放しても
飛ばず撫でると
目を閉じて
ささやく声で
甘えて鳴く
幽霊が
月に生まれて
ロケットの
斜めの影に
そっと寄り添う
理由あって 理由あって 理由あって
出世の階段 神社の階段 女と階段
踏み外し 後ろ向き ....
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され過ぎ シカト
したくなる
カレの気持ちが いまは分かるの
干渉を
し過ぎる 親と
同じこと
してる ジブンに 汗アセ焦
きみからの
手紙にあてた
水蒸気
他にもなにか
あると思って
空港の
ポストに入れた
絵葉書は
きみに会うより
あとにとどくね
迷ってて
あなたがさきに
言ったから
心がひとつ
コトリと消える
SEXの
思い出だけが
残るから
SEXをする
殺しでもいいが
現場から
現場をつなぐアイポッド
『金がほしくて 働いて寝る』
女性器に 肛門に 男根に
ピンクローズの ピンクローズの ピンクローズの
ルージュ引き ルージュ引き ....
街灯のあかりを月と見間違え、曇り空みて息を吸い込む
エプロンににじみて母は微笑めり氷菓のうへの苺シロップ
母はまだおみなごなるらむデザートの凍れる苺冷凍庫にあり
わが母のちぶさ重しも苺{ルビ熟=う}れ口にふくめばつぶつぶが刺す
帰る度 花がふえてるこの家に 娘はいない(むすめはいない)
赤黒き 赤黒き 赤黒き
ワインのような 夕陽のような ザクロのような
血を啜り 血を啜り ....
散る色と咲く色の下いのる声ゆえ無く香る翳りしずかに
ニの握手二十八の拍手たちその縮まらぬ隔たりを聴く
招ばれずにいるほど闇に近いなら招ばれるものを招 ....
何時の日か
もしも僕が
きみのこと
忘れた日には
ころしてください
エナメルで拙く染めたら指先が赤くたわわにはじけていった
別離なんてこわくもなんともない昨日耳を小さくちぎって食べた
あなたに告げられた一声で包丁だけがぼうと明るかっ ....
残飯を
あさって夜に
うろついた
十九の夏が
蘇る夏
あのひとのことのはひとつひとつにもあのひとがゐてわれをまどはす
***
からっぽであるということ殻ですらないということそれでも私
眠れないまま待っている夜明け前祟るってえならとっとと ....
白い壁 シャッターに 窓ガラス
黒いチョークで 青いスプレーで 赤いルージュで
五線引き 五線引き ....
今僕の涙のわけは退屈で 長くなるので長く書きます
したうえで あなたがうえでしたうえで あなたがぼくを愛したうえで
変態は自覚をしないそれゆえに 変態なのだ これでいいのだ
かし ....
まださむき五月のあさの机にて妻まだ起きず吾は聖書を
風邪をひき咳と痰とに悩まされ五月の連休初日過ぎゆく
愛そそぐ人をえたとのメイル受け子の幸せを神に祈らん
硝子瓶つかんだ手首鳴りひびき緑に映る偽りを燃す
月の角おのれを穿つかがやきのなんという蒼なんという蒼
からだから離れる痛み目の痛み光とまらぬ光す ....
朝が来た また一日の始まりだ 洗面所でため息をつく
自転車が単なる手段になってから どのくらい時が流れただろう
携帯を見つめてるとき 見てるのは画面の奥に隠れた虚無感
....
夜が明けて妻も目覚めて二人してこれからのこと話し合いけり
コーヒーを沸かせて飲みつ春の日の妻の休日過ぎてゆくなり
光さす朝の机に聖書読み部屋にみち満つベートーベン
愛する妻は仕事に出一人聴く交響曲第四番
泣いていることに気づいてほしかった 高い背中がやさしく揺らぐ
いつも無表情の君をゆるませる春の気配に嫉妬している
そのときがきたらやさしくころしてね 桜のにおいをまとうひとよ
....
目を開けた
まま眠ってる
アパートの
水槽の部屋
見知らぬ魚
いきがいの はきちがいで いきちがいになり きちがいになる
何時誰に教へられしか唇に指充て君の哭くメゾピアノ
半袖のブラウスなれば春の夜のをんなの二の腕仄白く見ゆ
らあめんは泣きながらでも食えるのね
「京風らあめんあかさ ....
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【短歌】このカテゴリでは31音律「5.7.5.7.7」を基本とした短歌と、その音律を崩した自由律短歌作品を受け付けます。短い自由詩は自由詩カテゴリへ。短歌批評は散文のカテゴリへ
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