街灯の
周囲に孤独が群れる夜
耳をすませば犬、遠吠える
鳥たちが
十字架のように羽根ひろげ
薄暮の空に貼りついている
雨天こそ
こころ華やぐべきでしょう
赤い傘さしスキ ....
「妻と一日(ひとひ)を」 批評子
書を整理植木刈り込み春うらら妻と一日を過ごしたりけり
山の湯の朝七月も末静かに妻と出立を待つ
....
年越した蕎麦のカップを洗わなきゃ「ゆく年くる年」鐘の音きいて
年越しの時報聞きつつ自動巻き腕時計の針カチリとあわせ
正月に実家に帰り弟に靴のサイズを抜かれたと知る
「imagine( ....
屋根切れてポツポツ毛穴発泡す 雨にも強い想い出シャボン
そんなには好きではないヤツ好く見える昔の歌がよくかかる店
発泡酒ただひたすらに発泡酒 稼ぎの無いよな顔して笑う
心臓に古い破片 ....
帰ります、とメールをしてきた君が向こうから全力疾走で
君の重さを受け止める。お姫様抱っこ?もう少し痩せてからね
人ごみに紛れこむとどうして私だけがここにいないんだろう
....
恋い憂い
慣れた瞼に引く線を
やらかくなったと
母が微笑む
小春日の
朝その記憶胸に秘め
ともに嫁いだ三面鏡と
恋い憂い
朱をさす頬に
触れてみる
秘事は睫毛の
....
老いてなお 明日に夢を 見る母は 幸せなのか 不幸せなのか
横たわる松一文字かけぬけて月にむかうか かもめと共に
残照が{ルビ過去=きのう}を抱え月は{ルビ未来=あす}連れて渡った天橋立
紫のたなびく雲を背に負って君と渡った凍れる海を
....
蛙の子もう産まれるかひよひよと温かきそのゼリーの中に
雑音は頭の中で処分するあの夏の夜のamバンド
ただ一枚掲示板には忘れ物官製葉書の持ち主求む
夕闇の重たき雲に白鳥の群 ....
中東の先の元首が露と消え波も立つまじ極東の島
午後に吠え夜に己れの洞に哭く肉の{ルビ葛=かずら}に囚われし我
消えてゆくひとりの時間ゆうるりと道に{ルビ描=か}かれた雨音のよに
午後に墜ち静かに ....
発掘した漫画おもしろ過ぎて続きを探して掃除続かず。
「あそこに手が届く?。
わぁ!足も届くんだ!。
すっごいねー。」
おだてられました。
天窓 ....
純白の雪舞い降りて新年は清らかに唯幸せよ降れ
庭先にあふれるこぼれる赤い花揺らして散らす春色の鳥
雪崩式口説き落としでそのままフォールなんてしませんわたしはヒール。
ウェスタンラリアット一閃!西のホテルに消えゆくきみについてゆく。
入場テーマ鳴りやまぬう ....
逃げ出すフライドチキンを追いかけるサンタは値崩れプライドレス。
弱虫チキンを追いかけろ!フライドプライドチキンレースいん師走。
ドナドナぼくはトナカイ売られ ....
【春】
雨上がりの桜並木を駆け抜けたフロントガラスにピンクの水玉
【梅雨】
ロックした車のシートに置き去りの鏡が空の顔色伺う
【夏】
トランクに放り投げて乗せたのはビ ....
バックドロップの様なバク転をした記憶があるのはなぜですか。
喧嘩十段なんてそんなおもしろいこと言わないでくださいあはは。
回し蹴りの恍惚は止 ....
なぶられて大鼠の尾やはらかに冬の地を打つ死してなほ打つ
むざむざと引きずられゆく鼠の尾 師走の道をけものが渡る
人並みにもの{ルビ購=あがな}ひて心安し師走の街の世 ....
一夜一矢の矢を番へ射る夢見る夜やがて微睡む赫の朝。
尽きる矢は在れ夜は無く夜を番へば果ても無く続く夜とは。
明けぬ果てには矢を番へ射りて殺ししおんな ....
告白します。
主食はみかんです。
黄色いお手てのみかん星人。
好きな音楽は、
シューベルト「未完成。」
甘酸っぱい望郷の曲です。
今日は休柑日。
....
知る人ぞ 知る限定のノリ弁を
買って帰らん 聖なる夜に
鮮やかな 赤いタンクに寄り添いて
灯油を入れるわが身悲しき
燃えるごみ 燃えないごみと分ける夜 ....
冬晴れの日曜の朝ふとん干すコントレールはうつろにながく
ゆきの「ゆ」が角ばって見える、
さむい。
屋根裏部屋は、
雪色吐息。
みかんはこたつで甘くなる。
ならばとりんごも並べてはみたが、
はて。
....
「譲ります」細き文字に貫かれ熱き心に雪が積もる
数億の命が競い手に入れた吾は身体を傷つけている
君が居ただから田舎を出てきたと言ってみたけど半分はウソ
体内のひとつ ....
猟奇殺人は世の常と、
皆がこぞって斬りたがって、
皆殺し。
死体がふたつで腕が三本足五本。
さて死んだのは何人?。
腕には、
それぞれ文字が切り ....
今はもう聞けないテープを出してみるネットラジオのなつかしいジャズ
辛口のカレーをライスなしで食うくらいは破滅的な木曜
このカレー泣けてくるほど辛いよね 玉ねぎのせいなんかじゃないね
貞操は守りたいから今日作るごはんはまるごとニンニクカレー
....
曇り空ストーブの上で鳴るやかんおはようを言う亀と私と
こんこんこん、
こーん。
と、
ルートヴィヒはかく扉を叩く。
はやく冷めますよ。
ブラームスの掛かる部屋で、
クララとお茶を。
いえない恋もあ ....
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