帰り道どちらともなく寄り添って愛合傘の出番待つ雨
大空に広く佇む白い雲青い破片が刺さって消える
夕焼けに手首の傷は照らされて思わず光るリスカした夜
ほら、ごらん、寒さのなかのひだまりが「僕に帰れ」と言っているんだ
そうだねえ、最後に見たのはいつだろう。街に消される私の影を
その風の強さを不意に迎え撃つ、来たのね、春が、猛スピードで ....
まだ昨日。聞こえていないフリをした、
あなたの目が忘れられない。
客観を武器に主観を振りかざす。
何が正しいのか、わからないままに。
ありがとうなんて、たくさん言わないでよ。
....
新鮮な林檎のジャムを店頭に並べて僕は冬に近づく
朝起きてすぐのあなたは無防備で私を守る強さまだない
朝が来て夜が来るまでクールでも甘えん坊になれる真夜中
おだやかな雨のすきまのファンタジア、合わせ鏡に時計を捨てて
お逃げなさい、鳥のかたちの切なさよ翼が翼を捨て去るまえに
細々と千切れて可憐な嘘ばかり燃やせやしない夕暮 ....
もういいよ 判るよ十分 物語る
連絡来ない 時の 分ほど
こぼさずにすくってみたら戸惑いも愛しく思うバスルームでの
シャンプーの匂いと泡とやさしさもひとり占めする君の後ろで
悲しいと誰にも言えずにトイレの中 ひとりトイレットペーパーを千切る
ゼロでいいむしろマイナスでもいいよ 大凶の可能性何パーセント?
後れ毛を引っ張り君をつかまえて触れるうなじの柔ら ....
もう少しだからと笑って嘘をつく僕を泣かせられるのは君だけだ
窓から見えてるあの水色は何という名前ですかって君が尋ねた
「窓ガラス割って飛び出してしまえたら」ここからじゃカーテンすら開けない
馬鹿みたい馬鹿みたい
君はきれいなくせに僕に嘘つく
あの時君の指先が摘まんでいた
チョコの形覚えてる
何処までだってつれてくよって
私それが嫌だったの
またねと言って走り去る背 ....
あの時に初めて気づく君の愛今まで僕は何してたんだ
夕べ観た夢に出てくる湖で泳げないまま壊れた続き
泳げない魚になんてならないと必死に泳ぐ僕の人魚
雨の中きっとこないと思いつつ「もう少 ....
ほしいのは鋭く研いだ剣よりも手製のやじりで衝くようなキス
唇をあわせたままで手を握り締めても離れてしまう気がする
このキスがオープニングになればいい どうやったってエンディングだか ....
ただ流れ落ちる鼻水は淡泊な/セックスのようなやつだ。
頑張る鼻水はティッシュちゃんにひとめ惚れをしてしまったのさ。
きみの鼻水でてかてかの袖口さえも ....
捨てられるものより捨てられないものの方が多いと気付いて泣いた
流れ星 まばたく暇さえ与えない またたく間にぼくらをスルー
きみのこと嫌いになれると思ってたのに目が合うことが えへへ ....
お別れの手紙もらって読んだ後小さくたたみ無きものにする
伝えたいことは一つも言えなくて雨降り続く日々そこにある
空というワイン飲み干し酔いもせず季節外れの風鈴鳴らす
テキトーな敵と戦っているので小指は常に滴っている。
ふて寝してる布団の中のオトンの額のフォトンよ永遠に!。
如何なものなのかしらね異化なものなの ....
吐く息は白いのにどうしてこんなに胸の中は悪意ばかり黒い。
ぷちぷちを潰しながらぷちぷちに潰されているよな午前三時。
殻で笑ってぐつぐつと割れないよう ....
永遠を誓い交したあの夜の月とか星が証人となる
彷徨える歩道の隅に咲いている名前なき花世間を覗く
いらっしゃいませお帰りくださいチ球はそんなにでっかくありません。
チ球の背骨の数は何本?でんぐり返りしてから数えよう。
ストロー突き立てぶくぶく ....
持ち越した 次の夏への思いでは いつまでたっても奇麗なままで
【短歌八首】「風花、みぞれ煮ぼたん鍋」
猪を狩りて山の慟哭 ねずの空から 風花、みぞれ煮ぼたん鍋
かつをがマクドナルドに行きたしと言ひ 釣ざおかつぎてバケツさげ
赤く ....
年齢と同じ点数とったテスト
二度とは見ずにヒコーキとなり
花咲く日くるまでさみしくないように
今きみに魔法をかけようか
春風に眠気を催す五時限目
我夢でナポレオンと結婚す
ア ....
君を知るはじめての雪くちびるに
触れるまもなく溶けゆく微熱
汽笛過ぎたどる鼓膜に降りかかる
{ルビ細雪=ささめゆき}かな哀しみかすか
綿雪がいつか隠してくれるま ....
ポカポカと暖か過ぎる冬なのに異常気象は人間への罰
昨日観た夢の続きは目の前で正夢となり動き出す恋
眠れずに夢と現実に挟まれてサンドイッチの胡瓜の気分
抱く、抱けない、花占いの吐瀉物をすくいあげ我の濁流を知る
注がれることは満たされることとは別の話だとわかっていました
不純物が混じっていたのか培養液 自滅という名の細胞分裂
....
待ち合わせ場所はどこかの曇り空ばかりが続く駅かバス停
大波が小波を飲み込むように冬 芒ヶ原に消えゆくふたり
砂浜に打ち上げられる夕焼けの淡い波間に拒まれながら
....
夏の森 名前も知らない木の下でキス ぼくらは陸のゴールドフィッシュ
懐かしき結び目ほどき触れてみる あの日の君にも今ならきっと
目をそらし再び合わすその感覚にいつしかとりつかれそう ....
空つかめ空つかめよと叫ぶ声かたむけるたび赤く咲く声
ふいに鳴る{ルビ雷=いかずち}の背に乗せられて紅もこがねもむらさきをゆく
眼球の影わたり鳥つらなりて夜の城門 ....
バリバリと板チョコ食へば冬の夜腿の辺りが寒く感じぬ
黒猫が今横切った瞬間を写真に撮った?わからない影
かみさま、と呟く少女少年の描いた絵画に無い色が好き
ヴァイオリン壊したことがあるひとは今すぐ足をあげてください ....
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