ただいっしんに首を振りあたまの中の炭酸ソーダを泡立てる。
ぱちぱちとはじける泡の数だけあなたに言いたいことばがあるの。
泡も抜け残酷なひとが通りすぎ鏡 ....
ふるさとの母の手縫いのつるし雛 幾とせもの春のせてゆれてる
桃かじる 熟すたびに 苦くなる 重ね重ねた 年齢の味
かくしごと 二人だけの 笑顔だよ あの子にちょっと 分けてしまったけど
☆いつまでも飾るお雛様
独身の 理由を母に 転嫁する
「おさめないで」と雛{ルビ愛=め}でた春
☆おさななじみの雛祭り
ひなあられ 「おには ....
見てみろや 踊るボニータ ディアブロが 肉削ぐ糸で 操ってやがる
てくてくと指先のぼるてんとう虫、よそ見してる間にどこか飛んでった
こんなにいたいことば突き刺して今夜あなたの涙がみたいの、
深く刺しすぎた耳掻きはこうばしい脳みそのにおいするなんとなく。
かたつむりの逃げた後をたど ....
きみよりも 月は遠いね 雲隠れ 離れていても 届くよ光
さみしいよ 月が結露で 見えないよ 零れるしずくが 僕を映して
春雨に濡れるこうもり傘を閉じ君をついばむしなやかな夜
樹皮の裡に青年さらに蝉しぐれ少年が行く地球回しつ
少年の消えた浜辺の波がしら寄せ来て浚う貝の墓さえ
頁繰る老眼鏡の横顔はツェペリンさえも侘びて聞かしむ
変なひと影は満腹うつせみの君も君もだチ ....
まっさらな 白いガーゼを 赤く染め 私は大人になりました
きっと前世は 人魚だったのかも 私の間に 海があるから
体内に 地球を抱いて 丸くなる 愛おしむ程 母になってく
振りかざし 性器めがけて 打ち下ろす 鬼の顔した 木彫りの聖母
・・・ルラさんの幻視による
{引用=
まどろむ{ルビ瞳=め}、蜂蜜に濡れたラディッシュ (ねぇきいて I'm crazy for you.)
}
雪だるま保存してある冷凍庫ペンギン国の入り口として
かわいてる ぼくをそっと 湿らせて 水を吸い込み 吐き出すは、きみ
血に濡れた 人差し指を 筆に変え 夕陽を浴びて 樹をなぞる姉
山頂に登れば見える恋の色星の光と混ざり合う愛
梅雨入りし届く葉書を湿らせて滲む言葉に哀しみ宿る
一言も話そうとしない今日の君香水だけが何かを話す
夢の中離婚のことで話し合う浮気相手の ....
冷凍のポテトの間に身を潜め、賞味期限の切れゆく愛だ
気の抜けたとんびが空をとんでいる。コペルニクスに会いにいこうか
我先にと群がる群れより遠ざかり自分ばかりを見る私
土曜日の夜明け切らぬ電車はバラバラな人達を乗せひた走る
上りは楽しみを乗せ下りは疲れを乗せ日曜日は過ぎ行く
....
如月の温くき休日二人して柿右衛門展思い出になる
洋服を二・三点も出されけりどれも似あいて妻はみめよき
妻出勤部屋を出でゆき戸を開けば横顔見せて運転席に
銀の雨、初めて君を知ってから37℃微熱のくちびる
よく見える? そんなわけない 見えないよ 重なりすぎて 見えるわけない
青い空 桜の花が 舞躍り 君への手紙 引出しの中
靴箱に 生徒は想い 詰め込んで ポストみたいと 靴は笑った
悲しみをすえ、そうじきよ。ぞうさんの長いおはなも彼に届かぬ
{引用=
*あいうえおにあこがれている
あってみたい。まだ見たことない朝焼けに ぴったりの名前、つけられる人と。
いまだけを生きているから。いまだけを生きていたいと思って ....
tongueという怪物の棲む洞穴にまず招待の愛の共食い
歯の裏を口蓋打ちつ舌踊る孤独吐くだに異国語になる
恋人は菓子パンに似て買う前と装裂き食らう刹那が美味し
{引用=
夢をみた 睫毛の先にころがる雨を、桃色キリンがぺろりと舐めてた
ぼくきっと、みんなに愛してほしいです。だから眠るの。 青いパンダ
いつだって誰かを睨んでいなけれ ....
君がまだ 更生しない 罰として 僕は自分の 指を潰した
メール待つ そんなささいなことだけど 会えない時間埋まっていくの
コーヒーを飲んで息つくときにだけ 会いたい気持ちにやさしくなれる
会えないと言うならどうして夜の真ん中 会い ....
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