うから胸が鼓動ではじけてしまふ
....
薄紅き{ルビ真白=ましろ}の花片乱舞して雲の隙間に秘めたる呪文
粉雪に老犬遊び立ち上る電柱に舞う世界地図から
無垢ということばをきみはエンジェルの首とたとへる一月も冬
戦場に突如飛来す少女その名前を問わばサイレンが鳴る
ラララララきみが歌えばきみの歌、土足でだれのメロディー奪う?
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