春はそう、不誠実にも始まってリセットボタンに手が出る日曜
不意に鳴る着信音は君からで、春が終われば設定消さなきゃ
口笛をエプリルフールに吹いてみる、嘘としておくひとつの別れ
さよ ....
約束の日が待ち遠し 指を折り 折々君への思いも募る
効率という言葉から程遠く 君待つ時はただ過ぎていく
募らせて逢う時のため凍てついた手足の固さ心に刻む
玄関に近づく足音聞きながら ....
雪のない窓辺に指で描いてた心の傘揺れ揺れて泣く
水色の雨桃色の春橙の朝銀色の海辺の記憶
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暖かい
春の時間を
刻みつつ
チャキチャキと
鳴る
電気時計
頬染める
二人の未来も桜色
静かに心を映し出す
甘い甘い苺みるく
たましいを明け渡す日が近づいて焼き尽くしてる悲しみぜんぶ
彼死んであなたも死んでわたし死ぬ繰り返そうよ全滅リセット
さようなら踊りあかして汗まみれくたびれたけど休んで次 ....
水際立って幸せなレースクィーン光る木の実を拾いけるかも
解体されつつある自動車のボンネットに座る漲る太腿
あれは鳥でなく鳥という言葉だと思えば悲し椋鳥三羽
メニュー見て嬉しそうに悩んでる君悩ましく恋なりがたし
酒を飲め肴につまめ明太子 伝う思いを整理しておけ
軟骨の唐揚げを噛む唇が妙に艶やかレモンの香り
カルピスのチューハイ飲んで輝かす ....
花びらが、ひとつふたつと去っていく、梅がしりぞき舞台は春に
起きぬけに「おやすみなさい」言う君へ春といっしょに僕も近づく
青空のパレット鮮やか黄緑にうすもも混ぜて春色の君
そう ....
きみのもと 光届ける 配達夫 エッチラオッチラ 銀河を超えて
約束の 証にあずかり 君の名を 帰ってこいよ Astronaut
Universe ぼくのpieceが 散らばりて ぼ ....
図書館は雪の日だけに震え出しあのころの君が恋しいという
28ページの11行目には笑っているね一年前が
赤い花なつかしくなる背表紙にインクの出ないペンでサインヲ
瓶詰めの淡い桜の花びらに葬られている背骨がふたつ
水仙を手折った君の指先が夕陽で赤くて綺麗で恐くて
ぬるいよる鏡の自分と目が合ってさびしそうだねって笑ってあげたの ....
風立ちぬ寒き手紙は寒椿花ぞ散るちる紅(くれなゐ)は君
せせらぎの凍てつく青に紅を差し夕闇となる寒椿かな
寒椿君のかわりに影連れて影が消えれば指先は夜明け
....
駆け込めば乗れたかもしれない電車「危険ですから」我は見送る
この手から生まれた飛行機 美しくなくてもいいけど飛べその翼で
また一歩一歩と近づく頂上は私の目指す場所だったろうか
少年は ....
空中に浮かんだ花を掴みたい無理して夢を壊してみせて
顔の無いひととたくさんすれ違う朝のホームに溢れるひかり
階段があるなら上がる本当は下っているとわかっていても
....
手も繋げないふたりのため放つほうき星に気づけよ早く
「いま」という奇跡が途切れないように 句読点のない日本語で言え
10年後のぼ ....
かろうじて保たれていた平衡が崩れてそれでも世界は終わらなかった
お野菜を炒めてパラッと塩コショウ、君への好きと手順が似てる
コロッケにソースをかけてる君がいて、僕は醤油を取りに行く午後
だから、そうファミレスにいる主婦たちはのべつまくなし春一番のよう ....
空爆に叫ぶ地もあり どんよりと優雅な午後のこの一時に
雨よりももっと激しい晴れの日が過ぎていく 広い広い世界で
対岸の大病院の灯り皆消えて 天井の闇 見つめる人も
台風の接近告げる声 ....
売れるような指ではなくて、マニアックな人がこれいくら?いくら?と聞いてくるだけ
ただそんな彼女を羨んでいたんだよ?「ごめん」でこの世からいなくなるなんて
「似てる」 ....
「パトラッシュ もう疲れたよ」 ひとりごと
納期に追われ 今日も眠れず
「青」と「黒」 その名を背負う少年が
教えてくれたルーベンスの絵
名作をCR機で想い出す
大当たりから薄れ ....
じっとしてそとくちづける桃色の
耳たぶに来る忍び足の春
いきおいで踏んでしまえば近づける
春も黄色の君がソックスも
風は吹く髪に小枝にからまって
うぐ ....
今夜だけ君のためだけ降るだらう藤山寛美座大流星群
とりあえずどんな顔だか知りたくて鳩撃つための豆鉄砲造る
爪立ちて吾に接吻す百五拾糎は嘘だつたんだねまりちやん
やはらかな舌に受けた ....
無造作に枯れ花捨てる気安さで 我も誰かを傷つけ来たり
マニキュアの光は鈍く武器にすらならぬ女の小道具として
雲隠れしたのはわたし 月もまた夕雲の陰泣いているだろう
愛こそが熱の媒体 ....
赤信号を誰も見つめなくなったね みな親指にだまされてるね
液体が揺れて、右往左往している、栓の在り処は知って/いる、け/ど、//
『……言動は意味不明で取り調べは難航〜』 羨望でニ ....
カチコチの雪見だいふくに寝そべれば月が星がと夜が袖引く
工場長 小さな頃に書いた夢「はあとのピノをいっぱいつくる」
「北極に帰りたいの?」と「しろくま」のフルーツに ....
灰皿につもる吸殻 砂時計よりも確かに時を刻んで
思春期は置いてけぼりで悼みすらなく見上げいる二十歳の空よ
夕焼けに溶かされてしまえ 毎日をつくる形のあるものすべて
くすぶってむしばん ....
二行目の感情をうたうドレミファソラシドの次のこわれやすいおと
マイブームは立ち入り禁止のこの庭で溺れるための井戸を掘ること
思い出はぜんぶさくらのいい匂い/スロウ/な/シャ ....
きみからの
返事 「どしたー」
それだけで
幸せ満腹
恋じゃないってば
吾の中に沈んだ言葉掘り返す道具を空に忘れてきたり
一人でもよし我が言葉狂うほど愛する人と出会ってみたく
稚なさを勢いで継ぐ時期は過ぎ底をさぐれど我見つからず
雪降らぬあたたかき冬 成 ....
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