日雇いに登録したけど魔がさして買い物し過ぎて地獄に堕ちる
日雇いで働くことを志す今日の思いも明日は消えるか
沈んでるいつかの冬の奥底に
春知らぬまま消えた季節よ
向日葵の鮮やかさほどの白さかな
恋を重ねし色も重ねし
大胆に時には装う花もあり
見渡せば冬の枯野原
霜焼けの愛する人の手を ....
廃校の焼却炉にある入口に「大人禁止」と落書きしてみる
前足を失くしたぎこちない夜と散歩しているひとりきりの部屋
ループする16系統降りられずブザーのありかを君はしってる
....
サラエボの母と娘が笑い合う姿にもまた戦火の名残
黄昏が
あなたの街だけ照らす様
闇の下噛む、下唇よ
日雇いで働こうかと思ってもすぐには取れぬ怠惰のしるし
庇護の中から無知のまま歩きだす
不安を抱き信じる道へ
愛ひとつ
この身に余る温もりが
家を離るる支えとならむ
「孝行したか」と問われても
不孝ばかりを思い ....
ひもじさで己の足を喰ふ蛸を真似て己の爪を食む夜
霊長類以外は死なねばできません死んださかなの目といふものは
二枚貝裏と表は同じ顔見習いなさひ二枚舌の君
一〇五円で買える二匹の命かな二 ....
現代詩フォーラムは{ルビ試薬=クスリ} 日本語を知ってしまった僕らのための
明日からは飼い犬として生きていく これも決して容易くはない
あん時ね、蚊に刺 ....
禁色の恋醒めやらぬ夕べにはピアノ奏でつ思ひを凝らす
口見ればフェラして欲しくなりにけり冬の日暮れのよく似たひとの
鈍色の唱の季節をかきまぜて微笑み交わす龍とけだもの
視が視から離れるたびに近くなるけだものは視る光のみなもと
おまえには自身を射抜く弓がある行方知れない弦のけだもの ....
獣切り
草の根裂いて
地下茎割り
鱗茎剥いで
鍋にぶちこむ
梅雨明けの
夜空に開く{ルビ紫陽花=あじさい}は
ひと間に消える
夏の夢かな
女一人二十過ぐれば寂しくもありケーキに増えるロウソクの数
父親が母と婚約した年にとうとう追いつく二十二の冬
{ルビ後=ご}にまわり我の影、という君がいて 君に見えざる影 我にあり
『君がため』 粘土で出来た{ルビ人形=ひとがた}は受け入れがたき奇形児となる
夕焼けに踏みだす我 ....
「大丈夫。」
そう言ったのは君のためだと、そう自分に言い聞かせた。
「大丈夫。」
返す言葉はこれ以外に無いというほど繰り返した。
「大丈夫。」
表情筋を酷使して営業ス ....
冷たい温度で滑り込む。pianoの音で涙する。
這う指の、意味を形を、記憶する。
言葉鳴り、零れ落ちれば、悲しい哀しい、凍る瞬間。
泣く事と、自傷だけで、生き抜ける?
恍惚に身を任せれ ....
絶え間なく注ぐ雨には『HOWEVER(どのように)』「愛」という名をつけたのだろう
千本のナイフが胸に突き刺さり『愛』を流して崩れるカラダ
忘れたくないこの愛よ思い出よ二度と目覚めぬ様に凍 ....
夜は更けり
桃の甘きに
酔わされて
涙溢るる
みつきの空よ
{引用=
(透明な感性とやらがほしくってそれは犬とか食べても安全?)
}
ビー玉が散らばる雪の校庭を裸足で乱そう(見つからないように)
息を吸って吐いて吸って吸って吸っ ....
モノクロの極彩色に手を沈め感じるままに朱の月
白と黒そしてそこにはひとつ朱彩りのある世界を望む
パサリパサリと散りゆくは解いた朱の花になりけり
魂の欠片ごと一片も残さず食いち ....
朝口の犬とのサンポ日課とし
夫征きてより一年過ぎし
さよならと言い切ってからその後で未練がましく抱きたい夕べ
しみったれた笑顔ばかりでへらへらと浸かり込んでく夕焼け小焼け
魂のあふるる時に泣くんです 産まれた時もそうだ ....
落ち葉炊きこの子の頬も紅くなる重なる衣一つ我が手に
紅葉を川面に移す澄んだ水雨音聞いて山は隠れて
聞こえてる耳元囁くあの晩は重なる気持ちずれる今なお
寂しさを感じるそ ....
あと少し
伸ばせば触れる
その距離を
縮めることさえ
躊躇うゆび。
あと一指
触れる間際に
鳴るベルに
気力は削がれ
離れる熱よ
小指だし
交わした約 ....
枯れかけたコップの花に手を当ててげんきになれと口には出さずに
きみからのメールはいつも一行でだけど保護するそれしかないから
さいていだと百回唱えて酒を飲む外は子供の走る足音
使うあて ....
ひとりしか居ない器を器ごとひとり呑み干す冷えた指もて
呑みつづけ呑みつづけても酔えぬのはただ両目から流れ出るため
道を燃し壁を燃す手を振りほどき歩む ....
水晶を砕いてください船底でふゆの花びらかくまうように
捨ておいた言葉に幾度も拾われて星座のたもと鋭角を知る
閉じかけた波音の日がよみがえる月の鏡の無言を浴び ....
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