○夏去る歌五首詠める
暦での夏が過ぎ去り蝉の声いのちを絞るこえ哀れこえ
陽光に差す日傘手にふと折りたたんでは陽の道歩く女(ひと)
夕暮れに水まく庭の静け ....
この夏を忘れないため息止めて流れる涙の熱さを感じた
ナイーブで責任感が強いきみ、参っていないか心配ですが
大丈夫? を重ねる語彙の少なさは愛の欠乏かもしれない
繋がらない電話と返事のないメール、履歴が浮かぶ消灯後の部屋
圏外か電池 ....
八月の終わりが夏の終わりなら何かを始めなくてはいけない
開戦の口笛が一つ鳴り響く ヤングフォークに歌はいらない
デイトリッパー僕たちの体では短歌は二度死ぬいまかいまかと
僕た ....
空っぽの君の心は僕のこと吸い込んでもう離しはしない
熱帯夜なのに鼻水ズルズルであなたの嘘を考えている
いつまでも踊っていられるはずだった真っ赤な点滅信号の下
....
地図でしか知らない街へ歩きたい持てる荷物と君と二人で
黄金の秋の世界でコーヒーを飲みましょうリスを見守りながら
「すまない」といつか未来で言うだろうきっと言われてまた言うんだよ
愛だ ....
別れぎわにキスをして手を振って帰りのコンビニでふと…こぼれて。
なみだに濡れた千円札なにごともなかったようにレジに消えはいさようなら。
ひひん!と馬とし ....
おとこらしい彼にぴったりのブラジャー選びリボンをかけてカーニバル。
おんならしくおとこらしく殻に閉じこもりつまらない交尾ばかり。
重なりあわないからだゆ ....
なにひとつ盗まず手首を差し出して捕まろうとするあなたが憎い
売り出され地中海まで運ばれて回すつもりで回されて乙
大海の波にのりのりサムめらがよんよんよんと単発で乙
マリリンもマリンもサムと海賊に剥ぐ剥ぐされて露と散るかも
「めざめろ!。」と肉をなぶる指がもどかしくてぎゅっと首筋を咬む。
ほてる肉塊を押しつぶし舌先にひとつぶのスパイス効かせて。
気に入らない窪みさがしだし唇でき ....
球形時間に道端でまるまっていると猫がやってきた。
猫はとなりで球のようにまるまりぐるぐると喉を鳴らしている。
タマと呼ぶと「にゃあ。」と鳴いたので猫はタマにな ....
否定すればするほどすくすく育つあたしの中の黒い世界樹。
信じられるひとからひとりひとり刺して殺してぱっぴーばーすでいとぅみー。
舌先でとがったことばを削 ....
薄青き
夜明けみるみる
朱に染まり
今日という日が
荘厳に開(あ)く
波の音
聞こえたようで
振り向けば
遠い晩夏の
私がそこに
さわやかな
....
日没を追い越したくて海岸線
灯台よ、まだ闇を告げるな
たき火して語り合う手の缶ビール
温んでいくのはだれのしわざか
まっさきに真っ赤に落ちてしまうのも
....
ずっと返してくれると信じてたことばが虚しくてひとり弄び。
足に連れられて歩いてゆくはなしかけることばもないままにただ。
残酷な別れのことばばかり見付けて殺す ....
1ミリも信じられない人がいて縁を切りたい自分のことです
信じない。大人のことは信じない。気付けば自分も信じられない。
君のこと信じているよ夕食の羊はコレステロール上げないん ....
ひとさし指とひとさし指を交差してキミは赤信号を見つめる
月明かり 銀色 夏のいない風 アスファルトにはまだ夕立が
だめですかきっとこのまま月光を弾かないように破った楽譜
例えばあたしがあなただったらもっとやさしくあたしを抱き締めるのに。
クリトリスをちょん切って喉ちんこに付けて歌いたいの大声で。
....
Tさんと僕との距離は引き潮の朝の波打ち際の音
繰り返す君の名前は永遠に波間に揺れる太陽みたい
波に浮く空き缶目掛けて釣針を投げ合うようなぼくらの会話
粒と波波 ....
誰も来ぬ道へたっても止まってる歩いた風の走った自分を
球場は斜めの光開始せず寝ころんだ床の行かずに死んだ
革命的この歌い手のふりはせずネック押さえて壊した夢を
尾崎豊 ....
泡だらけの手であなたを掴みにゅるにゅると手なずける逮捕前夜。
汗まみれで犯行に使用された「凶器」を握り締め眠る安堵は。
トリックを解くようにフロントホックを ....
知らんぷりしている 愛というものは見えないところにあるべきだから
ハッピーバースデーすらも言ってくれないひとの相談にのっている夜
わたしにもそうして ....
八月の砂浜歩くカップルの背後に見える偽物の夏
薔薇にある刺より痛い失恋の痛みに歪む若者の顔
ヤマタノオロチ殺害のスサノウも同じ蛇虫
民衆だます自作自演
神道の虫ずが走る天皇も
皇居の穴に巣くう蛇虫
腹の虫に乗っ取られたり日本 ....
あてもなく書き滴ることばはいつもあなた宛てなのに届かない。
産んだ憶えもないおとこずっとおっぱいに吸いついて離れない夜。
空き家にしのび込むようにあたし ....
除光駅では星たちが手を繋ぎつぎの太陽がくるのを待っている。
惑星になった気分で飛び乗ってなのにここは居場所じゃない気分。
降りる勇気もないのにつぎの駅つぎの ....
ドライブから
フロッピーディスク
噴射さる
受け止めよメガネ男子
五七五理牌すれば
七七五
七が揃わずお化けボーナス
抓んでは弾く算盤自己破産
七を揃えてビッグボーナス
キュイイン
ピンピンロクの一本場
ピンピン急に君に来るかも
....
味噌汁が食べたいけれど味噌が無く、君のうなじを舐めている午後
汽水湖にたゆたう2人は夢見がち寝息の数だけ押し戻されて
星型のピノは拝んで埋めました。幸せになれるかな?私たち
雨音で隔 ....
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