日日に緑深まる狭庭辺に今朝は蛙の鳴き声がする

さきほども小雨降りいた表通り人の声して雀飛び交う

グリーグのペール・ギュントを聴きつつも紫陽花の絵をじっと見るとき

また鳩が一声 ....
  「アリュール」

{ルビ汚=けが}れならば五月雨川に流せりと誘ふその手は{ルビ梔子=くちなし}に似て


  「ブラック」

黒髪に触れし指先奏づるは重なる肌のあつき旋律
 ....
洗濯機の渦に心を巻き込みて
しみつく澱も洗い流せり

長雨のやみたるあとに松葉ボタン
閉ざせし心も開くがに咲く

娘が生けし菊に顔寄せ深深と
秋の香かげば夏も惜しまる

二十世紀 ....
掃除機が
ごーごー奮起
する日曜
我は横目に
チキンラーメン
妻清張われは花袋6月の空ベランダにバロック流る

午後になり雨しとしとと降りつづき朝顔の蔓つたふ土塀に

書物など喫茶に持ちて読みおれば髭の老爺(ろうや)が前に座りて

もみじ葉に ....
彼の人にアスパラガスの花束を
込めた思いは宣戦布告



風露草贈りし君から翁草
勝負終われば裏切りし君



勝利した君の頭に月桂樹
手には僕からその花束を
満たされぬ言葉想いて立ちつくす
足元に身をすり寄せる猫

故里のなまりやさしく語る友
友も故里をとく出でしなり

何着ても似合はずなりし我が年を
哀れがりつつせめて紅さす

故里の老 ....
押し入れで
手繰り寄せた
青春の
3ページ目の
笑顔の魔法
 
アルバムの
ページの枚数
数えては
その数よりきっと
多いと思う
 
反射する
カッターシャツの
青写真
 ....
恋の道 照らすかのよう 月明かり ためいきさえも いと柔らかに


道すがら 出会った二人 ときめいて この一瞬が 永遠にと願ふ


優しかれ 涙はすべてを 許します 闇に小さく きらりと ....
しとしとと 雨のリズムは 跳ねるよに 色とりどりに 開く傘花


窓辺にて 紫陽花の夢 つらつらと 君が眠った 横顔を見る


愛してる も一度言って その言葉 濡れた路上に 虹が映った
 ....
ほこりせしゴムの鉢をば雨に打たせ
ついでに心もなどと思えり

梅雨明けの豊かになりし賀茂川の
水しわに照る夏陽が眩し

云ひわけの言葉聞くとき掌に
猫のまばたく感触も知る

忘れたき ....
家も無く
吾を知る者も
今は莫し
根無し草とぞ
人は言ふらむ


風荒ぶ
夜の旅路に
光差す
命の灯火
いざ、行きめやも


黎明に
はためく翼は
輝きて
火の粉振り ....
傘持ちて吾子を迎えに行くことも
久し振りなり雨もまたよし

さりげなく扇風機の風 吾が方に
向けてくれし子は漫画読み継ぐ

見知らぬ子 通りがかりの吾れに寄り
トンボが居るよと ささやき ....
朝8時
バス停にある
虚無主義(ニヒル)の目
息の空想
煙草の科学
指絡め柔ぬるい舌食んでいる今この時を吸い尽くさんと 緑色いっそう深まり空曇りスズメさえずる朝の机に

わずかなる胸の痛みと音楽の耳にいりくる今朝の心に

マンネリか歌に心はずまずに昔作りし懐かしき歌

陽は上り妻の植えにしかわゆ ....
【愛してる】
これ以外では表せず
君に捧げる五文字の心


友愛と恋の違いを知り得ずに
ただ愛だけが心を占めた


世界中誰に聞いてもわからない
【愛】の意味は自ら生み出す
カラヤンのレコード買いきて おもむろに
娘灯を消して聞くがよしと言う

萬緑を濡らして夕立過ぎゆくに
近江の里の深き静もり

緑濃き萩の道もいく曲りか
蓮の花咲く池に出にけり
     ....
ブルートレインに子と妻と共まだわが家に神の在りし頃

昨日本当の伝道をしたがしたくない残念だ神は無い

これからどうするって誰もそんなこと言ってくれん

鳩のすむ枝を見むとて妻しつらう椅子 ....
加茂川に降る雨と共に昭和逝く
 何時もと変わらぬ景色まぶしく

編隊のかたちに鴉帰りゆく平成となる日の夕空を

永かりし昭和の御代も終焉となりて
小雨降る 夜となりけり

親しめぬ言 ....
  
   「いつか奇跡」

霧雨の向こうに遠い日の日記 差し出した手が迷い濡れてく

影送り透けて遠のく僕たちの眩ばゆいほどにピュアな夏の日

吹くはずのない甘い ....
雨の中 傘もささずに浮遊する 地下駐車場の黒猫の目

ストレスが主食なんだと君は言う ツナ缶なんか合うかもしれない

感情のはけ口さえも見付からず「フルリレロ」と闇に唱えた

アリゾナの砂 ....
穏やかな日々の陰からはみだした恋という名のあてなき手紙


忘れたい忘れよう忘れられるのか君に恋がるる熱き自分を
水暗きなかに閃光突き刺さるまじわる場所は色彩なき場所

青春の色彩すでに忘れたり鳥飛び立てる後の静けさ

掌にあまる白桃まだ知らぬ空の色彩抱きて帰らむ
朝露に光る姿は艶やかに彩り添える紫陽花の花


清流に若鮎跳ねる今もまだ大志をせなに雄飛を胸に


揺れ動く穂波は仰ぐ空の青田には命の輝き満ちて


雨続く窓の際には子どもらが作りし ....
一人だけ何でも言える人がいる
ただそれだけが笑顔の理由


ひとりきり過ごす一日時長く
窓際近く微睡む陽射し


独り言呟きポツリ溢れ出し
止めど流るる滴と共に


 ....
 心より一切の欲消え去りて青き紅葉の葉は揺れており

 水無月に外郎を求め与えてし母の眼鏡の顔浮かびくる

 さえずりの混じりて聞こゆ玄関の机に田山花袋を読む
教室に忘れたものをとりに行く黄ばんだカーテン揺らす微風


曇り空の中を飛んでく飛行機の風を切る音つばさの光


港にて海からびゅんびゅん吹いてくる潮風あびて髪の毛ギシギシ


扇風 ....
一面に広がる三つ葉のその中に
必ずあるさ君の幸せ


白摘の花編み飾る冠に
想いを隠し頭に載せる


幸せを探したあの日
夕暮れの色に染まらぬ僕らの心


四つの葉見つけた時の ....
 わたしよりウチとか言ってる息づかい君に会えたと確認してます

 あほやなぁそれで駅へと行きますか次に会う日が未定というのに

 急かされて、はよう決めやと言われてるそんな時間が大阪と思う
 ....
短歌
タイトル 投稿者 Point 日付
ペール・ギュントの朝生田 稔8*07/6/9 10:36
パルファムRin K32*07/6/9 1:36
11P 「短歌2」よりむさこ10*07/6/8 20:59
掃除機殿様が得る207/6/8 18:28
雨降りだしぬ生田 稔7*07/6/8 14:28
花言葉2[group]秋桜9*07/6/7 22:08
10P 「短歌2」よりむさこ13*07/6/7 20:34
青写真殿様が得る107/6/7 17:39
夜の六首おるふぇ807/6/7 14:53
雨の六首4+07/6/7 14:16
9P 「短歌2」よりむさこ11*07/6/6 19:39
旅人秋桜10*07/6/5 19:44
8P 「短歌2」より 〜 昭和四十年むさこ10*07/6/5 18:06
朝8時殿様が得る107/6/5 16:56
蜜壷いまいまい4*07/6/5 11:39
二人できよく生田 稔8*07/6/5 10:13
あい秋桜10*07/6/4 21:15
7P 「短歌2」より 〜 昭和四十年頃むさこ13*07/6/4 17:33
生田 稔4+*07/6/4 8:18
12,13P 「短歌2」より 平成元年むさこ11*07/6/3 18:29
■共同作品■ カゲロウと花[group]Rin K26*07/6/3 9:46
こぼれおちるもの(其の四)快晴5*07/6/2 23:49
そっと泣いた日さち11*07/6/2 16:08
色彩村木正成6*07/6/2 9:00
水無月秋桜11*07/6/2 5:44
ひとり6*07/6/1 22:38
水無月の朝生田 稔9*07/6/1 11:28
「風、と共に去りぬ」ソティロ8*07/6/1 0:22
clover秋桜8*07/5/31 22:08
大阪LOVERたにがわR607/5/31 18:16

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【短歌】このカテゴリでは31音律「5.7.5.7.7」を基本とした短歌と、その音律を崩した自由律短歌作品を受け付けます。短い自由詩は自由詩カテゴリへ。短歌批評は散文のカテゴリへ
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