さようなら
君から先に
云い出さぬよう
僕から先に
{ルビ沈黙=しじま}を破る
夕暮れに
繋ぎし指は頼りなく
僕らこれから
何処へ行かうか
甘い亜麻色とりどりにゆららゆら麦の穂たれて紅く波打つ
紅い実をあげましょ君たわわたわつぶしてくださいたわわたわ わに
紅と蒼交互に咲く混ざらない不思議雨上がり 君
傘立てて紅ひらいて ....
清さこそ、いやらしいとは思わない?若い和尚の鼻梁にみとれて
アルコール分量わざと間違えて きょう 今 あなたに{ルビ手=た}折られたくて
ガールという字面で服を ....
このコインの桜をじっと見てください あなたはだんだん春になります
失踪は春の間に すれ違う人がよそ見をしているうちに
肩と肩近づいていくまだ雨はそうだね雪のにおいがするね
....
突入5秒前の教室 揺れる声はぼくら4月の合図
教室の窓から見える青空が欲しくて飛び降りたかった5月
君の声響く放課後見上げた空と6月の音楽教室
教室はサバンナだったねカラカラに乾いて ....
春なんて要らぬと言われ白梅は ごめんごめんと俯いている
抱き合った十分に降る春雨は思い出に似てぬるくやさしい
言葉などなくて伝わる僕たちはいつものように別れる別れ
軋むほど力をこ ....
油染みだらけの記憶のわら半紙提出期限をとうに過ぎ去り
透明なグラスの底を目にあててきみの星座を見る白昼夢
あの夏にきみが投じた問いかけのこたえをさがす 波のまにまに ....
黒蜜の氷菓和尚が食べるとき観音扉の奥のまばたき
猫みたいな声を出すから燃え上がる火事にみとれるひとみをなめる
無意味だと思うぼくらのやることは星と星とが抱き合う夜に
尾& ....
鞘がなき
ただそこに在り
五月雨に
白水仙は
凛とぞさやぐ
懐かしい
匂いに誘われ 絵本の中
誰もが出会った おとぎの話
枕もと
遠くで眠りへ 誘うのは
魔法使いの ひとりごと
眠り姫
愛し ....
とんがったボトルに小さな君ねむる ベビードールに打ちあけた、なにを?
約束をしたのよ彼と桃の花咲いたらたがいに傷見せましょうと
スギ花粉とんでるよほらマスクして、子猫うなじにく ....
ねぇ和尚 あなたホントに聖職者? ベッドの上では 独裁者だわ
続きして? そんな気まぐれ 猫みたい
アタシを裸に したのはアンタ
足ひらく ....
みちたりてゆくいたみの海にしゃりしゃりと緑のようなきみを齧るよ
ふりだしたゆきにとまどうゆうぐれはゆびさきがあいたいとさわぐよ
{ルビAlligator Refrigerator Alligator Refrigerator Alli・・・ =ワニが棲む冷蔵庫を呑むワニが棲む冷蔵庫を呑むワニが棲む冷…}
お月見て うさぎに恋し 猫は鳴く
にゃあにゃあ僕も 餅つきたいにゃあ
ねぇねぇと
意識を揺さぶる ひつじたち
ねぇねぇそろそろ 寝かせてほしい
ゆ ....
地球の皆オラに力を分けてくれ!
マジ頼みます
マジ頼みます
・
もしもしも
子も指も視も死も
あなたから
夢残月に
心は乾く
・
清廉でもなく
....
眠れない夜に読経が聞こえない和尚も坊主もくんずほぐれつ
あしたから猫になるから恥ずかしい名前をつけて呼んでもいいよ
泳ぐ魚 無意味と知りつつ死ぬ君の欠片が♂の形をしてる
....
戒律
日曜の教会の君の白い指若い和尚の無駄なき仕草
口移しそうっとくれたマシュマロは口に出してはいけない祈り
まっすぐな背中や胸を這い回る無意味な戒律汝犯せよ
....
軽く舞う三十一文字に気をとられ{ルビ聖域=サンクチュアリ}に右足首が
罰としてまめ電球があるだけの三角錐に閉じ込められる
指先に向こう永遠血は流れ 終わることなきダイイングメッセージ
心欠く身こそ沈めよ秋の海日をも沈めるあわれ秋の夜
小さな人が困った顔をしていた、きっと困っていたと思う
ケチャップでしょうかマヨネーズでしょうか幸せにいつも足りないのは
君と手を繋ぎ星空を眺めていた一面のペンギン畑
自転 ....
如月や黒いソファーに横たわるあなたの影も微笑んでいる
ゆく船のゆくえわからぬまま岸でぼくらが録音されていた夏
ケイタイを缶コーヒーのように振るきみはまだまだ宇宙に鳴れる
....
君の部屋帰ってきたかとノックするアクセスエラーに凍った心
いつの間に居なくなるのは辞めてねきっと吾は狂ってしまう
繰返し忘れないため聞き返す数秒だけの君の留守電
も ....
・我が心 春の芽吹きを望みつつ 冬の寒さに身を凍らせる
・13時 街角で待つ 雨の日は視界煙りて 薄ぼんやりと
・残像に 去りし君の姿見て ただ涙する 秋の木漏れ日
・あなたへと ....
こんなにも狭かったのか 幼き日 年月戻して吾は佇む
真っ白なキャンバスの上に描いてた未来予想図鮮やかすぎた
この場所で始まり別れるいつも居た君は明日から共有できない
....
いつだってあなたのことを思ってる 寝ているときも起きてるときも
うにゃららと短歌の種を植え付ける煙草を買ったレシートの裏
ぽこぽこと咲いた短歌を貼り付ける過ぎ去った日のカレンダーの裏
短歌って素晴らしいかも!凄いかも♪金もかからず金になりもせず
日記帳に落とした柿の種挟み僕は昔を思い出します
*
昭和51年の春に生まれた息子を父が将軍と呼ぶ
将軍閣下御年2歳牛乳を飲まないわりにグラタンが好き
....
停電の夜はとっても不安ですあなたが消えるわけじゃないのに
そのうちに死ぬ死ぬ死ぬと言いながら図太く長く生き遅れたい
長々と駅まで長き連絡道足早に行く自己嫌悪の日
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