{引用=
夕闇が溢した色は夢だった 羊水でみたひとりの夢だった
猫足のバスタブの中ふやけてく わたしの小指を食べちゃえば良い
ひとりきり生きてる夜はおなかの中 呟いていた ....
一月三日
コバルトの湖にさざ波白く立ち一月3日並木道ゆく
さびしげに男が一人道よぎる生業は何をなすかとふと
「がんこ堂」面白き名の書店あり名に惹かれ寄りたく思う
珍しくな ....
{引用=
笑ってない、笑ってないけど(笑)マーク つけてあなたを笑わせてみる
会いたい。と送ったあとの沈黙が 咽の真ん中ぎゅうっと固まり
今はただ「愛してる」の文字よりも ....
遊星にあそぶ有人飛行体。君の言葉は○や△。
声高に春春と鳴いても、僕の耐えられないのは凍る鉄塔。
街に現れたオーロラは、三夜輝き消えた。僕はみえなかった。
古い写真は砂漠 ....
大花火合間合間にキスをする笑みを浮かべた天使に出逢う
髪染めて気分変えれば鏡には綺麗な自分こっちを見ている
最終の列車に揺られ見る月に疲れの度合い示す円グラフ
ワクチンを打つため並ぶ ....
沈む森空覆う森踏みつづけ隠れる陰なくさまよえる象
足跡のかたちに残る氷から時かき乱す水の手を知る
母を呼ぶ子を呼ぶ誰も居ぬ道の果ての果て ....
{引用=
理由しか言ってくれない舌先に 角砂糖一つ乗せる雨の日
小さくて子猫よりもやらかくて 明日には消える初雪みたいで
五月雨の震えるような優しさは 今日よりも先、明日 ....
{引用=
ごめんねとさよならばかりを繰り返し わたしの傍で疲れて眠る
なんでかな、沼のような沈黙は 全部わたしのせいだと思う
20センチ高いとこから見られると おなかのう ....
六本木合成麻薬再逮捕保護責任者遺棄容疑だね
真っ白な ノートの上に 書く文字は 私の記憶の 旅をしている
思い人 お元気ですか 文字に込め 白い便箋 黒く染めゆく
冬空に 浮かぶ白雲 風に乗り 行方を見つめ 夕日が沈 ....
朝露の広野に向けて旅立ちし若者の背は広くたくまし
船出その時刻せまりて早鐘の心臓打てりつよき若者
先生が悔いを残さず生きろと言うたった一度の人生だから
浴衣着て線香花火一つ持ち飛び散る夏に切なさを見る
言いづらい質問されて聞こえないフリして実は心に刺さる
母親に男を見る目ないのだ ....
寒いねと出したその手を繋ぎ合いふと空を見る夜半11時
お互いにサヨナラ言えず見つめ合う終電憎しクリスマスイブ
もう二度と触れ合うことは無いけれど忘れ難いよその指の温度
二人して旅の魅力を満喫す地獄巡りに堂堂巡り
今も尚禁止している遊びするばれるばれないスリル味わう
浴衣着て一人孤独に火を灯す線香花火に想いぶつける
三階の窓から見える赤い花名前も知ら ....
降り積もる桜も雪も徒にその行く宛を知る者は無し
床を離れつとめて見入る曉雲の紅白藍の極彩あらむ
ビル群の山々より吹く木枯しの歌声を聴き今日も歩く
{引用=
にんげんに「いつか」の単位はないことを知らせるための報せが届く
あたたかくあまいものが頬をながれて部屋は焚いても焚いてもさむい
ほねになるただしい順序であることに最 ....
○ 一羽来て日輪背負いカラス鳴く冬枯れの土手に小用足すとき
○ 風となり枯野駆け往く自転車は赤子の瞳に何を残して
○ オルガンを枯野一面響かせて陽は寒風に反比例して
○ ....
息の続かない夜更け 知らないひとの肩越しに見るアップライト
運命を信じるとか信じないとかはいいから今すぐ抱いてよ
背中からあいしてほしい つまさきからからだは冷たくなってゆく
....
雪のふる音をきいたような気がしてイヤフォンで世界をさえぎる
幸せそうに瞬くイルミネーションをピンヒールで蹴飛ばして歩く
サンタさん、プレゼントはいらないから少し話し相手になってよ
....
隙を見て二人でエレベーターに乗った
上にも下にも行けないのに
思いには歌作るべき種もなく机に座りかくペンをとる
体にも心にも力与えずば気分は失せて骸骨となす
改めて妻と自分を並べみむ彼女こそわが心の絆
無い音が無い音のまま駆け廻る影より疾く影より疾く
花はただ花を呼吸し花に在るわたしたちでなくわたしらでなく
空つまみ冬を廻して雪を舐め夜を分 ....
耳を当て 君の鼓動を 聞いている 唇重ね 一つになろう
夜空見て 雲間に覗く 暗闇に 星の瞬き 生きてるようで
降り注ぐ 雪に音は 吸い込まれ 大地の鼓動 春までお預け
休館日静けさ浴びる図書館の返却ポストは闇への入口
七夕の願い書かせるイベントで永遠よりも今の幸せ
長男が生まれた時に植えられた庭にある木は屋根より高い
窮屈な電車に揺られ会社へと向か ....
簡単がわずらわしくて、快速を降りて隣の各停に乗る
「天才」でも「落ちこぼれ」でも結局のところ生まれるは、ただ劣等感
卑屈だと言ってくださいそうすれば、もう少しだけ卑屈になれる
....
とりあえず雨だからって感傷を君に抱かれる理由はない
前向きにペダルへかけた僕たちの出来事ごっこを覚えてますか?
好きのまま過去に残した人々を未練ではない夢にみている
P.S.に ....
赤いマントを身につけてつとめゆくいつもの妻との7時半
リストの曲静かに響く今朝の部屋姉妹の歌を作りしのちに
もしもしと 繋がっていた 糸でんわ 星の降る夜に ぷつりと切れて
「立て膝であの日たくさんの宇宙船がスクラップにされるのを見てました」
{引用=
思い出は、グレイと紫と青のまじった夕焼け。鉄条網の向こうには、カブトムシの死骸のような宇宙船たちがにぶく銀で光っ ....
窓越しに机に座り学びいる人の姿の好もしきかな
人にとり妻は親しきものにして親子に勝るものにありせば
淡き陽のさんさんとさす朝の路姉妹の車ゆるゆると出ず
朝になす家事のほとん ....
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