冷えきった繋いだ手と手を温泉で去年の炎暑を取り戻そうとす
耳元で優しく君が囁いたあの夏のさよならを海で泳がす
夢うつつ瞬時に散りゆく白昼夢、儚く消える思い出花火
....
●奇跡さえ 起こす力の 源は 人を愛する 想いから
●苦しさに 握り拳を 振りかざし 吼える川辺の 水蒸気
●さよならと 聞いたあの日は 寒空の おかえりと 呟く明日 蝉時 ....
水深5キロメートルの恋に落ち プールサイドで墜落する午後
砂浜の午睡からうつら目を覚まし すいかの縞の波に溺れる
ピーラーで削がれ半裸になりしきみ 水にさらせば ....
しなやかに 手折る指先 見とれつつ 翼をもがれ 君に堕ちゆく
漆黒の 壁紙に映ゆ 君の色 時を忘れて なぞる指先
浴室の 戸を開きかけ 頬滑る こぼれ髪の香 君の胸にも
絡ま ....
冬の頃 テレビで見つけた温泉に
夏に来たのは 僕一人だけ
この夏の 打ち上げ花火 忘れない
初めて君と つないだ手とね
待っていた 暑中見舞いの ....
放課後のプールサイドに一人きり石を投げれば割れる太陽
まだ細い腕もいつかはヘラクレス鏡にうつる半裸少年
肝だめし墓場を歩く君とぼく怖くないよと結ぶゆびさき
花火あがる綿菓 ....
星屑を たくさん集め つくりだす 銀河の夢と 夏の思い出
紺色の 甚平を着た マアくんと 兵児帯浴衣 はなちゃんと
夕顔の 切ない思い 知りながら 朝顔を描く 観察日記
すぐやるよ ....
枝豆の
香りとともに
茹で上がる
頬染めたきみ
ビール欲する
曲線を描く黒髪いつの間にけたたましく鳴る風平行線
太陽の光を点で結んでは指に集めて舐めいる残暑
白鳥の飛び立つ様を物語る神の白髪結えし因果と
草かげで鳴きあう猫に呼ばれてや境界不明の現実が減る
....
ぐしゃぐしゃの猫に涙のご馳走はメロンソーダに浮かぶ死顔
今日と明日継ぎ目の時に迷い込む空疎な羽ばたき地下室の夜に
星たちを耳に手首にぶらさげて羨望の矢をへし折る少女
「牛乳をスプリンクラーで噴射して虹がでるのを待ってるの。あ」
「おつかれさま。今度はあたしと遊ぼーね」蝶は埋められ、そして天へと ....
愛なんていらねぇからさ、温泉で混浴チョメチョメしてぇのよ、夏。
君が持つ花火の描く曲線が僕らの絆の擦過傷です
都合よく凸(でこ)と凹(ぼこ)とがあるのに僕ら蚊帳を隔てて交わりもせず
....
いんげんの つる夏がきて 萌えいづる
添え竹よりも 高見の空へ
月光に薄らと光る素肌をも幻想ですと冷ややかな笑み
「綺麗だよ。」そんな言葉も偽りと闇は伝える口元の光
名も声も今宵限りの姿にて君の腕から溶けて消えてく
愛し合う二人の仲はマル秘なの親兄弟にも親友達にも
柔らかい肌もあなたの唇もその感触が近しい二人
背徳の恋のはずだが何故だろう愛し愛されこうも幸せ
けたけたと笑い飛ばしてホラを吹く背中 ....
「海まではあと2時間はかかるからスイッチをぜんぶOFFにしとくの」
扇風機だせば宇宙人がやってくる黒いかみのけ黄色いはだの
温泉は自宅の風呂とは違うからはだかの歌は真夏の空へ
....
一年に一度会えればいいじゃない自由な恋を楽しむ織姫
孫悟空真似して彦星あまぐもに乗って波乗りミルキーウェイを
おまけ
ミサイルが二人の逢瀬をおびやかす七夕前の大気圏外
短冊に 記す願いは 胸の内
「{ルビ一日=ひとひ}だけでも あなたをください」
這い回る地面の底の綻びに日の出の印象青白の明日へ
地獄から帰ってきたらまっくろいしっぽ丸めてHELL O,HELLO
ネネちゃんのなぐるうさぎになりたいな
ネネちゃんの耳が夜毎伸びてく
このコート買ったのはもう五年前、この ....
携帯の001が空になる002の名前で埋める
けだものの名前教えて わからない言語でさけぶことになるけど
まっくろな花のない不思議命日は百合をインクにつけて乾かす
世の ....
どこまでも続くこのみち駆け抜けて旗をかかげて名を刻もう
白い雲青らむ渚描いてく
心の色は自由自在
砂浜に続く足あと追いかける
麦わら帽子風のステップ
海の色変えてゆくまに一瞬の
楽章を見る{ルビ波濤=はとう ....
朝日昇り 聴こえる鳥の おはようが
一日の始まりを 教えてくれる 大事な警報
駆け抜けて 過ぎ去ってゆく 思い出に
また君は何を 思うのだろう
かつていた冷凍都市を思い出すような小説書いている初夏
再放送されてる温泉番組を観ているぼくを見ているかか氏
転校生だったあの子は元気かなどおんどおんと胸打つ花火
....
云いかけてそのまま飲んだ赤い罪 胸刺す棘をいつか君にも
君はまだ起きてこないね珍しく 焦げたトースト急いで隠そう
私より長い睫を持つあなた 思わずビューラー挟みたくなる
油性ペン落書きしがいがありそうだ 眠る額に「愛」の一文字
日曜の朝に ....
貧血で倒れ授業を欠席すトマトジュースを飲むベッドの上
静岡に住んでる親に我が病伝えられずに留年をする
眠れぬ夜ベッドで横になりながら大学中退考えるなり
騒がしい授業に怒りこみあがりそ ....
299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339
【短歌】このカテゴリでは31音律「5.7.5.7.7」を基本とした短歌と、その音律を崩した自由律短歌作品を受け付けます。短い自由詩は自由詩カテゴリへ。短歌批評は散文のカテゴリへ
0.78sec.