春夜まとふ身いつしか見えざる東北(トウボク)の桜花幻視する
人気(ヒトケ)なき通りをマネキン誘拐され行く春の日うらら
早婚の少女の睡眠浅し桃色の指先のプレリュード
有限の
光を浴びる
金木犀
春も私は
生きているよ
仕事の憂さ忘れ彼女と四回戦
それでも朝はやってくるもの
夜に咲く恋にうつつの吸血鬼
それでも朝はやってくるもの
仕事なく金なく友なく死ぬ気なく
それでも朝はやってくるもの
....
で、話は終わり。裸足の夢をみる。歩く他には何もできない。
ヘイ!般若、おまえのしかめっ面に落書きをしていたガキだった頃
浴室に溢れる涙どんだけの悲しい嘘を喰らったのだぃ?
今さっきあんたと会った夢の中?いやいや夢の中ぢ ....
「会いたい」とボールド書きして適当にアド打ったメール
ネットを走る
憎んでもいない母の首
嬉々と斬ってかかえて警察に走る
出来立てのスーツをまとうピュアハート
たくさんつんで ....
きみだけが全粒性の愛しさをコップに入れて水で溶かして
いつだかに落とした恥と外聞がひかれていくのをそっと見ていた
お互いのなみだをまぜるセックスをしたいとずっと思っていたよ
....
サラリーマン 足だけ歩く ココロ置き
軒先干され 風に揺れてる
作詞家でプロデューサーでフィクサーで
康範仮面は誰でしょう
中耳に日章旗解けをり回廊に夥しき英霊
王国蜃気楼の彼方呼べども昔々在りしとて
サクラ舞う御所の雅楽を耳にして
華奢な手をひき寒梅館へ
今日あの子来るか来ぬかと街角で待つ彼の上降る小ぬか雨
桜花雨に散らされ踏み潰れ
やがて流れる赤い廃液
長雨となるたび庭に出て土をかけ直す
妻
目覚めるなよ
と
今 ....
ケイタイより幻聴の狂想曲(カプリチオ)その日の午後少年失踪す
杳として知れざれば黄昏に少年マッチすりをり
小屋立てば芝居の怪人隠れ住み若者誘う
劇スパイラル
板の上かたく抱き合うお芝居の稽古を夜も続ける二人
午前2時
公園の隅で{ルビ台本=ほん}を持ち叫ぶ台詞よ
届け世界へ
....
アッラーがなんか言ってる。えーと、明日、ドラクエ買うのに休むんだって
こんな娘じゃないはずだってこんな娘じゃないはずだって結婚をする
昨日、みみが長くて、頭についてて、体の真っ ....
この腕の千切るるほどに遠くまで投げたきものは春のみずうみ
遠吠えの先端を夜に梳きこんで星にまぎれた魂ひとつ
恒星は渦巻く夜を抱きしめる 輝いている自覚はなしに
思い出が次の一歩の糧となる 今はもう亡きあの赤い星
....
夜街にて拾いし花びら手で握り
開けばあらわる恋待ち娘
思い寄せる二軒隣のあの人の部屋の前に落ちたる合鍵
恋別れ衣食生き死にあるごとに我は現れ言葉を拾う
日だまりに停車してある軽トラできらきら光るホットサイダー
おじいちゃん早く渡りな大丈夫道路は三途の川じゃないから
祝日に国旗を掲げる家なくて家主の世代交代思う
....
四十万キロ越え視線を反射するあたしが決めたい月の満ち欠け
前髪がするりと頬をなぞります無いものねだりはまだつづきます
おもいでをつよくなぞってみたけれど濾過をするにはまだ足 ....
生娘の桜のような唇を冒しがたくておでこにキスする
つきたての餅のごとくにふわふわの稚児の足裏
口びる寄せて
わが手にて花が開いたばかりなる君のお口に熱いキッスを
「この ....
忘れたい記憶の棘は背に潜み
忘れた頃に足裏に落つ
腕ずくで乙女のしるし破られた記憶消したく
夜の街に立つ
同窓会 だみ声聞いて思い出す
孤独な私をなぐさめた君
キス ....
「さようなら」と転校する君
好きだよと言えずの初恋思い出になる
間違えて入った教室で着替えする乙女の姿しばしとどめん
喧嘩ばかりする娘(こ)が下駄箱に入れたハートのショコラ
直 ....
きみの持つ柑橘系のやさしさがあたしほんとは好きだったんだ
気まぐれに教えてくれる真実にどんな他意があるのか見せて
名字じゃなく名前で呼んでいいよって言われただけで口笛だね、春
ぎん色 ....
うつせみの なくこの世あり ひびきすみ青やかになる み空の高さ
{引用=※ 現人(うつせみ)=?この世に現存する人間。生存している人間。
?この世。 ....
許すから風に微笑む雪柳かつての罪人への返事か
{ルビ小米=コゴメ}ちりばめ咲く花の追い風に隠れる笑顔と剥がれた小雪
紫の裸の菊を見た朝に都忘れた事を忘れない
....
「できちゃった」
あわてふためく彼を見て笑ったその夜
吐き気もよおす
「彼のことあなたより好き」なんてこと四月一日なら言っていい?
「核爆弾爆破させる」と怒鳴りあげ無視される中 ....
{引用=文法も含めて全てウソです。}
ねえ、君に今から会いにいくんだと、春にまぎれて言ってみるんだ
花冷えの朝におはようという君へ口づけそっと罰ゲーム送る
キチチチチ、レモンスカッ ....
ればならば にらればなりて らばならぬ
にらにるなれど らばなりがたし
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