日曜日
『イデミツ・コウさん』
コウさんは
教えてくれた
音楽の意を
お前との夜は驟雨の下で身体の輪郭を描く蝸牛の足で
栗色のお前の肌は鱗粉でお前の愛は蝸牛で飾る
吾が胸は蝸牛で満ちて紫陽花の葉のきらきらを眺めている(指)
どこまでも果てしないブルー憧れは波の彼方に今も揺られて
水平線沈む夕日を背に受けて終わった恋を海に葬る
悲しみは寄せては返す波のよう真珠の涙{ルビ零=こぼ}れたままで
今もなお忘れら ....
{引用=
夜が融け月明かりには雲の群れ網戸越しには緑が漂い
音が消え鼓膜に伝う夏の声雨上がりには雨乞いを
風を撫でていくゆびさきしなやかに瞼の裏で星を見ている
....
広大な宇宙は光に満ちてても君がいなけりゃただの闇だね
ツユノアイダショウネ
ンインハトショカンノ
ヨウカトショカンハシ
ョウネンインノヨウカ
レンガニスミヲヌッタ
ヨウナヨゾラニコバル
トイロノハレマガミエ
ル
人生が
まだ戦るのか?と
俺に問う
当たり前だろ
次はどいつだ
水無月の名も無き川に降り注ぐ雨おろし金オモテを削る
百合の花買い集めては敷き詰めて予想外にも花葬になる
買い為めた醤油の期限が切れたから一気に飲み干す テレビは予約
首吊は一瞬なんだし手軽だしせっかくだからリボン ....
情緒的欠品一覧提出す離婚歴のある若い事務員
コーヒーは三袋までに願いますただしクリームはご自由にどうぞ
黙々とパートタイマー作成す喫煙時間緊急連絡網
当部署は優秀避難訓練の時のみ顔を ....
しゃがみこみサンダルのひも編み直す少女見つめた恥ずい感情
アブラハムサラと共エジプトに入り苦労をしては吾らが先祖
(創世記12の10)
エホバ神アビメレクをさとしてはつみからすくい異邦人にも
....
にんげんで悪いか俺は
にんげんだ
俺も人間
俺もジェロニモ
二十才
三十才と
越えて尚
胸に迫るよ
大したもんだ
手のひらも夜もはざまも降りそそぐ漂う紙の大陸を踏む
わたしゆえ突き放された時の色たとえようとし止めた日のこと
たくさんの懐かしき文たなびいて涙な ....
いくつかのいろをならべてかきまわし 何も塗らずに雨をながめる
ためらいを 固めたような白い空 てるてる坊主を逆さに吊す
はげしさもやさしさもせつなさもなく とまどう甘さばかりが目につく ....
贋物の金魚を浮かべたバスタブをぼくときみとで方舟にする
{ルビ吃水=きっすい}に{ルビ陽光=ひかり}は搖れて{ルビ干渉=いりまじ}る翳を乳房とふふむ午後二時
隠すべき傷痕がどれかわ ....
内またにカスタネットのタトゥー入れももを合わせて口でタンタンタンタンタンタンタン・・・・
{引用=
窓の向こう止まない雨の薄曇りへばりつく虫の四肢はばらけて
傘を差す人の姿が点になるわたしも誰かの点になれたら
息を吐くわたしが写る化粧台午前零時に紅を手に持ち
....
共に読む聖書の文の励ましを日々喜びの期待となして
朝ドラマ心の糧とは思えど証人われら今日も清くあれ
歩きつつふと思う黒髪の可愛ゆき妻をパウロよ守れよ
結婚三年目は新婚なりや父たち言う歓楽街案内の合間
上司鬱病に倒れたり三年後は吾の番とかや早く帰りたし
娘の寝ていし夕食娘の話ばかりする静かなる
ほうれん草立ち寝しており吾もまたひとと ....
バンタムで
奴が待ってる
そう言って
死地に赴く
誇りを賭けて
いくじなしよりいくじなしへ差し出すライターの火だけ真っ直ぐに立つ
愚者の問い二十回くりかえしおり黄色い爪でフィルムを剥けば
消し方の丁寧さから気付く嘘さえも殺してゆくような雨
大鳥居前から右手 銃にして ハネムーン行きジェットひと撃ち
赤赤と大空染めた鶴の羽 {注機長=やっぱり城達也さん。伊武さんも良かったけれどね}とともに星に溶けゆく
シアワセと名付け ....
大鴉田んぼで虫をついばんで雛鳥の待つ森へ飛び立つ
オレンジの通勤快速 行き先は東京発の戦場行き
この街の人ごみ上手に歩きたきゃ冷酷非道な独裁者となれ
JKのスカートの裾めくれればザクロのごとき血脈ありて
マグリットあなたもいつか見た ....
BATHING APEの猿のカモフラを
脱いで一服 建築現場
....
忠犬が紐をくわえて籠が落ち田舎娘がまた一人消え
一時間前に会社を出た部下に円山町からTEL 違う名で
別れたて 泣く娘と遊ぶ{注数学者=ピーター・フランクル} ジャグラー歌は{注オイラーの ....
神経に優しい蒼い紫陽花は銀の破線を浴びて艶めく
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