鈍色の唱の季節をかきまぜて微笑み交わす龍とけだもの
視が視から離れるたびに近くなるけだものは視る光のみなもと
おまえには自身を射抜く弓がある行方知れない弦のけだもの ....
獣切り
草の根裂いて
地下茎割り
鱗茎剥いで
鍋にぶちこむ
梅雨明けの
夜空に開く{ルビ紫陽花=あじさい}は
ひと間に消える
夏の夢かな
女一人二十過ぐれば寂しくもありケーキに増えるロウソクの数
父親が母と婚約した年にとうとう追いつく二十二の冬
{ルビ後=ご}にまわり我の影、という君がいて 君に見えざる影 我にあり
『君がため』 粘土で出来た{ルビ人形=ひとがた}は受け入れがたき奇形児となる
夕焼けに踏みだす我 ....
「大丈夫。」
そう言ったのは君のためだと、そう自分に言い聞かせた。
「大丈夫。」
返す言葉はこれ以外に無いというほど繰り返した。
「大丈夫。」
表情筋を酷使して営業ス ....
冷たい温度で滑り込む。pianoの音で涙する。
這う指の、意味を形を、記憶する。
言葉鳴り、零れ落ちれば、悲しい哀しい、凍る瞬間。
泣く事と、自傷だけで、生き抜ける?
恍惚に身を任せれ ....
絶え間なく注ぐ雨には『HOWEVER(どのように)』「愛」という名をつけたのだろう
千本のナイフが胸に突き刺さり『愛』を流して崩れるカラダ
忘れたくないこの愛よ思い出よ二度と目覚めぬ様に凍 ....
夜は更けり
桃の甘きに
酔わされて
涙溢るる
みつきの空よ
{引用=
(透明な感性とやらがほしくってそれは犬とか食べても安全?)
}
ビー玉が散らばる雪の校庭を裸足で乱そう(見つからないように)
息を吸って吐いて吸って吸って吸っ ....
モノクロの極彩色に手を沈め感じるままに朱の月
白と黒そしてそこにはひとつ朱彩りのある世界を望む
パサリパサリと散りゆくは解いた朱の花になりけり
魂の欠片ごと一片も残さず食いち ....
朝口の犬とのサンポ日課とし
夫征きてより一年過ぎし
さよならと言い切ってからその後で未練がましく抱きたい夕べ
しみったれた笑顔ばかりでへらへらと浸かり込んでく夕焼け小焼け
魂のあふるる時に泣くんです 産まれた時もそうだ ....
落ち葉炊きこの子の頬も紅くなる重なる衣一つ我が手に
紅葉を川面に移す澄んだ水雨音聞いて山は隠れて
聞こえてる耳元囁くあの晩は重なる気持ちずれる今なお
寂しさを感じるそ ....
あと少し
伸ばせば触れる
その距離を
縮めることさえ
躊躇うゆび。
あと一指
触れる間際に
鳴るベルに
気力は削がれ
離れる熱よ
小指だし
交わした約 ....
枯れかけたコップの花に手を当ててげんきになれと口には出さずに
きみからのメールはいつも一行でだけど保護するそれしかないから
さいていだと百回唱えて酒を飲む外は子供の走る足音
使うあて ....
ひとりしか居ない器を器ごとひとり呑み干す冷えた指もて
呑みつづけ呑みつづけても酔えぬのはただ両目から流れ出るため
道を燃し壁を燃す手を振りほどき歩む ....
水晶を砕いてください船底でふゆの花びらかくまうように
捨ておいた言葉に幾度も拾われて星座のたもと鋭角を知る
閉じかけた波音の日がよみがえる月の鏡の無言を浴び ....
白空のヒビは街路樹の冷たい手 聞け言の葉の声をココロで
外套の襟をかすめる単音のグロリア今宵は木枯らしのイヴ
待ち合わせ ほんとは早く 着いたけど わざと3分 遅れてみたの
待ち合わせ 仏頂面は 照れ隠し 昨日何度も 練習したんだ
窓の外 恋人同士が 歩いてる あたしと君も そう見えるのかな
い ....
買った父が誇らしげに笑う。ぎゅっとつまった、初みかんの味。
暮れどきに見た木の、やわらかな色彩に、心からこの町をいとしいと思う。
天気予報見ずに失敗した、とふるえるあなたに、この赤いマフラ ....
「《本当》は
秘めてこその本当だ」と
言わんばかりの
嘘つきあなた
黒板の日直欄は空っぽでもう聞こえない幼い号令
すみっこでカロリーメイトをかじってる後ろ姿に見覚えがある
段ボール製のアポロの操縦桿左に倒して難破しようよ
....
今年もまた
やってきたんだ、
クリスマス
何をお願い
しようかなぁ??
そうだなあ
君にいてほしい
去年と同じ
何もいらないよ
隣に君が
いてくれたなら
彼女と僕が
....
逆さまの絵が文字になり唱になり降り来るを視るひとりけだもの
かけらからかけらを生むはおのれなり触れもせぬまま砕きつづけて
水涸れて見えぬ片目に見えるもの ....
みかんみかんみかんあ・な・た・の・み・か・ん!ほら口の中がすっぱくなった。
あははははははは自分の急所もそこだから刺せないんでしょ?えいっ!。
囚わ ....
何気なく「おはよう」なんて言わないで声が震えてオーバーリアクション
初デート肩を並べて歩いてもあなたの歩幅は速度オーバー
長電話疲れてるんならやめればとオーバーオールのあのこが唄う
....
この恋は無色の花火だ
きらきらと焼失してゆけ
plastic piece
終電の流線形の窓の灯を数え切れずに途中下車する
くずかごに名前をちぎって捨てる朝
涙はなんで ....
すれ違う 落とした視線 見つめるは
ただ一度だけ ふれた指先
{引用=
フォークダンスは学生の特権だと思う・・・
}
....
枝の端に
咲きぬ君に目もくれず
落ちたその時
恋初める僕
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