バゲットの美味しい美味しい咥え方違うのそっちのお口じゃないの
アクセルで内耳のぜんまい巻き戻す時速2kmの自慢の舌技
気持ち良い度にシーツを蹴る爪にピアスをあけてみたくなった日
眼球に赤青黄色のステッチを 絡まる睫毛を削ぎ落とす為
頭から意地で生やした鉄塔が「いいわいいわ」で磨耗している
虹彩のへそから手紙をひねり出す力をもって走るんだ今!
{引用=題なんて散漫すぎてつけられぬ
三十一文字の宇宙へ捧ぐ}
レプリカのゲルニカを敷きつめた部屋で健やかに生き呼吸している
....
死期を知る傷病兵の夜が来て台所にて冷蔵庫唸る
瓶詰の白アスパラガス身を寄せて標本のごとひっそりとあり
乾きつつあれど鯖の眼の色は捕らまえられた日の空のあを
家々の軒先飾るべく斬ら ....
{引用=「夏の思い出」}
うつくしい足は流れに浸されて思い出の澄む初夏の温泉
涼しげなうなじを一輪緋の色の鼻緒つっかけ見つけよ花火
小さき子手綱もないのにばしゃばしゃと御 ....
クローバー
舌に巻取り行く牛の
胴の{ルビ片方=かたへ}に朝日は濡れる
貰はれて育ちし吾と
知りてより
牧にゐ ....
雨が降る中をとぼとぼ面接へ 心だけでも詩人でありたい
この雨に濡れたスーツを乾かして 君の悲しみ蒸発させよう
びしょぬれになった子猫を抱きしめる様にあなたを抱きしめたかった
悲 ....
『ヨロコビ』を「喜び」と書くお子様も オトナになれば「悦び」と書き
そういえばそろそろ尽きるエネルギー 愛を体に補給させてよ
降り注ぐ雨が二人を分かつとき嘆きの歌を歌え白鳥
恋という ....
木は風に揺られて危機と告げている台風前夜の窓辺のふたり
完璧な雨に降られて澱みゆく河を見ている仔猫とあなた
水田の水面に雲は流れゆき徐々に満ちゆく夏の青空
帰り道 ....
儚きもの 猛るものたち 全てのものが
集まるこの世 不可能なんてない
可能性しか 存在しないんだ
ごめんねを繰り返す君の体温が冷たくないから泣いてるの
最後まで抱きしめててよ優しさを残したままで振り向かぬ君
交われば水溶性の愛を知り疵口さえも濡らしつづけて
この痛み受けとめて今迷 ....
東雲にさあ立ち上がれ死に外れ
泣くな嘆くな負けるな死ぬな!
君の目が 向こうを見るその隙に そっと贈ろう{ルビ無音=くちぱく}の「好き」
クリスマスを想う真夏の公園のジャングルジムに降るしゃぼん球
赤道の下が静かになってゆく 同じ時間の違う景色で
青くなっていくのだ カレンダーをめくる指が冷たいと感じる7月の朝
....
三部作長きに渡る戦いの果てに何見た「ヘンリー六世」
一卵性双生児なら別の名をつけて下さい「間違い続き」
王国を馬一頭と引き替える悪の美学は「リチャード三世」
パイを食べ「タイタス・ア ....
話してごらん積み上げたその悩み、5連鎖するよ、ほら、ば〜よえ〜ん
手をつなぐふたりの影よ 鍵をかけ忘れた夏に帽子は空へ
「雨の中キスをするより恥ずかしい。株式投資はじめるなんて」
....
100と0
それでも足せば100だけど
アタシ一人の 100はシンドイ
ヤメちゃおう
もうヤメちゃったと言ってみる
こんなときだけ 意志が強い
なぜ
肩掛けのカバ ....
美しく
溶けるあなたは
かき氷
夏のさなかの
熱き接吻(くちづけ)
雨が降る
その日に限って
嫌なこと
降って湧くのは
何故なのでしょう
サッカーも
恋も初めが
肝心 ....
春過ぎて夏{ルビ来=きた}る間の静けさの 次は嵐か快晴か
暖かな笑顔で迎える両親に わが心根は息も絶え絶え
静かなる机に伏してみる夢は 荒れ来る{ルビ未来=さき}の波の間に間に
過ぎ ....
真夜中にせんたくものを干すきみの着ている服も濡れている手も
立ち直りかけてるきみに悪いけど闇を失くしたきみは抜け殻
伸びる影のびないひかりの集う朝みえない牧師が祈りをサボる
....
花ならば君を待つのも安きこと
ラベンダー蒼きこのうすにおい
この想い忘れてしまえマーガレット
花びら散らし涙にくれる
ローズマリーやさしい罪は思わせぶり
....
荒き野に
異香放てるひとところ
{ルビ頽=くづ}るるばかりの山百合なりき
五月雨のホームに
長く停車する
灯は明々と空きの電車よ
北海に
まなこ鋭 ....
俺は決してヒーローじゃないから君を胃腸炎から救えやしない
「幻聴もあなたの音楽そうだよね。だから信じていいんじゃないかな」
「もうこれは切り離すしかないですね」競馬が趣味の医者 ....
「そっちへは行っちゃだめよ」ときみの声だけが録音されてるテープ
てのひらおもいきりひろげこれはゆび、これはつめだと思い出すまで
足音は、いつもみづから踏 ....
雨だれに頷く露草いとをかし 去年の言葉を語るともなし
フライングベッドが再度あらわれて深い眠りを焦がしてしまう
4ゆびをテーブル上で交差するあなたの朝が美し過ぎて
アーサーが来てたわよ アーサーってだれ?たぶんお母さんのそうぞうじょう ....
この時期になると何故だか「サウダージ」聴きたくなるのは何故なのだろう
「No Lady No Life」だとケツメイシ 聴きつつ「{ルビ恋の技法=アルス・アマトリア}」読む
バンプ・オブ・ ....
水彩の絵の具ま白き画用紙にぜんぶぶちまけようよ六月
自転車の後ろで団扇を仰ぐきみ見ていた海に落っこちるまで
ゆかた着てきみが来るからあの駅を思い出すたび朝顔が咲く
い ....
太陽の垂直父性に卑屈な笑み死んでいるのだ夏の日はただ
逃げた月誰もが自分の声を出す取りこぼされた知覚の外で
燃え上がる巨大な寝台列車から逃げ出すひとのいないやすらぎ
草上にレモンはひとつ落ちていてあなたのいない夜のはじまり
街中にひらく紫陽花5Fから観ている雨の降りしきる朝
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【短歌】このカテゴリでは31音律「5.7.5.7.7」を基本とした短歌と、その音律を崩した自由律短歌作品を受け付けます。短い自由詩は自由詩カテゴリへ。短歌批評は散文のカテゴリへ
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